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🎧日常短編集「名前のない日々」
①「コンビニ帰り」
夜。
コンビニの袋を片手に、並んで歩く。
琉夏「アイス溶けるぞ」
冬星「もう溶けてる」
袋の中を覗く。
琉夏「買うの遅いんだよ」
冬星「選んでた」
琉夏「どうせ同じやつだろ」
冬星「うん」
少しだけ笑う。
家に着く。
袋を開ける。
案の定、少し柔らかい。
琉夏「ほらな」
冬星「別にいい」
スプーンを突っ込む。
柔らかくなったアイス。
ひと口食べて、少しだけ顔をしかめる。
琉夏「やっぱダメじゃねえか」
無言で、差し出される。
琉夏「は?」
冬星「食う?」
一瞬。
(なんだよそれ)
でも、受け取る。
そのまま食べる。
甘い。
琉夏「……普通にうまい」
冬星「だろ」
何でもないやり取り。
でも。
こういうのが、増えた。
✄––––––––––––––✄
②「寝落ち」
夜中。
曲作りの途中。
音が、途中で止まる。
琉夏「……?」
振り向く。
冬星、ソファで寝てる。
ギター持ったまま。
琉夏「まじかよ」
近づく。
少しだけしゃがむ。
(……無防備すぎ)
ため息をついて。
ギターをそっと外す。
ブランケットをかける。
そのとき。
ほんの少し、手が触れる。
(……あ)
でも、離さない。
少しだけ、そのまま。
琉夏「……風邪ひくなよ」
小さく呟く。
そのまま、自分も隣に座る。
気づいたら、同じように目を閉じてた。
✄––––––––––––––✄
③「音のない時間」
昼。
珍しく、何もしてない。
楽器も触らない。
ただ、並んで座ってる。
琉夏「……暇」
冬星「じゃあ寝れば」
琉夏「それしかねえのかよ」
少しだけ間。
琉夏「……どっか行く?」
冬星「どこ」
琉夏「決めてねえ」
沈黙。
冬星「じゃあいい」
即終了。
琉夏「だよな」
でも。
誰も離れない。
何もしない時間。
それでも、十分。