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最終章:誰のものでもない声の物語
金田宗一事件から数ヶ月が経った。
ニュースは沈静化し、
業界関係者は一人ずつ事件を忘れていった。
残されたのは、禁書となった「魔法少女プリン★ハート」という名前だけだった。
誰もその名を口にしようとはしなかった。
誰も再版しようとはしなかった。
しかし、黒沢葵警部は…残っていた。
彼女はいつも通り仕事に戻った。
だが、机の引き出しには、表紙もクレジットもないノートが置いてあった。
中には、すでに完成していた「プリン」の物語が記されていた。
…微笑みと別れの言葉とともに。
ある日、葵は尋問室の前を通りかかった。
12歳くらいの少女が震えながら座っていた。
少女は警察に「頭の中で声が聞こえるんです」と告げた。
「誰もあなたを愛していないから、あなたは最後に死ぬべきだ」と、作家の声が聞こえた。
誰もが彼女の幻覚だと思った。
しかし、葵は違った。
彼女は部屋に入ってきた。
少女の前に座り、
そして、優しい声で語りかけた。
「知ってる?あなたの結末は…」「自分で書く権利があるのよ」
「誰かに書いてもらう必要はないの」
「紙の上の登場人物だって…誰かが描いてくれなくても、微笑むことができるのよ」
少女はゆっくりと顔を上げ、涙が溢れてきた。
葵は彼女にペンを手渡した。
「あなたの結末を書いて」
「もし誰かがそれを変えようとしたら…私があなたを助けるわ」
仕事の後、
葵は一人で家路についた。
道すがら、彼女は空を見上げ、「小さな黒いインクの粒」が空中に漂っているのを見た。
まるで紙の上の埃がゆっくりと消えていくように。
彼女は微笑んだ。
そして、そっと独り言を呟いた。
「ありがとう…プリン。」
「あなたが私に手紙を書いてくれた…そして私もあなたに手紙を書いた。」
「結局…私たちは、誰も耳を傾けてくれないこの世界で、お互いの声になった。」
…そして、出版社の書庫の片隅で、
古い原稿ノートが棚から落ちた。
突風に吹かれ、最後のページが開いた。
中には、
プリンの絵だけが描かれていた。
座って、微笑む別の女の子を描いている。
そして、小さなメッセージが…紙の隅に書かれていた。
「私を忘れないで…私を書き換えないで。」
そして、
そのページは…
ゆっくりと、ひとりでに閉じられた。
>終わりは、何も終わらせるためのものではなかった。
ただ、痛みが…ついに愛を乞うのをやめるためのものだった。
— 終わり —
コメント
1件
第11話読了…!ENDって書いてあったから最終回なんだなって思ったけど、ちゃんと読んでじんわり来たわ。 黒沢警部が最後まで「プリン」を抱えてたのがまずグッときたし、あの少女にペンを渡すシーン、めちゃくちゃ好き。「あなたの結末は自分で書く権利がある」って台詞、ズシッと来たよ。 「誰も耳を傾けてくれない世界で、お互いの声になった」って終わり方、泣くわ…。原稿がひとりでに閉じるラストの余韻も含めて、すごくいい読後感だった。 お疲れさま、HARuka22さん。この物語、ちゃんと俺の中に残った🔥
#魔法少女パロ
猫星と狸
28
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#魔法少女