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第11話「見るなって言ってるやろ」
翌日の教室。
(終わってる)
朝からずっと、
昨日のことが頭から離れへん。
考えんようにしてるのに、
ちょっとした瞬間で戻ってくる。
距離とか、
声とか、……あと、
(……あかん)
そこで止める。
顔が熱くなる。
それ以上は無理。
机に突っ伏す。
「おはよ」
(来た)
今一番来てほしくないやつ。
「……」
無視。
顔、絶対見せたくない。
「ぷりちゃん?w」
「呼ぶな」
(声変やろ今)
でもどうでもええ。
見られたら終わる。
「思い出してる?」
「してへん!!」
反射。
(してるに決まってるやろ)
むしろ、
ずっとそう。
気づいたら、
隣に座ってる。
昨日のあとやぞ。
なんでそんな普通なん。
「耳、赤いけど」
「ちゃう」
慌てて腕で両耳を塞ぐ。
「何が」
「暑いだけや」
(無理ある)
分かってる。
でも他に言えん。
そっと顔を上げると
ふと視界に入るあっきぃの顔。
……そのまま、
目が、
唇に落ちる。
(……っ)
一瞬で、思い出す。
距離。
触れた感じ。
(やば)
一気に熱が上がる。
慌てて目を逸らす。
でも遅い。
「今、どこ見てた?」
(終わった)
「見てへん!!」
「見てたよね」
あっきぃ、
めっちゃニヤニヤしてる。
(最悪)
絶対気づいてる。
「ねぇ」
「なんや」
「唇?」
「ちゃう!!」
でも、
顔、隠しきれへん。
「へえ」
完全に俺で遊んで楽しんでる声。
(ほんま腹立つ)
「意識しすぎじゃない?」
「してへん!!」
嘘。
めっちゃしてる。
さっきからそれしかない。
「じゃあもう一回見てみれば」
「見るか!!」
でも、
一瞬だけ、また視線が落ちる。
(あかん)
完全に引っ張られてる。
その瞬間。
あっきぃが少しだけ顔を近づけてくる。
わざと。
「ほら」
低い声。
「今も見てる」
「見てへんって!!」
もう無理。
顔、熱すぎる。
今すぐここから逃げたいのに、
体は動かない。
(なんでや)
ギリギリで止まる距離。
昨日と同じ。
それだけで、
また全部思い出す。
「やめろ……」
声、弱い。
あっきぃはちょっと笑ってる。
「そんなに意識するならさ」
「もう慣れれば?」
「無理やろ!!」
即答。
でも、
その“無理”の意味、
自分でも分かってる。
「……昨日の、嫌だった?」
急にトーン変わる。
ずるい。
一瞬で答え詰まる。
「……別に」
声は小さい。
嘘つけへん。
「じゃあ問題ないな」
またニヤってする。
(ほんまこいつ)
「するなよ」
「何を」
「……それ」
言えへん。
でも、
もう一回されたらどうなるか、
分かってる。
あっきぃは少しだけ近づいて、
またギリギリで止まる。
「この距離でそんな顔するならさ、」
小さく笑う。
「やっぱり俺のこと好き?」
「ちゃう!!」
もうバレてる。
でも絶対認めへん。
コメント
4件
めっちゃ可愛い!!! 意識しちゃってるの最高💕
あきぷりが付き合っちゃけばいあんだ! それな2人が幸せになればいいんだ!