ゴロゴロゴロゴロ
白と細い赤い線の少し小さめな猫を触りながら雑誌を読む。
「くああっ……………」
「んー?眠いか?寝てていいよ」
そう優しく言いながら慣れた手つきで猫を撫でる。
「くるるっ………」
猫はアメリカの指に頭を擦りアメリカの腹に乗る。
「お前はあったかいなぁ…………俺さっき寝たのにまた眠くなってきた」
「にーっ」
猫はそうかと言う様に丸まる。
「いつもこうだったらいいんだがなぁ」
「……………にー………」
「小腹すいたなぁ……なぁ?」
「……………」
猫は寝てしまったようで丸くなっている。
「あれま、寝ちゃったか」
そう言ってアメリカは猫をまた撫でる。
下ではまたソビエトと明治、大正達が大騒ぎしているらしい。
「……………なぁんかやってんなぁ……………」
アメリカは寝ている猫を抱き下に降りる事にした。
「お前ら!!!早く返せ!!」
「ぎゃははははは!!!」
「あははははっ!!」
「まぁたやってるのか…………」
「ええ、もう何回もこの周りを回ってるのよ」
「うおわっ!?」
呆れた様に呟くといつの間に居たのか横に日帝が立っていた。
「あら驚かしたかしら?ごめんなさいね」
「あぁ、驚くからやめてくれ」
「うふふっ、あら?帝寝ちゃったの?猫になっちゃって、気に入られてるのね」
そう言って猫の頭を撫でる。
「ええっ、俺めちゃくちゃ当たられてるのに?」
「帝はアレよ。つんでれ?ってやつよ。ニッポンと日本が教えてくれたの」
「何教えてるんだ………」
「にゃーん」
「うおっと……」
猫は起きたのかアメリカの腕から脱出する。
そしてポンッと小さい音が鳴った後緑色の日帝と同じ服を着た少年になる。
「姉さん……………余計な事言わないで下さい……」
「あら?言っちゃダメなの?」
「ダメですっ!!」
まだ猫の耳と尻尾をしまいきれていない帝国が顔を赤くしながら怒る。
「あはははっ、ごめんなさいね」
「姉さぁん……」
「帝国、耳と尻尾出てるぞ」
「うっ…………うるせぇ…………分かってる」
「そっか」
「帝はアメリカ君大好きねー」
「ねぇさん!!!」
「あらあらー」
「姉さん!!!」
「うふふ〜」
そう笑いながら日帝は去って行く。
(めちゃくちゃ顔赤くなってるなぁ…………)
「〜〜っっ!!今のは全部忘れろっ!!そしてさっきの俺の行動も全部!!!いいな!!忘れなかったらぶち殺す!!」
「はいはい忘れる忘れる」
そう言いながらアメリカは日向ぼっこをしている犬を撫でる。
「お前もふわふわだなぁ〜」
「……」
「よしよし〜………ほら帝国も撫でてみろよふわふわだぞってあれ?居ない………」
どうやらもうどこかに行ってしまったらしい。
少し寂しさを感じていたら向こうから疲れ切っているソビエトがやって来た。
「はぁっ…………はぁっ…………」
「あっソビエトおかえり」
「アイツらどこに行ったか知らんか…………?」
「んんや、知らないな。また帽子パクられた?」
「帽子とコート」
「コートパクられるのって凄いな。一緒の天才か?」
「あ?」
「冗談」
「チッ」
「まぁまぁ、取り敢えずお茶か水飲んで来いよ。喉乾いてるだろ?」
「あぁ、そうする…………もう疲れた」
そう言って190cmの大男はフラフラした足取りで歩いて行く。
(もうアイツも69だもんな………そら疲れるし体力無いわな)
アメリカはそう思いながら大男を見送りながら犬を撫でていく。
「んで?なっち君は?どう?寝れた?」
「……………」
撫でていた犬が立ち上がるとまたポンッと音がなり今度は黒いスーツを着た青年に変わる。
こちらはちゃんと耳と尻尾を仕舞っている。
「あぁ、まぁな」
「どう?俺の触り方。何点?」
「百点満点中四十点だな」
「えー前45点くれたじゃん」
「今回は暖まって寝ていた所をいきなり撫でられたからな。減点だ」
「手厳しいなぁ」
「お前が触れなければ25分は寝れた」
「んー短い」
「取り敢えず俺はもう一度寝る。邪魔はするな」
「はいはいおやすみー」
「…………」
そう言い残しまたポンッと音が鳴り犬は今居る所の少し奥の座布団が置かれている所に移動する。
「さてさて………何しようかなぁ………」
アメリカは日帝やナチみたく動物になれない。
なので少し暇なのだ。自分に耳や尻尾があれば暇な時はいじれたのに。
「柔らかいふわふわしたモン撫でたいなぁ…………でも俺なれないからなぁ」
人肌の暖かさよりアメリカは動物達の体温が好きなのだ。
人間より動物の方が高いのが理由だ。
「暇だなぁ………なーなっち君。やっぱり触らせてー」
「……………」
犬は少し顔を向きまた元の姿勢に戻る。
「触っていいの?肯定と取るぞ?触っちゃうぞ?」
「ぐるるっ…………」
睨まれた。
威嚇された。
「……… 暇ダナァー暇ダナァー」
「……………」
彼はもう何も言わない。
アメリカはこれ以上ここに居たら手が持っていかれると思い彼に構うのをやめさっき見ていた雑誌を持ってくる事にした。
数分後アメリカは座布団を敷きその上に座りまた別の雑誌を読む。
向こうではまた追いかけっこが始まり何もしていないイタリア王国が巻き込まれたらしく「なんよー!!」と鳴き声が聞こえる。
横に居る彼はどうやら止めに行くらしく立ち上がる。
「やめとけ。巻き込まれるぞ」
雑誌を読みながらアメリカは言う。
「……………」
彼はまた此方に顔を向け元の位置に戻る。
何分経っただろうか。
アメリカは雑誌を読み終えてしまった。
「くうううっ……………よっと…………」
伸びをし立ち上がる。
「ふーーーっ何しよ」
またさっきの暇という難問に戻ってしまう。
「ねぇナチ君何したらいいと思う?俺今めちゃくちゃ暇ってあり?」
そう問いかけるが彼はどうやら止めに行ってしまったらしくもうそこには居なかった。
「白状だなぁ。もうちょっと相手してくれても良く無い?」
アメリカはそう言いながら雑誌を部屋に返しに行く。
「さて今度は何を読もうか………何か面白い本があれば良いんだけどな」
コメント
1件
pixivの垢を教えて貰えないでしょうか