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魔術を使ってしまった
主はある晩、不老不死になった日のことを夢に見た。
そして、自分の使おうとしていた回復魔法と魔導兵器の魔術が混ざったことで、不老不死となったことを思い出した。
(そうだ、私は魔法が使えた・・・だから不老不死になった・・・それなら・・・!)
主はベッドから抜け出して見張り台に駆け上がった。
『ここなら・・・よしっ!』
主は両手を合わせて祈るような姿勢になった。
『我が魔力を解放せよ・・・解呪!』
主は無意識のうちに封じていた魔力を解放し、魔法が使える状態にした。
千年ぶりに魔力がみなぎる感覚がして、懐かしく感じる。
『どこまでできるだろう・・・まずは、回復魔法〈ヒール〉!』
主の周りがふんわりと光を帯び、体力が回復していく感覚がした。
『ファイアアロー!アイスアロー!サンダーアロー!エアーアロー!ライトアロー!ダークアロー!』
続いて、遠距離攻撃の基本であるアロー系の魔法を放った。
色とりどりの矢は森の方に飛んでいき、目標としていた湖に着水した。
(操作性も問題なし・・・あとは・・・)
『バリア!ウォール!』
防御魔法を展開させ、ファイアアローをぶつけてみた。
ファイアアローはバリアにぶつかり、砕け散った。
(うん、多分性能も問題ない・・・)
そこで主は視線を感じて振り返った。
「「あっ」」「「やべっ」」「「うわっ」」
そこには、主が寝床を抜け出して大声で何かを叫んでいたのを心配して見に来た2階と3階の執事たちがいた。
ちなみにナックは庭の方から主が見張り台にでてきたのに気づいて見ていた。
『あ・・・みんな・・・あ〜・・・えっと、起こしてごめんね?』
🦋「あ、いえ・・・」
🌹「それは良いんっすけど・・・」
🍷「何をしていらっしゃったんですか?」
✝️「その・・・さっきのは幻覚では無いですよね?」
🌟「主様!魔法が使えるんですか!?」
🦾「ちゃんと話してもらうぞ?」
主は会議室に連行された。
寝ていた執事たちは全員叩き起こされ、ナックも見回りを終えて、会議室には寝間着の執事たちがずらりと並んでいた。
❤️🩹「ふわぁ・・・珍しいですね?寝間着で集合だなんて」
🪡「・・・zzz」
🕯️「・・・下らない用事だったら殴るからな・・・」
ミヤジはこっくりこっくりと船を漕いでいるフルーレを支えながら、機嫌悪そうにルカスを睨んだ。
⚔️「zzz・・・」
🍽️「おい!起きろって!!」
🫖「バスティン君!?倒れてっ!?ああっ」
ベリアンはロノが担いできたバスティンを反対側から支え、近くの椅子に座らせた。
🧸「・・・こーひーいれてきます・・・いてっ!?」
☔「テディさん!?大丈夫ですか!?」
💮「いや〜・・・徹夜して正解だったわ〜」
🤍「ふん・・・お前は酒を飲んでいたのではないか?」
🐾「・・・ねむ・・・」
別邸組は目が覚めている執事と寝ぼけている執事の差が激しかった。
『ごめんね、みんな・・・急に来てもらっちゃって・・・』
🫖「いえ!主様の頼みとあらばいつでも参上いたします!」
主は事情を知っている2階と3階の執事たちをちらりと見てから、観念したように語り始めた。
『ちょっと長くなっちゃうから、どうぞ座って?
・・・まず、私が産まれた世界では魔法が当たり前に使われていたの。そんな世界で世界中を巻き込んだ大きな戦争が起こってね・・・』
主は不老不死になった原因を語った。
執事たちはいつの間にか全員覚醒して、神妙な面持ちで主の過去を聞いていた。
『・・・まあ、それで色々あって指輪を黒猫ちゃんから貰って、主になったんだよ。
その時の夢を偶々見てね、もしかしたら天使狩りの手伝いをできるかもな〜って思って、魔法の練習をしてたの』
🍽️「そうだったんですね・・・」
⚔️「魔法・・・か」
✝️「確かに、主様のサポートがあれば天使狩りの効率は上がるでしょうが・・・」
🍷「主様にそんな気を使わせるわけにはいかないよ」
執事たちはそう言って頷きあった。
「主様、天使は私達が必ず倒します!ですから、安心して私達に守られてくださいね!!」
『うそつき・・・』
主は執事達の亡骸にそう呟いて、ハラハラと涙を流した。
『・・・うわぁぁぁああああああ!!』
そして、ありったけの魔力をかき集め、大きな魔法陣を展開したのだった・・・