テラーノベル
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公園の遊具に反射する、夕張の光。
誰もいないその公園は、まるでドラマの世界のような鮮やかな紅と平和な静寂を纏っていた。
幼げに見たその景色は、余りにも平穏で、ありきたりなはずだったのに、
_______その記憶にはいつだって、血の色がこびりついている。
⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎◾︎◾︎◾︎
「どうして、…!なんで信じてくれないの?」
いつもの夜のはずだった。
いつも通り学校に行き、授業が終わると仲間が集まる倉庫へ向かった。
入口の扉を開けると、いつも陽気に『おはようございます』と笑いかけてくれる彼らが居ない。
それどころか異様に殺伐とした空気と沈黙が妙な緊迫感を生み出す。
違和感を感じながら倉庫の奥に進むと、いつもの大部屋に繋がる扉が見えた。微かに話し声が聞こえて、ホッとしながら扉を開けた。
『みんな、ただい─────』
“ま”
最後の言葉を言い切る前にいきなり手首を強く掴まれ見知った顔の男が目の前に立ちはだかった。
「…どういうつもりだよ、杏樹。」
橘 大我
同年代の、いちばん気兼ねなく接してきた親友が、怒りに声を震わせて私を見ていた。
「たいが…?…え、なに。どうしたの?」
わけがわからず困惑していると、大我の背の向こうからか細く泣き声が聴こえる。
「ッ…う、…ひっく」
嗚咽の混じったその声は、同じく親友だった女の子のもので。
「____________紬!」
反射的に親友の名とともに大我の横をすり抜けて彼女の元に駆け寄るが、「触らないでッ!」と伸ばした手を振り払われた。
陶器のように綺麗な紬の 頬には殴られたかのような青アザが痛々しく浮き出ていた。
「どうして、ッグスッ…どうしてなの」
親友が私を見て涙を流す。胸がギュッと痛むのに、何かがおかしい。
「な、何があったの紬。泣かないで」
「ふざげんなよ杏樹。全部てめーの計画だろ」
「計画?なんの事??」
大我の苛立つ声に反比例して私の声はどんどん萎んで不安な色を含んでいく。
分からない。
大我の怒りも
紬の泣き声も
今思い出しても、きっと私はあの時と同じように何も出来なかった。
曖昧な覚悟が、あの事件を引き起こした。
「杏樹。まさかお前が俺達を裏切るとはな」
竜神の総長である一宮 蓮が、苦悶の表情で私を見る。
やめて
嫌だ
そんな苦しそうに、落胆に満ちた目で見ないで
大好きな人達からの侮蔑の視線とともに、私は倉庫の外に放り出された。
「消えろ杏樹。…俺たちの前から」
外はいつの間にか雨が降っていた。
この日、暴走族 竜神の姫、鳥飼 杏樹は
“裏切者”になった。
コメント
1件
うわあ…第1話からこの重さ!😭💔 夕焼けの公園の描写が綺麗なのに「血の色がこびりついてる」って一文で一気に不穏になるの、エモすぎる… 杏樹ちゃん、何もわかんないまま親友達から「裏切者」扱いされて倉庫から放り出されるシーン、胸がギュッてなったよ…大我の怒りも紬の泣き声も蓮の苦しそうな目も、みんなの感情がリアルで苦しい。まだ1話なのに続きが気になりすぎる!早く真相知りたい…!
ふらっぺ
112
なに?
778
#ご本人様とは一切関係ありません
そらまる。
38
50