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『双子の名探偵は今日も嗤う』〜謎あるところに闇は生まれる〜
第2章 『不可能な殺人と不可解な死』
〜金に執着する愚か者〜
第1話 蝕むような
『…おぇっ!ゲホッ!ゲホッ!』
バタンッ。
ゴロゴロ……。
ピシャーンッ!
雷が声を掻き消す。
その日は夜を劈く大雨。
その頃、デビルズパレス
『…落ちたかしら。』
私は窓の外を見る。
『主様は怖くありませんか?』
『私はもう大人よ。それより…。クスッ。アモンと百合菜を心配してあげて?』
2人は食堂の隅にいる。
『((((;゚Д゚))))』
『(( ´ω` ))ブルブル』
雷が怖いと妹が言い出したので今日はみんなで食堂で寝ることに。
『いつまで経っても子供なんだから…。』
『だって…。』
『…今日は私の隣で寝る?』
『いいの?』
『えぇ。特別よ。』
『ありがとう。』
『……。』
主様は百合菜様を守るために敢えて遠ざけて冷たくしているが、やはり姉なだけあって妹は放っておけないようだ。でも、酷なことをなさいますね。中途半端な優しさは…二人の間の線を遠ざけるだけですよ。
『……。』
ルカスには見透かされているだろう。私の胸の内を。いいのよ。これで。この子に嫌われようと…私はこの子を守るから。
翌朝――。
『快晴っす〜!』
俺はルンルンで庭にダッシュする。
『俺の可愛い薔薇達は無事っすね!いや〜昨日ちゃんと被せたおかげっす。枯れなくてよかったっすね〜』
『はっ。昨日泣きべそかいてたやつがよく言うぜ。』
『ぼ、ボスキさんっ!』
『百合菜、百合菜。起きなさい。』
『ん〜。』
『お寝坊さんなんだから…。』
と、その時だった。
ドンドンドンっ!!
『悪魔執事!主!開けてくれ!』
『?こんな朝からお客様ですか?』
ギィィ…。
『悪魔執事!主は……っ。主はいるか!』
『私ならここに。お仕事の依頼ですか?』
『お前が噂の…っ。頼む、私の妻が…っ! 』
『奥様がどうかしましたか?』
『殺されたんだ!』
『!?』
『とにかく一緒に来てくれ!!』
『分かりました。ベリアン、ルカス。私と一緒に来て。』
『『はい。』』
『ごめんねみんな。行ってくる。百合菜のこと、よろしくね。』
『行ってらっしゃいませ、主様。』
バタンッ。
『主様って仕事の時必ずベリアンさんとルカスさん連れてくよな。』
『あぁ。なんであの2人なんだろうな。何か理由があるのか?』
『ルカスさんは医者で交渉係で社交界に順応しているし貴族の扱いも慣れている。それにベリアンさんは担当執事だしな。別に特別な理由なんてないんじゃねぇの?』
『そうですかね…。』
『百合菜様〜起きてくださーい!』
『あと5分寝かせて……。』
僕は主様の布団を揺する。
中央の大地 ナージュホテル
『ぐすっ。ぐすっ。なんで、どうしてエリナが…っ。』
『ご友人の方ですか?』
『はい…。エリナと私は西の大地から中央の大地まで旅行に来ていたんです。そしてこのホテルに泊まっていました。今朝、隣の部屋にエリナを起こしに行こうとしたら…こんな…っ。』
床に倒れ込むエリナさんのご遺体。
私は手を合わせてご遺体に触れる。
『これと言った外傷はありませんね。口元だけやけに汚れている。』
(吐血した…?ということは毒殺……。)
『妻がこんな目に遭うなんて……っ。』
『失礼ですが、おふたりのお名前を伺っても?』
『私はサリナ・ルージュラです。西の大地でアクセサリーショップを経営してます。』
『ラビン・リアナだ。科学院の研究員をしている。妻の名前はエリナ・リアナ。エリナはデザイナーだ。エリナとは…結婚して今月で10年だったんだ。それなのに…っ。うぅ……。』
『お悔やみを申し上げますわ…。』
『悪魔執事の主、頼む、妻を殺した犯人を…。』
『お任せ下さい。必ず奥様の無念は晴らします。』
(まずは聞き込みから。まずフロントの人と
サリナさん、ラビンさんにも聴取をしないとね。)
『ルカス、ベリアン。エリナさんのご遺体をグロバナー家に。』
『かしこまりました。』
(調べてもらえばどうして亡くなったかが分かる。私の推理が正しければ…きっと…。)
カチッ。
歯車は動き出す。私を惑わせる迷いの歯車が。
ホテルの一室
『お仕事中にすみません。昨日こちらの女性2人がここにチェックインしたのは何時頃ですか?』
私は写真を見せる。
『昨日の夕方です。確か16時頃に…。』
『その頃の2人の様子は覚えてますか?』
『えっと…こちらの女性の顔色が悪かったです。とても苦しそうで…。身体を支えられながら階段を登って行きました。』
『体調が悪かった…ということかしら。他に気になることはありましたか?』
『他に…あ。夜、ご夕食をお持ちした時…。嘔吐されてました。』
『嘔吐…?』
『彼女達は西の大地から来た方なので空気が合わなかったからかなと思っていたのですがまさか誰かに殺されたなんて……。』
(確かに、西の大地と中央の大地の空気は違う。西の大地は自然に囲まれた土地。気持ち悪くなって吐いてしまうのも無理はない。だけど…どうも気になる。)
『ご協力ありがとうございます。』
私は一礼する。
『ベリアン、ルカスは今西の大地に?』
『えぇ。エリナさんの近辺の方に聞き込みをしています。』
『ルカスは顔が広いからね…。』
(あと顔も効きそうだし。ふふっ。)
『エリナについてですか?』
『はい。旅行を始めたのはいつからですか?』
『2泊3日なので一昨日からです。』
『フロントの方からここに来た時顔色を悪そうにしてたと…1日目からそうだったんですか?』
『いいえ、1日目は元気でした。でも…。』
『でも?』
『少しずつ…体調が悪くなっているというのは感じていました。顔色が悪かったり…呼吸が上手くできなかったり…後、腹痛や頭痛もするって言ってました。時には吐いてしまうことも…。』
『なるほど…。』
『…もし、あの時に……病院に行っていればこんなことにはならなかったのでしょうか……。』
『…っ。』
『エリナとは…親友でした。辛いことも楽しいことも沢山話してきました。エリナは…っ。デザイナーとして頑張って居ました。いつか、自分の夢を持つことが夢だと……。そして、私の作ったアクセサリーとエリナの作った服でコーディネートしたりって…そんなことを話していたのに。こんな、こんなことに……っ。』
『サリナさん…。』
私はサリナさんの手を包み込む。
『犯人は必ず私が捕まえます。』
『悪魔執事の主様……。あ、すみません…お名前を聞いてなかったですね。』
『麻里衣です。』
『麻里衣さん。お願いします。どうか、エリナの仇を…。』
『はい。任せて下さい。』
サリナさんはホテルに泊まることになり、ラビンさんもホテルで休むことにしたそう。
私達はデビルズパレスへと帰った。
そして、その夜。デビルズパレスにグロバナー家から手紙が届いた。
『直接渡しに来た。エリナ・リアナ様の解剖結果だ。』
『ありがとうございます。憲兵様。』
手紙を受け取り自分の部屋に戻ろうとする。
コツコツ……。
『主様。』
『ラムリ。どうしたの?』
『…主様は、百合菜様のこと嫌いなんですか?』
『…!』
次回
第2話 嘘嘘嘘
コメント
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タヒちゃった理由犯人も気になるけどラムちゃんが放った言葉と次の名前が気になる