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元貴は猫みたいだ。
隣に座ると普通には座らずに俺へ腕を組んだり膝枕をしたり。
多分普通のスキンシップとは違う。
別に元貴とはただのメンバーだが距離感が近すぎて凄いなとは思ってしまう。
「んー、どしよっかねー。」
それぞれレコーディング中俺の隣に座った元貴はいつものように俺に腕を組んでスタッフと話していた。
これ、俺たち的には普通なのだがきっと普通では無いのだろう。
仲良いな、そう思われている。
仲良い、でいいのだろうか。これは。
「りょちゃ〜?どしたの。」
元貴が俺の方を見て言った。
「いーや?何も。」
と俺も返す。
俺は別に嫌ではないしむしろ嬉しいから何も思わない。
「ふぅん?」と元貴は俺を見る。
俺を見続ける元貴に「ん、何。」と聞く。
すると元貴は冗談なのか本気なのか分からない顔で
「涼ちゃん、可愛いね〜って。」
ニコッとしながらそう言った。
「何いきなり……?」
俺は少し怖いと思いながら元貴を見た。
「ふふー、なんでもないよぉー。」と答えらる。
そのやり取りを若井が見ていた。
「あんま涼ちゃん困らすな。」
若井が元貴にそう言った。
元貴はえー?と若井を見る。
「俺別にホントのこと言ってるだけ〜。」
元貴はサラッと流して言う。
それぞれレコーディングもあってその会話は一旦終わったのだが仕事終わり際、元貴に一緒に帰ろと言われた。
いいよと返して帰る支度をする。
若井は「じゃあねー。」と先に帰った。
気をつけてねと若井に声をかけて支度に戻った。
「んね涼ちゃん。」
この部屋に2人だけになった今、元貴に呼ばれた。
「なぁに?」俺は手元を見ながら返事をする。
「涼ちゃん、好き。」
突然短くそう言われた。
俺はいつものスキンシップのように冗談かと思ってありがとーと適当に返す。
すると元貴は作業していた俺の両手を握った。
「ん、何。」
と元貴の方へ視線を向ける。
「ね、本当。ちゃんと聞いて。」
元貴は真剣に見ていた。
「え、な、何が。」と俺も困惑して答える。
「俺、涼ちゃんが好きなの。」
元貴は真っ直ぐ俺を見て言う。
本当に冗談では無さそうだった。
俺は困惑しながらも
「んと、え……?メンバーとして?」
と聞く。
元貴はすぐに「違う。」と否定した。
「えー、と…。じゃあ……?ほんとにLoveの方……?」
と俺が聞くと「そう。Love。」と言った。
暫く沈黙が続く。
俺は理解が少し追いつかない。
「えっと、元貴は、俺と付き合いたい……の?」
俺は単純に気になる事を聞いてみる。
すると元貴は「ん。付き合いたい。」と短く答える。
ただ答えて、それ以上は別に求めてこない。
本物の猫のようだ。
「んー……俺、男だよ……。」
当たり前のことも聞く。そんな事分かって言ってると思うが。
元貴は俺から視線を外さない。
「知ってる。それでも好きなの。」
そう真面目に答えられてどうしたらいいのかわからなくなっていった。
「涼ちゃんは、男と付き合うの、嫌?」
やっと元貴がそれ以上を聞いてきた。
考えたこともなかった。
「えぇ……うーん……分かんない……。」
俺は困り眉をして答えた。
「じゃあ、お試しでいいから俺とお付き合いしてくれませんか?」
とずっと俺を真剣に見て言う。
その吸い込まれそうな眼差しに
俺は思わず
「……いいよ。」と小さく返事をしていた。
元貴は少し嬉しそうに微笑んでいる。
その姿に一瞬ドキッとしてしまった自分がいた。
俺は、元貴のことどう思っているのか。
まだよく分かっていないが悪い気は全然しない。
いい方向に向きそうな気はしている。
「涼ちゃん。これからよろしくね。」
元貴にそう言われ、俺も
「こちらこそ。」
と返したのだった。