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※誤字脱字・nmmn・vta要素あり
ご感想お待ちしております。誰のセリフかわからない等、質問はいつでもお答えします。(訂正も加えます。)
ゲシュタルト崩壊 小柳ロウ・星導ショウ
「ねぇねぇぴょん、見てこれ」
そう言われ、出されたノートに目を向ける。
「お前…」
そこには「晶」と沢山の字が書かれていた。
「ふふー!ゲシュタルト崩壊現象!」
「くだらな…」
字を何回も書いていると、その字が合っているように感じなくなる。なんて経験したことはありませんか?これは、俺が君を探し、見続けた結果、君を見失ってしまったお話…
いつも通り普通に、みんなに白狼と感づかれぬよう、人間として振る舞ってきた。
「っ…」
頭痛で目が覚めた。窓から夕陽が入り込んで来る、いつもと変わらぬ家の光景。だけど、少しいつもと違うところがあった。
「昨日…何があったんだ…」
昨日の記憶が消えていた。
今までの記憶はちゃんとある…なのに、なんで昨日の記憶だけ…しかも、そのまま寝落ちしたのか服装は制服のまま…
「ガチで…なんだよ…」
頭でもぶつけたのか何だか知らないけど、誰かに連絡しようとスマホを手に取った時だった。
「誰だ…コイツら…」
俺のスマホの連絡先には学校の奴らではない知らない人の連絡先が入っていた。
「伊波…?叢雲…?」
知らない名前、知らないアイコン、いつも学校に行くときに使っている連絡先はすべてなくなっていた。
「…なんだ、星導いんじゃん…」
連絡先の画面を少しスクロールしていると見慣れた文字が見えた。そして状況を確認すべく、電話をかけようと星導の連絡先を押した。
「…は?」
連絡先を押すと、そこに浮かび上がってきたのは「星導ショウ」と言う名前だった。
コイツ…名前変えたのか?アイツの名前は「星導晶」じゃないのか?何かバグでも起こってんのか?
「別の人だったら切ればいいか…」
どうせいつもの星導だ。何かふざけて変えているのだろう、そう考えながら星導に電話をかける。
「…遅いな…」
ツーツーとスマホから呼出音が流れる。いつもなら2、3コールで出るのに…なんだかいつもと違う雰囲気を感じながら、電話に出るのを待った。
しばらくすると、星導からの応答があった。もしもしと声をかけるも電話越しからはバタバタと慌ただしい音しか聞こえなく、連絡先を間違えたか?と疑問に思い、電話を切ろうとした時だった。
「小柳くん何処行ってたんですか!?」
星導のいつもよりも低く、落ち着いた雰囲気の錯乱した声が聞こえる。
「お前…声変わった?」
「はぁ?何言ってるんですか?」
いつもと違う声の星導に違和感を感じたが、星導はいつも通りですが?と言わんばかりの反応をした。
「ちょ、そんなこと言って逸らかさないでください!小柳くんどこいるんですか!?」
何を俺は逸らかしてんだ?何もないけど…てか、星導は何をそんなに焦っているんだ…自分とどこかすれ違っている状況に少し恐怖を覚える。
「どこって…普通に家だけど…」
「いや、居なかったじゃないですか!?」
「は…?」
いや、家にるけど…てか家教えたことあったっけ…てか今日レッスンじゃないのか…?
「もぉ…いいですよ別に教えてくれなくても、スマホのGPSでライに頼んで見つけるので…」
星導はそう言って電話を切った。
「何だったんだ…」
声は少し違ったように感じたが、あれは多分星導だ。
「くっそ…なんなんだよガチで…」
「小柳くんの反応がない…」
小柳くんと電話をして俺はすぐライに情報を渡した。ライは音信不通だった小柳くんの存在が確認できて安堵しながらすぐスマホの着信情報をもとに小柳くんの所在を探したが、「捜索完了」と出ている画面の下には「情報が正しく読み取れませんでした。」と赤い字で書かれていた。
「なんでだ…ちゃんと読み取ってんのに…」
俺にはよく分からない機械を操作しながらライはもう一度小柳くんの場所を探した。だけど、何度やっても出てくるのは「情報が正しく読み取れませんでした。」この字だけだ。
「もぉ~~!!なんだよこれ!」
「何なんですかね…電話はちゃんと出たんですが…」
ライは結果に納得いかず、何度も方法を変え位置情報を出そうとする。
「えぇ~……電話の時さ、なんかいつもと違う所とかあった?あいつ、術使ってやってたりすんじゃない?分からないけど。」
「う~ん…あ、電話の時に俺、小柳くんに声変わった?って聞かれました。」
電話をして、小柳くんに違和感は全く感じなかった。
「…スマホ越しだからじゃない?」
ライはスマホに適当に喋った言葉を録音し、スマホ越しだと声が変わることを確認した。
「あと、家にいるって言ってましたよ。」
「カゲツが今向かった。」
「えぇ~それだけですよ…」
小柳くんが消えてすぐ、家には向かったがその時は小柳くんの反応はなかった。だけど連絡が取れたなら家にいるかもと、カゲツが家に向かったのだ。
「…俺繋がんなかったし、星導もう一回電話してみてよ。」
「あ、その手がありましたか。」
「まぁ出るかは分からないけどね。」
ライもカゲツも小柳くんに連絡をしてみたが、応答はなかった。いつもなら出るのにどうしたんだろ…そう思いながら小柳くんに連絡する。
「…でないですね…」
何回か電話を掛けたが反応は一切なし、連絡も既読が小柳くんが消えてから一切ついていない。
「だぁぁぁ!!なんだよもぉ…!」
「カゲツからの報告は?」
俺が電話を掛けている間、小柳くんの家に向かっていたカゲツから報告があった。
「反応ないって、だから家にいない。」
「えぇ~…」
「てか、海岸調査ってそんなにリスキーなの?」
「俺が行った時はそんなに…安全だと思うんですけどね…」
小柳くんの消息が途絶えたのは海岸調査任務に行った時からだ。俺が行った時には安全だったんだけどな…
「へぇ~…じゃあ星導さ、ロウが行った海の周りとか探してみてよ、」
「えぇ…もう暗いですよ…」
「ロウと連絡が途絶えた時間に行ってみたら何か変わるかもって話、俺はもうちょっと位置情報探ってみるから。」
「まぁ…はい…可能性はありそうですね。」
ライの言っていることは可能性としてありそうだ。俺はトランクを持ち、小柳くんが任務で向かった海へ向かった。
家を出たら太陽はとっくに沈んでいて、月が輝き始めていた。
「…今日、サボったなこれ…」
こんな時間に学校に行く奴なんておかしいだろ。なんて思いながら気分転換に家の近くの海に行くことにした。
「…っは…なんだよ、星導いんじゃん。」
「あ、ぴょんじゃん、やっほ~」
浜辺に行くと制服のままで海を見つめている星導がいた。
「俺今日レッスン忘れたわ。」
「え?今日ないよ。」
「…ガチ?」
「マジ」
「焦った~じゃあなんでお前制服なんだよ。」
「そっちこそ」
たしかに、レッスンないのに制服着てる俺も同類か。
「いや、今日色々あって着替える気力がなかった。」
コイツと同類は嫌だな、そう思い言い訳をする。
「なんだそれ」
「っは」
星導の素っ気ない返事に笑いながら体を伸ばした。
「小柳くん今日、誰かに会った?」
「…?いや、…あ、お前の名前にほぼそっくりな奴と電話したわ」
「…へぇ…」
「突っ込むだろ、そこは」
「…小柳くん、これ見て。」
「ん…?」
砂浜に、星導の字で晶とたくさん書かれていた。
「ゲシュタルト崩壊現象、知ってる?」
「…知ってると思ったか?てか、前も同じことやってただろ。」
「うん、やったwで、意味知らないと思ったからもう一回やったw」
「なんだそれ……で、何それ」
俺が質問すると星導は遠い海を見つめながら言った。
「ゲシュタルト崩壊、同じものを見続けると、それが本当かどうか曖昧になってくる現象。」
謎作品すぎますね。はい。…実はこれ、活動を始める前に趣味でknkzで書いてて、放置してました。最近、続き書くぞーと書いてたらhsrbとkyngってました。謎。knkzも作れたらいいな…
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