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皿をすすぎながら、悠真がぽつりと言った。
「……妹ちゃんって、こうやって家のことちゃんとやってるんだな」
「えっ」
不意の言葉に、咲は手を止めて振り返る。
「亮のやつ、何もしてなさそうだし。妹ちゃんが全部支えてんのかと思うと……ちょっと感心した」
「そ、そんな……普通ですよ」
慌てて首を振るけれど、頬が熱くなるのを止められない。
悠真は皿を拭きながら、どこか柔らかい表情を浮かべていた。
「……偉いな」
そのひと言が胸の奥に深く残り、咲はうつむいたまま「ありがとうございます」と小さく答えた。