鋼の騎士と星霜の瞳

第一章：交差する視線

登場人物…リヴァイ

　　　　　イリス(oc)

ウォール・ローゼ内地の調査兵団本部。

イリスの主な任務は、ハンジ分隊長の研究資料の整理と、リヴァイ兵長への機密伝達だった。

廊下でリヴァイとすれ違うたび、イリスの心臓は締め付けられるように高鳴る。彼女は訓練で鍛えられた冷静さを装い、「兵士長、失礼します」と一礼するが、その視線は一瞬もリヴァイの端正な顔から離せない。

リヴァイは、いつも通り無表情で「ああ」と短く応じる。しかし、その内では全く別の感情が渦巻いていた。

（…あいつの目だ。）

イリスの瞳は、まるで曇りのない星のようだった。戦場の血と泥を知らない澄んだ瞳。その瞳が、自分を見る時だけ、憧れと、わずかな**「庇護欲」**のようなものが混ざるのを感じる。リヴァイはそれが恐ろしかった。もし彼女を傍に置けば、戦場で彼女の血も流れることになる。それは、もう二度と耐えられないことだった。

だから、彼はわざと冷たく突き放す。 リヴァイ：「お前、また机の端を磨き忘れているぞ。任務以外の場所で、無駄な感情を出すな。」 イリス：「！…申し訳ありません、兵士長！」

叱責は、リヴァイなりの「これ以上、深入りするな」という警告だった。しかし、イリスはリヴァイの几帳面さを知り、「兵士長の基準に満たない」と反省するだけで、片思いを諦めることはなかった。