どうも皆様、サカナです
ここではお久しぶりでございます
遅くなりすぎでしょうが、スペポル書きますね
新たなカプシチュはいつまでもお待ちしているものの、優先度はリクエストボックスの方が高く、このように気まぐれな投稿になってしまいます…すみません🙏
⚠️殺人仄めかし
追加 なんか…思ってたのと違う…
俺とポルトガルは、いつでも一緒だった。
栄光を手にした時も、衰退した時も、苦しむ時もずっと一緒だった。
だから、早い段階で俺は知っていたんだ。
ポルトガルと俺は特別な関係で、他の奴らが間に入る余地なんてない…と。
だが、それは間違いらしい。
ポルトガルは俺の知らないところでホイホイと外へ出て行っては、他国と知り合って仲良くなってを繰り返した。
イギリスとの英葡永久同盟なんか正にそうだ!
何が永久同盟だ、くだらない!
あいつには俺がいてさえいればいいと思っていた。
だって国土からしてそうだろう?
歴史を見ても、関係を見ても、民族を見ても、暮らしを見ても、俺とポルトガルは一心同体…そのはずだったのに。
俺は一度、本当にあいつを自分のものにしていた時期がある。
その頃に散々教えてやったんだ。
「お前は俺のものだ、離れることは許さない」
って。
ポルトガルだってうんうん頷いていたくせに。
あいつはのらりくらりと俺の誘いを躱して、くだらない同盟相手のイギリスとの古臭い茶会に行って帰ってくる。
それに、今回はいつもより帰宅が5分12秒遅い!
いい加減に自覚させなければ。
あいつは俺のものなんだから。
身も心も。
内側まで知り尽くしているのは、俺だけのはずなんだ。
「なぁ、ポルトガル」
ポルトガルはあからさまに嫌そうな顔をして振り返り、俺に目を合わせた。
ポルトガルと俺は一心同体。
だから傷ついて失明した目も同じ。
これだって、ポルトガルが俺のものである何よりの証だろう。
「お前は、俺のものだよな?」
「…はぁ?」
あぁ、お前はいつもそうだな。
俺が話しかけると不機嫌になって、そのエメラルドで睨んでくる。
ポルトガルはスペイン語がわかるが、スペイン語で話しかけられるのは嫌いらしい。
でも、俺はポルトガル語なんか知らないから仕方がない。
植民地の言葉を学ぶやつがどこにいる?
イギリスがアメリカから言葉を教わったか?
フランスがアフリカの言葉を学んだか?
あの優しい日帝だって、わざわざ植民地の言葉なんか使わなかった。
そりゃあそうだ。
自分は勝者だ、弱くて自立できない敗者に合わせる必要などない。
だから、ポルトガルの言葉なんてわかっていたとしても使わない のだ。
「お前、ついにボケたか?俺はお前のものじゃない、いつまで時代錯誤な夢を見てるんだ」
「… なんだよ、その態度。俺のもののくせに、俺に歯向かうなんて生意気にも程がある」
「だから違うって言ってんだろ。頭でも打ったのか?」
「違わない。お前は、この俺のものだろ?なぁ、なんで浮気ばっかりするんだ?俺は一途にお前を思っているのに。ひどいじゃないか」
「は、はぁ…?お前、本気で何言って…」
「この前だって俺よりイギリスとの予定を優先したよな?俺の方が大事に決まってるのに」
「先に決まってたんだから当然だろ?!」
「ちがうちがうちがうちがう…!!!お前は!!俺を優先しないとダメなんだよ!!お前は俺の所有物なんだ!!勝手に外に行くな!俺以外と会うな!顔を合わせるな!声を聞くな!聞かせるなぁ!」
自分よりいくらかがっしりとしたスペインに縋り付かれる。
訳のわからない言葉を発するスペインの声は激しい怒声から徐々に勢いを無くし、やがて消え入るような虚しさを孕んだ掠れ声となった。
「い、意味わからねえ…一旦頭冷やせよ、今日のことは忘れてやるから…な?」
膝をつくスペインから一歩、また一歩と距離を離していく。
絶対に正気じゃない。
泣いてこそいないが、今にも何か良くないものが決壊して溢れ、自分に襲いかかってきそうな雰囲気だ。
俯いたまま何も言わないスペインなど、不気味極まりない。
さっさと逃げるように足を回して、ひとまずはイギリスのところに泊めてもらおうと決めた。
いつもはこちらが無理を聞いているのだから、泊めてもらうくらいのワガママは許してくれるだろう。
「…ポルトガルが悪いんだからな」
自分以外誰もいなくなったその場所で、そう呟く。
自分で思ってもみないほどに地を這うような低い声が出て驚いた。
悪いのは、ポルトガルだから。
自分が今から起こそうと考えている凶行は全て、ポルトガルのせいだから。
「俺は悪くない」
いくら他責思考だと言われても、こう思わなければ俺は耐えられない。
それから数日が経った。
ポルトガルの家に仕込んだカメラは、いつ起動してもポルトガルの姿を映さない。
真っ暗で窓からわずかに光が差し込んでいるだけのその部屋には、生活感が残っている。
埃が溜まりつつあるから、今度掃除しに行ってやらないと。
でも今は、ポルトガルの現在位置を知らなければならない。
ポルトガルは俺のものなのだから、早く何処の馬の骨とも知らない輩から奪い返して、再教育してやる。
「今迎えに行ってやるからな」
安心して待っていてくれ、ポルトガル。
お前のためなら、俺は海賊狩りだって容易く行ってみせるさ。
南欧らしいギラギラした太陽に照らされて、サーベルは美しいまでに光り輝いていた。
イギリスの屋敷に泊まり始めて数日。
ここの暮らしがあまりにも快適なので、もう色々有耶無耶にして住んでしまおうかと悩み始めている。
まあイギリスのことだから仕事をさせられるだろうから、時々来てゲスト扱いのニート暮らしでも悪くはない。
「貴方ねぇ…全部ダダ漏れですよ、本音」
「や、これはお恥ずかしい。まさか家主がいたとはね」
ふかふかのベッドに寝っ転がった中での独り言のはずだったが、どうやらタイミング良く入室してきたイギリスに聞かれていたようだ。
ため息をつきながらも、くすりと笑って近づいてきた。
「別にいいですけど…スペインの様子がおかしくなったぐらいで、そこまで警戒しますか?」
「あいつ、時々頭がおかしくなるんだ。何しでかすかわからないから、安全なここに泊めてもらってんの。初日にも言ったろ?」
「だからこそです。落ちぶれはしているものの、貴方だってそれなりに力はあります。わざわざこんなところまで来る必要はあるのでしょうか?」
イギリスの疑問はごもっともだろう。
国連にも頼れるし、EUの範疇だからドイツたちにも言える。
それでも、俺は旧友を信じてここに来ているのだ。
「んー、まあシンプルにここが快適なのもあるよ。でもこの前の言動は本気でおっかなかったんだからな?実物なんて見たら、鬼でも裸足で逃げ出すね」
「またそんなご冗談を…あのスペインですよ?」
「君は大国だからそんなこと言ってられるんだよ。あいつ、世間一般から見れば強いんだからな?」
「なんやかんや認めていらっしゃるのですね」
「仮にも併合されてた身なんでね〜」
そうやって軽口を叩き合ってふざけていると、なにやらチャイムの音が聞こえてきた。
「珍しい。来客でしょうか」
「アメリカか誰か帰ってきてたりして。俺隠れていようか?一家団欒しなよ」
「それこそ冗談でしょう。あの子は会議以外で私に顔を見せてくれることはありませんよ」
「そうか、うちのブラジルも同じだよ」
家主とゲスト。
出迎えは召使いやイングランドが赴くであろうからと、2人で仲良く話し続ける。
けれど、展開は変わってしまった。
「あ゛ぁぁあ゛ああ゛っっ!!!」
「「!!」」
「今のは…」
「何があったんでしょうか…すぐに向かいませんと…!」
断末魔が広い屋敷の中に響き渡り、同時にイギリスは勇敢にも部屋から飛び出して調べに行く。
俺もうだうだしていられない。
世話になった分、危ない奴が来たならどうにかしてやりたいと思った。
荷物の中から急いで申し訳程度の武器を探し出し、遅ればせながら現場へ向かう。
「イギリス!無事、か…って、は…? 」
広い屋敷の中央は地獄絵図だった。
真っ赤なカーペットに負けないくらい赤黒い液体があたりに飛び散り、そこらで良くしてくれた人間の召使らや、北アイルランド、スコットランド、イングランド、ウェールズが倒れている。
「やぁ、ポルトガル。やっぱりここだったか、1発で当てられてよかった。金がないからここまで来るの大変だったんだぞ?」
犯人は、そんな風に呑気に声をかけてくるスペインしかあり得なかった。
「ポルトガル…はやく、にげ…っ…」
「イギリス!」
グリグリ頭を踏みつけられながらも、イギリスは俺に逃げるよう伝えてくる。
こんな時でさえ紳士なやつだと、どこか冷静すぎる頭で思う。
「俺のものが許可なく口を開くな、他のやつの名前を出すな」
「俺はお前のものなんかじゃない!その足を退けろ!」
「大丈夫だ、ポルトガル。ちゃんと教育する。今はわからなくても、またあの頃の幸せな生活を送れるようになるから」
「あ、あの頃って…」
「な?だから、こんなのに構ってないで、俺とおいで?ほら」
スペインは、完全に狂っていた。
俺は奴のものじゃない。
もうスペインの支配下で死ぬより苦しい思いをしながら、無理やりニコニコさせられる日々ではないはず、だったのに。
「もうお天道様にだって見せてやらない。お前を外に出したのが間違いだったよ」
血生臭い手で頰を撫でられる。
気持ち悪い。
「みんなの言うことなんか聞くもんじゃないな、お前を手放したことだけはずっと後悔してる。また一緒になろう、次はもう2度と離れないようにするから」
最後に見たのは、真っ赤なサーベルに反射する笑顔のスペインの顔だった。
コメント
12件
す、好きです、、とてつもなく好きです、🫶💕︎︎ 併合したり落ちこぼれたり、歴史関連の物も入れているの、流石です✨️ ヤンデレサイコ🇪🇸さんいいですねぇいいですねぇ、 🇵🇹さんの純粋に「何言ってんのこいつ」みたいな感じが反抗心が 現れててすき、、!🇵🇹さんに対しての感情がとってもいい、、、!✨️✨️ このお話のイラスト描かせてもらいたい、! リクエスト頑張ってください!いつものお礼でリクエスト是非下さいませんか、?
ああああああ好きすぎます! この二国(🇪🇸と🇵🇹)好きだったので見れてうれしいです💕 英葡永久同盟入れながら、併合時代入れて、ラテン系の明るく呑気でマイペースな性格入れるのが凄すぎて驚いています😳 あんな大国イギリスさんがスペインに踏まえている図を思い浮かべて喜んでました。イギリス的は陸が弱いですからね。イギリスがスペインに見下されるのが無敵艦隊の仕返しみたいになっててすごい面白かったです‼︎‼︎! とにかくこの作品すごい好きです❤️❤️❤️ 長文&初コメ失礼しました!☺︎
スゥゥゥゥウウウウウウウウウウウウウウウウ 恐ろしいほどに大好き、、、神よ、私に楽園を見せてくれてありがとう。今、血塗れでこの上なく幸せそうなスペインと口を縫われて無理矢理笑顔されているポルトガルが見えるよ(幻想) 茶番は置いといて、いや本当に性癖にグサグサ刺さりまくって感動で涙が出そうです、、、!ちゃっかり英家でニート生活試みようとするポルトガルがこの上なく可愛いし泊まらせてあげて話に乗ってあげているイギリスも珍しくて、、、!尊すぎて声が出そうになりましたよ()愛が重過ぎてもはや二重人格を疑いましたよ?そんなスペインも大好きだ、癖だ、、、あぁ、アイパッド返されたら一部漫画にしてみたいな、、、ド素人だけど() ハァァアアアアアアア 良い夢見れそうです☆ リクエストに応えていただきありがとうございました🙇🙇🙇