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nanana

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また別の日
その日はメンバー全員での撮影の日
いつも通りふざけて、笑い合う、楽しい現場。
「かっわいい~♡ww」
撮影の中で運動音痴を発揮した俺に勇斗がそう言い、後ろから抱きしめてくる。いつもの俺をいじるノリ。
でも、ふざけてるように装って、勇斗が本心なことを知っているぞ。
「キッッショ」
俺はいつも通り嫌そうな冷めた目で受け流し、べしっと抱き締められた手を叩いて引き剥がす。
「よっしー耳めっちゃ赤いwww」
柔太朗にそんなことを言われる。
……まぁ、照れるは照れるよね。
好きな人に可愛いって言われ抱きしめられたら嬉しいし。
「暑いだけ!」
そう言って、嫌そうな顔をキープする。
運動音痴を出してしまったことを恥ずかしがってると解釈されてるから、それ以上の突っ込みはない。
またメンバー達とわちゃわちゃとしながら、撮影は順調に進む。
「じんちゃん、かわええなー!」
話の流れでそう言って俺に抱き付いてくる舜太。
勇斗から抱きしめられたときとは違い俺は笑ってそれを抱き止め、舜太の背中に手を回し、ポンポンと叩く。
「はいはい。」
可愛い末っ子は甘やかしたくなる。
だからついつい受け入れてしまう。
それは本心。
でも、それを勇斗を揺さぶる罠としても有効活用させてもらう。
「なんで俺の時とそんな反応違うわけ?」
ぶーっと拗ねたように言う勇斗。
「舜太だからな」
笑いながらそう返すと、一瞬瞳が揺らぐ。拗ねたような色に混じる、嫉妬の色。
「まーたやっとる」
「でた、さのじんwww」
「はやちゃん、嫉妬?笑」
そんなメンバーの声に紛れ、本当の色はすぐに隠されてしまうけれど。
あぁ、あと少し。
メンバーにすら、嫉妬してしまうくらい俺のことが好きな勇斗。
その目が言ってるんだ
俺に愛してほしいと。
俺に何回も恋して、
何回も罠に落ちてく
可愛くて、愛しい勇斗。
好きになっちゃうでしょ?
しょうがないよ。
きっと、まだ気付いていない。
俺の愛がこんなにも深い事。
こんなにも勇斗だけの事を想ってるなんて。
早くお前の思考が全部俺で染まればいい。そんなことを思う。
我ながら愛が重いなとは思うけど、好きだと自覚してから何年経ってると思ってるんだ。
早く俺のもとに堕ちてこい。
その気持ちに抗うなよ。
そして、ある日この関係を変える転機になる出来事が起きた。
「あの、僕…吉田さんのことが好きなんです。」
何年か一緒に仕事をしてきたスタッフに突然の告白をされた俺。
本当に偶然、それを勇斗がみてた。
勇斗は俺の返事を聞くことなくその場を離れたらしい。
でも、耐えられなくなったのか後日俺に話しかけてくる。
「……なぁ、仁人」
「なにー?」
「あの、さ…この間、偶然…ほんとに偶然なんだけど見ちゃって」
「?…なにを?」
「……告白…されてたの」
「は…、見てたの?」
「や、ほんと偶然なんだよ!」
「ふーん。まぁ、いいけど。」
「………」
「…なに」
「あの人、男の人だったじゃん」
「うん、それが?」
「え、」
「男でも女でも告白してくれるくらい俺が好きなんて有難いよ」
「え、あ……え、返事は?」
「うーーん…」
俺は焦らすように、そう返す。
「…まさか、付き合うことになったの?」
低い声でそんなこと言ってくる勇斗。
瞳には隠しきれない程の嫉妬が滲んでいる。
はは、隠しきれないんだ。
「なんでそんなこと聞くの?」
「…いいから答えろよ」
俺は曖昧に笑う。
すると勇斗の瞳から光が消える。
……はは、すごい顔。
俺のこと大好きじゃん。
ねぇ、早く俺に愛を伝えてよ。
「…付き合ってないよ。俺、好きな人いるもん。」
勇斗の中に埋め込んだ 愛の種が
狂い咲くように、俺はそう告げる。
コメント
1件
うわ、これめっちゃ好きなやつだ……。じんちゃん、完全に勇斗のこと手のひらで転がしてるけど、その根底にあるのが「何年も想い続けてきた重い愛」ってのがもうね。最後の「愛の種が狂い咲くように」って台詞、ゾクッとしたよ。伏線としての種蒔き、次が楽しみすぎる。