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小さな厄災はあっても、概ね、平和だと思う。いや、思いたい。食べても、太らないだけで、目黒もたくさん食べるようになった。
渡辺も、友達と食事に行きサウナに行く、目黒に会えない日は遊んでいる。
会えないと言っても、話が出来ないだけで、一緒の家に帰る。
月の半分くらい一緒に過ごしている。目黒の家は、特定されていない。
渡辺は当たり前のように帰る。
が、1人の記者が目を付けた。
もちろん、渡辺の家も特定されていないはずなのに、「誰の家ですか?」と聞く。
「あなたに言う必要がない」と言うが、ずっといる。
目黒が久しぶりに早く帰ってきた。
渡辺は、記者に会ったか?姿を見られたか?と聞く。
目黒ーどうした?
ここに誰が住んでるのか?
自分の家だと言って、目黒が見られたら、話がおかしくなる。
だから、「言う必要がない」と無視している。だけど、毎日のように、その記者を見かける。
渡辺ーここに帰って来ない方がいいか?
目黒ーだめ、翔太くんは1人にすると、厄介事がやってくる。
渡辺ーでも!俺とお前が一緒のマンションに帰ってたら、変に思うかもしれない。
目黒ー別々に部屋を持ってるって言う。
渡辺ーいいの?
目黒ー同じマンションに住んでる芸能人なんて、いっぱいいるし。
渡辺を1人にしたくない目黒はそう言う。渡辺は、自分も住んでることにしようとなった。
記者ー誰のところに来てるんです?
渡辺ー自分ちに帰ってるだけですけど。
記者ーえっ、ここに住んでる?
渡辺ーはい、じゃあ。
記者ーいや、ここには、目黒くんが住んでるって情報が入っているんですけど。
渡辺ー違う階に住んでますよ?もう、来ないでくださいね。
足早にその場を離れてきた。
目黒の家に帰ると、まだ心臓がドキドキしている。
今日は、目黒は帰りが遅くなる。
寂しい思いでソファに横になる。
いつの間にか眠っていた。
身体にシーツがかけられる。
モゾモゾ動き、寝心地のいい場所を探す。
頬を撫でられる。
渡辺ー・・目黒・・?
目黒ーただいま。
渡辺ーおか、えり・・。
目黒ーどうした?疲れてる?
渡辺ーあの記者に、お前と違う階だけど、ここに住んでるって言った。
目黒ーそれで、落ち込んでるの?
渡辺ー何か嘘ついてるの、いいのかなって。
目黒が渡辺を抱きしめる。
真っ直ぐな人。嘘なんかつけないはずなのに、2人の「愛」を守るため、記者に嘘ついてる。
渡辺ーそんなにいけないこと?
一緒にいるのがだめなの?俺は1人の方がいいの?
泣きながら目黒に縋って言う。
一緒にいたいと言ったのは目黒。ここに帰って来てと言ったのも目黒。なのに、渡辺が泣く。
目黒ー自分の家に帰りたい?
渡辺ーんっ〜ん。
目黒ー1人になったら、煩わしい記者は来ないよ?
渡辺ーやだ、目黒といる。
目黒ーなら、泣かないで。
渡辺ーだけど、だけど・・。
目黒ー嘘ついてるの嫌だね。
渡辺ーんっ。
ソファで、抱き合う2人。
目黒が頬にキスしても、首を振る。
お風呂入って寝ようか?と言うと小さく首を振る。
目黒ーどうしたいの?
渡辺ー目黒は寝なきゃ、俺は起きてる。
目黒ー何で?明日も撮影でしょ?
渡辺ー大丈夫、今まで寝てたから。
目黒ー起きてて、何するの?
渡辺ー・・。
目黒ー寝るよ、ほら、お風呂入って。
抵抗はしない。目黒にされるまま、服を脱ぎ風呂に入り、寝室に向かう。
シーツの中でも、渡辺は目黒に引っ付いている。
小さく唸る。頭を抱えている。
目黒ー頭痛?
渡辺ーんっ。
目黒ー薬取ってくる。ちょっと我慢して。
渡辺ーんっ〜んっ。
目黒が薬と水を持って部屋に戻ると、カーテンが開き、満月から、ちょっと欠けたけど丸い月から、明るい光が入っている。
目黒ー何?
渡辺ー月の光の中で愛して?
目黒ーどうした?頭痛は?
渡辺ーちょっとくらい平気、この光よく見える。俺を愛して?
目黒は黙って服を脱ぐ。
橙色の淡い感じの光の中、目黒が渡辺の服を脱がしている。
白い肌に映える月の光。
今日は、そんな気分じゃないと首を振ったのに。
不安定な渡辺。守るのは目黒の役目。その記者会おうかと思うけど、渡辺にしか姿を見せていない。
目黒ーこの人を、苦しめているのは俺?一緒にいたいって言ったのは俺。いけないことなら、俺が闘う。
渡辺ー何言ってる。だめだから。 ホントに部屋空いてないか探す。
目黒ーここに住むの?
渡辺ー借りるだけで住まない。
目黒ーそんな無駄なことしなくていい。
渡辺ー今はいいから、愛して?
渡辺を床に横たえる。クスクス笑う。絨毯がチクチクするらしい。
雰囲気台無しな気がするけど、渡辺の身体は、熱くなっている。