「はあ、また振られてしまったわ…」
私は宮本曖香。
弓を操る者である。敵がいたら矢で攻撃!それが私の技。
そしてこの私、皆からにはクールな女と呼ばれているのである。
だが、そんな私が今、
心が痛むけれど いつまでも落ち込んでいたらかっこ悪い、
だからやる気出さなきゃ。
「やる気ってどうやって出せばいいのよ!?」
その時、森の奥から影が見えた。
「…?」
誰だろう、そう思っていた。
…だがソイツは、
「やあ、曖香ちゃん。元気かな?」
「!?!?!?!?!?!?」
「あはは、私が来て嬉しくて驚いたのかな?」
「はあ?それは嫌いなやつが来たから驚いたのに決まってるわ。」
「あは、相変わらずの塩対応…w」
「でも!そんな曖香ちゃんも素敵だよ!!」
「うげ…」
「うげ?どういうことかは分からないけど絶妙な表情をしてくれるとは、」
「そそるなあ…」
「…」
この人は神崎千。
看守っていうとても大事な役目があるっていうのに
サボってばかりなのである。
そして、神崎千はある意味 私のストーカー野郎…
「どうしたの?曖香ちゃん、いきなり黙ってしまって…」
「アンタがうんざりなだけ、ただ、それだけの話…」
「私のことがうんざりかあ、」
「まぁ、傷付きはしないし、別に良いのだけどね。」
「あ、良いんだ…」
「ああ 私は良いんだ、曖香ちゃんが幸せならば…」
「悪いけど、
アンタが遠い何処かへ行くまで私のストレスがたまり続けるわよ。」
「ス、ストレス??」
「ええ、そうよ。」
「アンタがいる限り、私が気分悪くなるだけなの。」
「だから、遠い何処かへ行ってくれない?」
「うーん、それは無理な話だなあ…」
「は?」
「だって、私は曖香ちゃんと離れるだなんて…ね?」
「しかも、私だって男だし、曖香ちゃんを守らなきゃだからねぇ、」
「いや、守らなくて結構!」
「そもそも、アンタに守られたくない。」
「つれないねぇ…ん? もしや曖香ちゃんって…」
「なに。」
「曖香ちゃんって、もしやツンデレ!?」
「はあ???」
「そうかそうか、ツンデレか…」
「ちょっと待って、私はツンデレじゃないのだけれど!?」
「強がらなくて良いんだよ曖香ちゃん!ありのままでいいよ!」
「強がってないし、そしてアンタはなんなの!?」
「さっきから気持ち悪いわね!!!」
「気持ち悪いかなあ、ん?私はなんなのかって?」
「あはは、私もあんまり分からないけれどこれだけは言える…」
「?」
「…やっぱりいいや、曖香ちゃんには過激過ぎる…」
「私には過激ってどゆことよ…ていうか、」
「一番アンタのことはアンタが分かるくせになんであんまりなの?」
「うーん、なんでだろうねえ?私にもさっぱりだよ。本当に…」
「さっぱりって…」
「でもねえ、私はこれだけは誰にも負けないと思うんだよ。」
「?これだけはってなに、」
「ふふ、私は曖香ちゃんのことを、誰よりも君を──」
「あぁぁ五月蝿い!喧しい!気持ち悪い!!早くどっか行って!!」
「察したのかな?ふふ、恥ずかしがっちゃって…」
「恥ずかしがっちゃってない、アンタが気持ち悪いだけ、本当に。」
「でも、私は曖香ちゃんからは離れようとは思わないよ。」
「…邪魔が入らなければだけれど。
「邪魔って、猫次郎のこと?やめてよね、猫次郎は私の相棒なのよ?」
「当たってるっちゃあ当たってるかなあ、うん、把握してるよ。大丈夫。」
「そもそも、邪魔だと思っても曖香ちゃんの大切なものには手出さないよ。」
「あっそ、」
「そうだよ。」
「…ねえ神崎千。」
「おぉ、私のフルネームを呼んでくれるとは!!
あぁ、なんて嬉しいことなのだろうか…♡」
「…あー、コホン…何かな。」
「ええと、私らって、なんで出会ったんだろって…」
「うーん、なんでだろうねえ、運命だったりして?」
「そんなわけ無いと思うのだけど何故か…」
「私らが出会ったのが、不思議でしょうがないような…」
「ん?もしや私を好きになってくれたとか??」
「んなわけ無いわストーカー野郎が。」
今も思うことはただ一つ、
なんでこんな奴に…なんでこんな変態に、
なんで、なんで出会ったんだろうなって…
何故だろうか、
コメント
1件
サイズはSで見るのをお勧めします。