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「殺せ!」
「悪い魔女だ!!」
「処刑しろ!」
民衆の非難の声が聞こえる。
今、私の目の前にあるのはギロチンだ。
ーなぜこうなったのか。
ロビス帝国では、魔法を使える貴族はごく一部。私はその一部側の人間だった。
そして私の魔法は雷魔法と医療魔法。
雷魔法を使える逸材は珍しくない。けれど医療魔法が使えるのは100年に1度。
そのはずだった。
私以外にも使えるという愛らしい女の子が現れたのだ。私は雷魔法も使える上、医療魔法も使える。そんな魔法に長けたのが私だなんて有り得ない、と民衆からの非難を浴び、今処刑に至った。なぜ民衆が私のはずないと思ったのか。それは私の日頃の行いだ。
私は皇太子に恋をしていた。恋と言っていいのか分からない。依存に近かった。それなのに、医療魔法を使えるという愛らしい女の子『レスター・キャビン』に皇太子は落ちた。
私は嫉妬で狂い舞踏会も荒らし、お茶会だって、キャビンが現れると必ず理性が保てず爆発してしまっていた。
ーそのせいで私は首を切られることになってしまったのだ。
「皆の衆。よく聞くんだ。魔女の最期の一言を。」
国王陛下が皆に聞こえる声で言った。
私の首には騎士の剣(ツルギ)がバツ印に掲げられている。
「あの女は、、っ私の魔力…を、奪いつづけてい…る、今もまだ…」
私は民衆を睨みつけ、ギロチンにかけられた。
「斬首しろ!!」
ーーカコーンッ
…ここは?なんなの、この真っ白な世界。
天国?地獄なの?何もないじゃない…
…あれは誰?
女性かしら…
「あの…すいません」
なに?この人、私に話しかけてるの?
「もしかして…アクアリン・クレア、ですか?」
なんで私の名を、!!
「うわぁ…絶対そうですよね。実物見ると美しすぎて目が開きません…」
「あなたは…誰なの?ごめんなさい。存じ上げなくて。」
「知らなくて当たり前ですよ!私の名前は佐藤 楓です」
…?今なんて言ったの?
「さ、さとぅ?カエデ?」
「難しいですよね笑。覚えなくても平気です。あそこに何か…青いようなものがありますけど、行ってみません?」
「ええ、行ってみましょう」
ビビビビッという音と共に、青いナニカに文字が映し出された。
《あなた達はあなた達が過ごしていた世界で死んでしまいました。元の人生に戻ることはできませんが、2人の前世を交換し、新しい人生を生きることはデキマス。どうしますか?》
目の前には【はい】【いいえ】という文字が浮かんでいた。
「…クレア様、交換してみますか?」
「あなたの世界はどんな所だったの?それとなぜあなたは私の事を知っているの?」
「まだ説明していませんでしたね。私の前世は、ネットやAIに支配されていました。人類がみなAIを頼り、ネットでしか生きられない人もいた。そして何もかもがはやすぎる時代でした。情報が出回るのも、流行が変わるのも、人間関係が崩れるのも。またその逆で人間関係がつくられるのも。すぐに動いてしまう世界です。それでも楽しいことはいっぱいありましたし、便利でしたよ。色々。それとなぜ私が貴方を知っているのか。それは貴方が漫画、クレア様の認識では本、の世界の登場人物だからです。その本を私は愛読していました。だからあなたがどうやって死んだのか。どんな人生を歩んだのか。全て知っています。私に任せてください。あの本物の悪女、キャビンの正体を暴き、復讐してやります。もし私の状況が気になるのなら、スマートフォンというものを使って、『冷酷皇太子に好かれるなんて』と調べてみてください。そしたら状況が分かるはずです。交換しましょう。私とあなたの人生。」
「その…ネット?AI?とかよく分からない単語が沢山出てきたけれど…やってみる価値はありそうね。いいわ。交換しましょう」
【はい】
ポチッと【はい】を選択した。
《本当によろしいのですね?もしあなた方が会話したい場合、悪女のカウントダウンと一言言ってください。そうすれば二人で話すことができます。それでは、2度目のお互いの人生。楽しんでくださいね。》
続く
八雲瑠月
潤🧫👾
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