※注意※
この小説は、純度100%の私の妄想で出来たnmmnです。ご本人様には一切関係ありません。
ご本人様はもちろん、その周辺の方々やnmmnが苦手な方の元に届かないよう、配慮をお願いします。
私の癖を詰め込んだので、誰かの地雷の上で踊り狂っているかもしれません。それぞれで自衛をするようにしてください。
読後の誹謗中傷等は受け付けておりません。チクチク言葉が届くと泣きます。
その他、BL要素(🌵&🟦🧣)、死ネタ、バース要素(アイスバース)あります。
膨大な文量になりそうですので、バースの説明は省いています。申し訳ありません。お手数をおかけしますが、アイスバースを知らない方は、ご自身で調べるようお願いいたします。
さて、どうしたもんかな。
刻々と過ぎていく時間に心の中で頭を抱えながら、俺は考えた。
「あー、 もうちょっとで帰んなきゃだな」
「結構いい時間だしな」
「ま、あと1時間ぐらいあるし。次なにして遊ぶ?」
隣で、らっだぁは時計に目を向ける。カチ、カチと音を立てる秒針が今はうざったらしくて、思わず眉を寄せた。
今日、言うんだろ?「好きです」って。こうやって告白する機会を逃していくのも、もう何回目だ?いい加減言ってしまおう、当たって砕けろだ。
そう俺に言い聞かせても、結局一歩手前で立ち止まってしまう。何回も言おう言おうと口を開いたはいいものの、極度の緊張に声帯が震えなくなってしまうのだ。なんの関係もない話ばかりして、結局伝えられずじまい。流石に、俺もうんざりである。
そもそも、らっだぁ2人きりで面と向かって話せる機会がごくごく稀なのだ。周りとは必ず一定の距離を取り続けるらっだぁと、こうしてネット以外で会うのは簡単に出来ることではない。
今までも、たくさん説得してなんとか来てもらっていた。だからこそ、これ以上貴重なチャンスを無駄にするわけにはいかないのだ。
どうしたものか……と考えていると、頬にひんやりした感触が伝わった。驚いて顔を上げると、目尻の垂れた青い瞳と目が合う。
「もー、なに考え事してんの?」
「い、いや、なにも?」
「うっそだぁ」
頬の冷たさは、らっだぁの手が俺の頬に触れたときのものだった。人より低体温なこいつの手は、いつ触れてもビックリする。
キンキンの手もそうだが、あのらっだぁがここまで距離を詰めてくれるとは思わなくて、いつもより近くにある青色の宝石に魅入ってしまう。やっぱり、らっだぁの青色はなによりも綺麗。
らっだぁは、俺を怪訝そうに見つめた。
「なに、言いたいことでもあんの?」
「べ、つに……」
「ふーん……あんまジロジロ見ないでよ、流石に恥ずかしいから」
らっだぁは俺の頬から手を離して、隣に座り直した。
なんというか、今が1番のチャンスなんじゃないかな。今なららっだぁも俺の話を聞いてくれるだろうし、ここまで近くに来てくれているんだから、絶好の機会な気がする。
「……らっだぁ、やっぱ言いたいことあんだけど、いい?」
「え、いいけど……どうしたの急に。やっぱりどっかおかしくなっちゃった?」
「ちげぇよ……まぁいいや」
俺は、らっだぁの手をぎゅっと握る。驚いたのか一瞬表情が曇るが、抵抗する様子は見せない。俺と俺の手を交互に見てから、らっだぁは少し期待したような目を向けた。
堂々と、不安げな様子は見せないように。とにかく真っ直ぐ、ハキハキと。断られてもいい、伝える事が大切なはずだから。
バックバクに心臓を高鳴らせ、俺は口を開いた。
「ずっと、あなたのことが大好きでした。……付き合って、くれませんか?」
「は、……ほ、ほんと?」
「本当、なんだけど……いや、だった?」
「ほ、んとなんだ……え、ガチかぁ……っ」
弾んだ声でそう言った後、らっだぁの白い肌がぶわりと紅色に染まる。これは、期待してもいいのかな?熟れたりんごみたいな頬に、そっと手を伸ばした。
らっだぁは俺の手に自身の手を添えて、ボロボロと大粒の涙を流し始める。
「いや、じゃない。いやじゃない……え、ほんとなの?ドッキリとかじゃない?えええ、ありがとう、やばい嬉しいぃ……」
しどろもどろになって、言葉を詰まらせながらも首を縦に振るらっだぁ。真っ赤な顔を恥ずかしそうに手で隠し、俺の言葉を反芻するように頷いた。こぼれ落ちる涙の一粒一粒がキラキラ輝いていて、まるで宝石のようだ。
そんなに驚いてくれるとは思わなかった。とにかく今は、OKしてくれたことが嬉しくて堪らない。いいのだろうか、俺ごときがこんな素敵な人と付き合えて。
「泣くなって、赤くなっちゃうだろ?」
「なくよぉ……うぅ゙…、ふ、っ……うれしぃ、んだもん……」
グスグス鼻を鳴らしながら、俺の手を確かめるように握り直すらっだぁ。 目元を覆う指の間から垂れる雫は、あっという間にフローリングに水たまりを作った。それでも勢いは増すばかりで、止まる気配がない。
何かおかしい。
ふと、突拍子のない考えが頭に浮かんだ。
こんな短時間で、ぼたぼた落ちるぐらいまで涙って流せるもんだったか?勢いが、涙とはまるで違う。涙ってもっと、ぽろぽろ〜、って感じじゃないか?
それに、指の間から漏れているようには見えない。垂れる範囲が広すぎる。顔面全体や、手からも垂れているのなら説明はつくが……。
「な、なぁ、らっだぁ?」
少し不安になって、らっだぁに声をかける。涙だったとして、ここまで泣きじゃくっていると流石に心配だ。ほんと、心臓に悪い……
───グシャリ
その時、鈍い音を鳴らしてなにかが落ちた。同時に、隠されていたらっだぁの顔が顕になる。
「ひッ、あ」
俺は、床に転がるソレを見て、情けない声を上げた。
フローリングに横たわっていたのは、ドロドロに溶けたらっだぁの片手だった。
ゆるゆると顔を上げたらっだぁを見て、俺は思わず叫んだ。だが、あまりに驚いたからかさして声は出ず、震えた吐息が漏れただけだった。
髪の毛が、指が、体が。溶けて液体となり、雫になって落ちる。体が涙と混ざり合い、床に垂れ、ビシャビシャ音を立てた。
らっだぁは、震えた手で落っこちた方の手を持ち上げる。みるみる内に溶けて消える手を不思議そうに見つめ、悲しそうに笑う。
「あ゙ー……そっかぁ、ぐちつぼはジュースだったの。残念」
「え?ちょ、え……?ご、ごめ、……ぁ、…おれ、どうしたら、」
「……もう、どーしよーもないんだよ」
諭すように、優しくらっだぁは言った。
らっだぁは、アイスなんだ。そう理解した瞬間、さぁッと血の気が引く感覚がした。同時に、自分が取り返しのつかない事をしてしまったことも悟る。
俺は、らっだぁを力いっぱい抱きしめた。どうにかして形を保たせたくて、とにかく必死だった。
なんで、気づけなかったんだろう。なんで、分からなかったんだろう。人より低い体温、人一倍大きく作られた壁。気付くチャンスなんてたくさんあった。
こんなことになるなら、言わなければ良かった。なんで俺は、こんな軽はずみな事をしてしまったんだ?
「んふ、ぐちつぼはあったかいねぇ。優しいもんね、お前は」
「止まれよ……なんで、ッ、ヤダよ、おれ」
「なぁんで泣いちゃうかなぁ。……やめてよ、俺まで悲しくなっちゃうじゃん」
子供をあやすように、優しく頭を撫でられる。髪が濡れていく感覚だけが残り、みるみる内にらっだぁは消えていく。
びしょびしょの肩に顔を埋めて、情けなく泣きじゃくった。泣いても何も変わらない、そんなことは分かっていたのに……こうしないと正気を保っていられる気がしなかったのだ。
「お前と、もっと色んなことやってみたかったなぁ……2人で旅行だって行けるし、ゲームも気が済むまで出来たかもね」
「そんなん、いくらでも相手してやる。どこでも一緒に行ってやる。だから、だから……消えないで……、ッ………、」
らっだぁの体が、みるみる内に小さくなる。すぐに腕に収まる大きさになり、かろうじてくっついていた手にはもう指は無い。
溶けていく自身の体を支えて、らっだぁはグシャリと顔を歪めた。しかし、すぐに優しい表情を浮かべ、俺の頬を濡れた手で撫でた。
「あのね、ぐちつぼ。舌が溶け切る前にこれだけは言わせてほしい」
「…、なんだよ」
短くなった腕で、らっだぁは思い切り俺を抱きしめる。そして、俺の頬にちゅっとキスを1つ。
「おれ、おまえがほんとうに好き。だいだい、だいすき。あいして、ぅ」
口内が溶けてきているのだろう。舌っ足らずにそう言って、らっだぁは可愛らしく笑った。
その言葉を聞いて、さらに涙が溢れる。ずっと、こいつの口から零れるのを待ちわびていた言葉だ。それが、こんなに胸をキツく締め付けるなんて、誰が予想出来ただろうか。
俺は、境界線が曖昧になったらっだぁの唇に口付けた。本当はもっと深くまでいきたいのだが、そんなことしたら歯止めがきかなくなってしまいそうでなんとか堪える。
ぺろりと唇を舐めると、とろけた目が見開かれ、目尻からぽろぽろ涙が溢れる。
「……大好き。ずっと、これからも、永遠に愛してる」
「ほ、んと?うれし……しあわせ、だなぁ」
「俺も、俺も幸せ。お前と一緒にいれて、本ッ当に幸せだよ」
「んふ、ぁ、りが、おぅ……」
それを最後に、らっだぁの口がどろどろと溶けて混ざる。もう、あの間延びした声は二度と聞けなくなった。そう考えると、やるせない気持ちが胸いっぱいに満ちる。
必死にそれを振り払って、 らっだぁに精いっぱいの笑顔で笑いかける。まだ、俺の役目は終わってないから、ここで泣くわけにはいかない。
もっと強く抱きかかえて、かろうじて残っている耳の側に口を寄せる。
「大好き。愛してる」
「……、」
「OKしてくれてありがとう。マジで嬉しかった……一生の思い出だわ、ほんと」
「……」
「こんなんじゃ足りねぇよ……初めて会った時から、ずっとずーっと好きだったんだぞ?」
聞こえてるかも分からない。伝わっているかも分からない。けど、きっと意味はあるはずだ。小さな体をかき集め、今まで秘めていた思いを必死に伝え続けた。
大好きと言うたびに、目頭が熱くなり、涙の膜が張る。堪えるために口をつむぐ時間が長くなり、息は情けなく震えた。
泣くな、泣くな。本当に泣きたいのはらっだぁだろ、お前が泣いてどうすんだ。そう言い聞かせても、余計に涙が溢れるだけだった。
「大好き、ッ、大好き。溶け切るまでなんて、短くて……短すぎて………、全部、伝えきれないなぁ……ごめん、なぁ」
そう言った頃には、らっだぁは到底生きているとは思えないような状態になってしまっていた。面影なんて欠片も無くて、元々人だったのが信じられないほどだ。
でも、まだ確かに生きている。あと一言、それだけは絶対に伝えたい。
俺は、涙を飲んで口を開いた。
「またな、らっだぁ」
きっと、また出会えるはずだから。
それを待っていたかのように、確かに俺の言葉を聞き届けてかららっだぁは溶けて消える。微かに灯っていた温もりも冷え切って、後にはらっだぁの服だけが残った。
『おれ、おまえがほんとうに好き。だいだい、だいすき。あいして、ぅ』
頭の中で、らっだぁの声が反響する。
苦しい。帰ってきてほしい。今すぐ隣に行きたい。そう願う俺を嘲笑うように、心臓は痛いぐらいにバクバク鳴り響き、肺はゼェゼェ酸素を取り込み続ける。
濡れた服を抱きしめて、俺は泣いた。声を上げて、ひたすら泣いた。
もうアイツはいないから、どれだけ泣いても涙を拭ってくれる手は現れない。冷たいけれど心に沁みる温もりも、軽いけれどずっしりした重みが隠れている不思議な言葉も、らっだぁの何もかもは全部過去のものに成り果てた。
再び会えると信じていても、会えない今が苦しくて、現実から遠くに目を背けたくなる。罪の意識が俺を蝕んで、鼓動が鳴る度にらっだぁの姿が目に浮かぶ。
「ぅ゙、あ゙ア、ッ゙…ッ、ア゙ぁァ、あぁ……!!!」
俺は、奪ってしまったんだ。 髪や目に散りばめられた青色が綺麗な、可愛くて、かっこよくて、優しくて、力強いけど繊細で……心から愛していた人の命を。
今日のあとがきはちょいと長めです。
ひたすら純愛な切なめアイスバースでした。ドースバースとセットでリクエストしていただきまして、調べてみたらとんでもねぇ設定で恐れおののきました。
確定でどっちか死ぬじゃないですか!?しかも、アイスを溶かすまでジュースである事に気付けないとか、心境を想像しただけでこっちまで苦しくなります。
ラストの1人泣きじゃくるシーンは、もっと自責の念に囚われる描写を考えていたのですが、あまりにも可哀想なので辞めました。可哀想な姿を文字に起こしているときが1番の地獄ですからね。
それと、フォロワーさん100人↑ありがとうございます🥳まさか1ヶ月ほどで100人以上の同士と出会えるとは思ってませんでした。
これからも好きなものを好きなペースでぶん投げていきますので、よければ思い出したときにでも見に来てくださいな。いつでもお待ちしておりますので!
コメント
7件
長文リクエスト失礼します!少しマイナーなのですがアイリスバース(gtrd)をやってみてほしいです!どの作品でもらいむ様の言葉選びがとても綺麗で全部楽しく読ませてもらっています!時間あるときで大丈夫ですのでよろしくお願いします!!
💐フォロワー100↑おめでとうございます!!それとリクエストのアイスバースありがとうございます ジュースがアイスを溶かすまで気付け無いのやばいですよね!自分も初めてアイスバース見た時は、ジュースとアイスが結ばれても溶けちゃうの可哀想すぎない?!とか思ってました ぐちつぼが最後溶けて居なくなってしまったらっだぁの服を握りしめて泣く所とか可哀想だなと胸に来ました 次の作品も楽しみにしてます