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佐川は、影達の3人が飛び出す様子を公園の茂みに隠れ見ていた。
後退りしながら、まずいことになったことを頭で理解しようと試みた。
「奴等は何だ、どうやったら倒せるんだ」
「サーザスはなぜ、俺を攻撃した」
「依頼人と何の関係があるのか」
奴等
サイ、イリ、グーン、タール
サーザスの影
見た目は黒い影
変身すると影でなくなり、骨格と体型がわかる
変身するとサーザスの顔とは4人とも異なる
サーザス
影4人の主
タキシードの男
A4の紙切れで奴等を呼び出した
依頼人と関係があるのか
依頼人
顔がはっきりしない
サーザスと面識がある
思い出そうとすると記憶が混濁する
佐川は頭の整理が追いつかなくなり、頭を掻き出した。
「駄目だ、情報が足りない」
情報収集も必要だが、今は逃げることが先だ。
「考えてもわからないことは、考えても仕方ない」
ジョギングコースを離れ走り出した行き先には、緑色のマウンテンバイクが電柱に立て掛けてあった。
これは佐川が乗ってきた自転車だった。
左ポケットから鍵を取り出し、自転車を漕ぎ始めた。
周囲の様子を確認するも住民は普通に生活している。
だが、不自然なことに佐川の姿は誰にも認識されていないのだ。
「やはり、住民は何かがおかしい」
「うーん、ともかく家族が心配だ、一旦家に‥」
佐川の視界が影に覆い被さる。
上空を見上げると4本足が強襲してくる。
佐川は自転車のサドルに両足を置き、横跳びでその攻撃を避ける。
「見つけましたよ」
タールが笑いながら、佐川を見つめる。
「何なんだよ」
佐川は潰された自転車を見ながら、その場でタールを凝視していた。