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2 - 彼の夢

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35

2024年09月18日

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みみです!!

喋ることないのでどうぞ!!



ーーーーーーーーー
















広い公園の木の下に、少年がいた。

その少年は夢を見ていた。

彼が思い描いている夢。




彼は、両親と暮らしていた。

楽しい日々だ。

いつも通りに彼らに手を繋がれて、笑い合う。

少年はおとうさんっ子だった。

いつも近くの大きい公園でキャッチボールをするのだ。

少年はキャッチボールが得意だった。

彼のお父さんは、そんな息子をみて、(将来は野球選手か?)などと言い茶化す。

少年は野球選手に憧れた。


少年はお母さんのことももちろん好きだった。

たまに買い物へついて行って、母の重い荷物を代わりに持つのだ。

いつも彼のお母さんには、(力持ちねぇ、将来はかっこいい子になるわ。)などといい、少年をめいっぱい可愛がった。

そんなこんなで、家に帰り、いつも通りに過ごしてきたところ、父が仕事から帰ってきた。

右手には野球ボールが握ってあった。

「お父さん、それは?」

(ああ、これか?

もちろん、お前へのプレゼントだ。

これでまた、一緒にキャッチボールしような。 )

そういい、少年にそのボールを渡す。

少年は嬉しそうにボールを固く握り、「うん!」と元気な返事をした。

するとそこに彼の母が、

(あら、そういえば最近、近くに遊園地ができたみたい。週末そこへ遊びに行かないかしら?)

そう言った。

その案にはみな、大賛成だったらしく、少年はさっそく週末が楽しみになっていた。


週末、車に乗り、家族総出で遊園地へ向かっていた……




はずだったのだが。


視界が真っ赤になり、暗転。


少年の意識は元に戻ってしまった。



「だめだ、だめだ、だめだ、やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだ… 」

彼の意識はまた暗闇に落ちた。

彼の手には、石が固く握られていた。
















ーーーーーーーーーー

解説

少年は夢を見ている(妄想の中)

夢を描いているのは昔に戻りたいという意味。

そこから、綴られる物語は彼の過去or妄想。

少年一家は遊園地に向かっている際に、事故にあってしまい、彼の両親は他界してしまった。

少年はそのトラウマからか、精神に病を患ってお父さんと遊んだ公園の木の下で未だに1人で夢(妄想)をみてる。

つまり、過去に囚われて、現実を見ていない、現実逃避ということ。

妄想の中の野球ボールと彼が現実で握った石は同じもの。

つまり野球ボールは妄想の部類。

その後の遊園地のくだりは現実。

現実と妄想の区別がつかなくなっている。

視界が真っ赤になったのは両親の血。

そして、最後に3人称が”少年”でなく”彼”になっているのは、彼が逃避をしすぎて、時間が経過してしまい、もう少年という年齢では居られなくなってしまったこと。

つまり、事故からもうだいたい数年は過ぎている。

少年の「」と両親の()が違うのは、かれの夢(妄想)のお話だからということ。






あとがき

彼はもう何年もそこに居座っている。

帰ってこない彼らを待って…

だが、それをあなたは残酷だと思うだろうか?

彼は夢(妄想)の中で本当に幸せに生きているのだ。

彼の大好きな両親と一緒に、なんの憂いもなく。

もしあなたは、彼に真実を伝えられるとしたら、伝えるだろうか?


私は…きっと…伝えないだろう。

世の中には知らなくてもいいこと、そっとしといた方がいいことなど、ごまんとあるのだから。

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