後日父様(仮)に聞いたが、俺の声を聞いてビビってたメイドは、俺が起きたことを伝えに行ったらしい。
うん。よかった。**「転生者って…?」**とか追求されたときにはどうしようかと…
それはそうと暑苦しい…
いつまでくっついてるんだこのおっさん…
俺が転生してからと言うもの、父様(仮)はよく会いにくる
いや…わかるけどさ、俺はイェリースだけど、違うわけで…うん。まぁ言っても伝わらん。
「イェリース…イェリースぅぅうううう」
いや、見た目とのギャップすごいなこの父…
「あなた」
この地獄のような空間に響いた付近を一掃するような声…
「セイリーン…」
「母様(仮)」
おぉ…暑苦しい地獄に舞い降りた癒しの聖女…や。好き
「リースは病み上がりなのですよ?そんな風にしては倒れてしまいます。あと、公務があるでしょう?フェリクスが頭を抱えていましたよ。全く…」
母様に喝を入れられた職務怠慢公爵サマは泣きながら出て行きました。
「リース…あなた体調は?」
「もうすっかり大丈夫ですよ。」
うむ。やっぱいつ見てもキレイだな。俺と同じ銀の髪にレイヴンにそっくりのルビーみたいな真っ赤な瞳。
うん。前世だったらアイドルのトップじゃ足りないぐらいの美人だな。結婚したいわ。
「そう…よかった。」
安堵したような声…
本当に俺のことを心配してくれていたのだなと思うと、何とも考え深い
「ねぇリース」
「なんですか?」
「今日神殿から司祭が来る予定なのだけど…大丈夫?」
?
何かダメなことでもあるのだろうか…
司祭といえば、悪巧みする悪徳代官ポジと、死ぬほど生真面目で優しいだけのポジがいるのだが…
ってそれは今いいとして…
「何かありましたか?」
「いや大丈夫ならいいのよ……」
なんかバツが悪そうな顔をしてるな。
面倒ごとに巻き込まれる予感がするが、こんな優しい聖女様に断りを入れるなんてできない。とりあえず司祭と会うか。
***
あーうん。そんな予感はしてたよ
うん。ありがとう。見事なフラグ回収100億満点だよ。
新たな物語始まるよ。
「転生したら勝ち組令息だったので、今世では遊んで暮らしたいと思います!」
みたいなタイトルから変わって、
「転生したらへっぽこ勇者だった俺は、魅了のスキルだけで魔王討伐に駆り出されました!」
に変わるよ。
そんなんでいいのか!運営さんよ!?
運営なんていもしないが、そこはご愛嬌
***
「リース…リースぅぅううううう…そんなぁ…行かないでくれぇ」
なんで神に見放されて、勇者の称号持ってるだけの俺がそんな理由で王都の神殿まで行かないといけないんだよ。
しかもへっぽこの部分見えてないとか何事だよ。俺への精神的ダメージか。
**「勇者サマ!勇者サマだ!」とか讃えられる中で心の内では「俺…へっぽこなんだよね…」**とか1人で傷つけって言いたいのかな?タチ悪りぃな。おい。
転生して1ヶ月。新しい家族と別れを告げました!!
馬車に乗ってる間司祭に話された。今の情勢。
まず、魔王に奪われたこの国の象徴である聖杯を取り戻すこと
聖杯の力は絶大で、付近の魔物が凶暴化してるということ
うん。聖杯戦争とかF○teか何かかな?
今度はなんだよ
「キラーウルフ!?そんな!バカな!」
うわなんか100点満点の動揺の仕方ありがとう
「勇者様!その絶大な力を我々にお貸しください!」
いや、なんのための護衛だよ。むしろ俺を守るためにその力使えよ。
しかも、絶大な力なんて持ってないよ。魅了でどうやって戦えと?
ーTo be continuedー
イェリース・ロシュフェール
物語の主人公
ロシュフェール家三男で、前世の記憶を持つ。
へっぽこ勇者、神に見放された転生者の称号を持っており、
その容姿は、天使と見間違えるほど。勇者の称号を持っていることが神殿によって判明し、王都まで連れて行かれる
ラズウェル・ロシュフェール
イェリースの父で、ロシュフェール公爵家当主
漆黒の髪と金子の瞳を持ち合わせ、凛々しい容姿のイケメンだが、その姿からは思えないほどの親バカ
レイヴン・ロシュフェール
イェリースの3つ年上の兄
父親であるラズウェル譲りの黒髪と母親であるセイリーンの赤眼を受け継いだイケメン。いつも思考が読みにくいが、照れると真っ赤になる。
イェリースからは魔王みたいな見た目だと思われている
セイリーン・ロシュフェール
イェリース達の母
ラズウェル唯一の妻
銀髪に赤眼をしたおっとりとした美人
ラズウェルの暴走を止められる唯一の人
フェリクス・ロシュフェール
イェリースの5つ年上の兄
ロシュフェール家嫡男
母親であるセイリーンから受け継いだ銀髪と赤眼。ラズウェル譲りのイケメンさで、令嬢達の間で人気だが、本人はサボり癖のあるラズウェルのせいで恋愛どころではなく、いつも執務室に篭っている。父親のせいで胃が痛くなることもしばしば
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