私は急いで玄関先に向かった。
「さようでございますか。奥へどうぞ」
と言った途端腕を引かれた。
「え、な、なんでしょう」
「凄く可愛い女子だ、名はなんと申す」
「遥です。近藤遥。」
「これは運命だ!」
といい急に腕を取り抱きつかれた。恋愛経験のない私は一瞬時が止まり、頭の中がパニックになっていた。
私の力では離そうとしても離れない。その時後ろから腕を引かれ誰かの背中に隠れるように被さった。
「おい、俺の遥に触るな。誰だ。」
「俺は藤堂平助。お前は?」
「沖田宗次郎だ」
その時笑顔だったが目が睨んでいた宗次郎だった。
私は勇を呼びに行くのに、
「宗次郎ありがとう、お兄ちゃん読んでくるね」
宗次郎は笑顔で私の腕を離した。
勇の部屋に行く手前の縁側で山南さんがお茶を飲んでいた。私は山南さんに平助が来た事を伝えた後、勇の部屋に行った。そこには歳三もいた。何かお取込みのようだった。
「失礼します。お客様がお見えになられました。名は藤堂平助。山南さんのお知り合いだそうです。」
「おぉ、そうか。ここへ連れて来い」
私は玄関先に戻り、平助を勝太と歳三がいる部屋に招いた。私は宗次郎に話があり探していた。全然見当たらず困っていたところ、縁側でお茶を飲んでいた山南さんが、
「遥ちゃん急いでどうしたの?」
「宗次郎を探していて」
「沖田君なら子供達と遊んでいたよ」
私は、本当子供好きだね。と思いながら玄関先を出た。私が宗次郎に聞きたかったのは、
俺の遥に。の言葉。
「宗次郎、ちょっと話があるんだけど。」
「なぁに?」
「さっきは助けてくれて有難う。その時に俺の遥…って言ったいたのはどうゆう意味?」
すると宗次郎は笑顔で、
「わからないならいいよ。そのうちわかるよ」
その時、家の奥から大きい声で私の名前が響いた。
平助だった。声が大きいのよ。と思いながら返事をして家に戻った。藤堂平助は天然理心流に入門するそうだ。
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