テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
右左一奥
587
魔術師のお姉さんが、傷だらけで倒れていたからだ。倒れる寸前に、最後の力で回復魔法を放ったんだろう。
「プリンス・ロードの挑戦者、魔術師のルルさん、気絶により残念ながらリタイアです!戦闘終了後、責任持ってスタッフが救援に向かいます。そのまま戦闘を続けてくださいね。 」
キーツのアナウンスに、猫少年は今にも泣き出しそうだ。
それでもモンスターはまだ3体残っている。猫少年は拳をギュッと握りしめ、頭を2~3回振ると、ギガントフラワーに向かって駆け出した。
残るはロングイヤーとギガントフラワーだけだが、猫少年だけでは荷が重い。特にギガントフラワーは、HPも相当高い上、一発の攻撃が重いからだ。
健闘しているが、じわり、じわりとHPが削られていく。
「プリンス・ロードの挑戦者、格闘家のにゃん太さん、HP切れにより残念ながらリタイアです!また挑戦してくださいね!」
ついにHPが底をついた猫少年。
最後までよく健闘したと思う。
…ていうか名前、にゃん太…。
誰だ名前付けたの。あのお姉さんか!?
しかし、個性的な挑戦者達も次々と脱落し、残るはスライム・ロードとプリンセス・ロードだけになってしまった。
特にスライム・ロードは、主戦力の魔族魔術師が魔法を使えないという、ピンチの状態が続いている。
あれからちょこちょこスライム達と戦っているが、魔族魔術師はイライラと見ているだけだ。そして、全員がほぼHPが半分以下まで落ち込んでいる。
「なぁ、グリード?まだムリか?」
弟戦士も、もはやからかう様子はない。
力なく首を横に振るだけの魔術師を、心配そうに見て、姉を小突いている。
弟戦士から小突かれて、女戦士はしどろもどろで魔族魔術師を慰めた。
「あ~…あの、グリード。魔法が使えない間は、あたしがしっかり守るから、魔法復活したらまた頼むね」
恥ずかしそうな女戦士に、魔族魔術師が飛びついている。「アイカちゃ~ん!」と叫びたいところだろうな。口がパクパク動いてるし。
「今度から、もう少しいざって時の回復薬とか、準備しないとだね」
盗賊くん、そう言ってくれると、訓練用ダンジョン作ったかいがあるよ。
相変わらず、生い茂るシダをザクザクと切りながら進んでいるパーティーの前に、次のボスが潜む、大きな木のウロが見えてきた。
魔族魔術師の魔法が復活しないまま、あの5色のスライム達に挑むのは自殺行為だとも思うが…。
あいにくそれを伝える術もない。
コメント
1件
にゃん太wwww思わず声出た🤣 お姉さんが名付け親なのほんと好き。最後まで頑張ったけどギガントフラワーは重すぎたね…。でも本番はこれから!グリードの魔法が復活しないまま次のボス戦とか、めっちゃハラハラする😭 アイカちゃんに飛びつくの想像するとほっこりした🌙