テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
――箕輪城。
長野業正は、佐竹義重殿と里見義堯殿を箕輪城へ招いていた。
「突然のお呼び出し、申し訳ない」
「佐竹殿、里見殿」
「業正殿が我らを呼び出すなど、ただ事ではございますまい」
佐竹義重が答える。
「ですな」
里見義堯も頷いた。
「わざわざお呼び出しいただいたからには、参るしかありますまい」
「……それに、素敵なもてなしも受けましたし」
「ふふ、そう言っていただければ何より」
業正は二人を見据え、早速本題へ入る。
「単刀直入に申し上げる」
「上杉憲政様を、お戻しする計画が立っている」
「「なんと……」」
二人は驚きの声を上げた。
「協力予定は、まず長尾」
「そして、それがし」
「当然ですな(´・ω・`)」
義重と義堯は、すんなり頷く。
「そして、武田に……」
業正が続ける。
「……そして、お二方にも」
「「!?」」
「え……もう決まっている感じですかな?」
義堯が思わず聞き返す。
「いやいや」
業正は苦笑する。
「あくまで、信頼できる方として、お二方のお名前が上がったのです」
「なるほど……」
業正は表情を改める。
「某は、北条の横暴を到底許すことはできません」
「武田の方円殿とは、数日前、直接話をしておりました」
「よくできた方じゃった」
そして、少し遠くを見るように続ける。
「自分を信じなくてもいい」
「ただ、憲政様をお助けするために協力してくれ、と……」
「泣きながら訴えてきたからな」
「……」
佐竹義重が腕を組む。
「確かに……北条は気に入りませんな💢」
「わしの領地にも、当たり前のように侵犯してきております」
里見義堯も頷く。
「某の領地も同様でござる」
「追い返してはおりますが、上杉殿が追い出されて以来、勢いを増しておる」
「調子に乗って、定期的に侵犯してくる有様ですからな」
二人は顔を見合わせる。
「武田は変わったと聞いても……」
「正直、まだ疑っております」
「ですが……」
義重が業正を見る。
「業正様の訴えは、心に響き申した」
義堯も続ける。
「我らの土地を荒らされて、黙っていることはできません」
「それに、上杉の権威が戻れば……関東が平和になる」
「憲政様をお助けすること――」
二人は、揃って頷いた。
「共に、お約束いたしましょう」
「……!」
業正は、深く頭を下げる。
「この長野業正、感謝いたす」
「これで……主君をお助けすることができる」
その顔には、久方ぶりの安堵が浮かんでいた。
コメント
1件
「箕輪会談」、読み終えました。歴史の重みがひしひしと伝わる会談シーン、とても良かったです。 長野業正が「泣きながら訴えてきた」という武田の一言に、あの場にいない人物の苦悩が一気に立ち上がってきました。それに応じて佐竹・里見両名が動く決断をする流れも自然で、同盟の「始まり」として説得力がありましたね。 琴寧さんの描く人と人の結びつき、これからどう動くのか楽しみです。
富来 えび
122
#自分用
富来 えび
20
һагυ_彡
238