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「何度考えてもこの理論より……」
寒い寒い夜。ルカは1人過去の論文を見返していた。今とは違う考え方の自分に感心する所もあれば否定したいような事もある。
5枚目の紙を見た時ルカは違和感を覚えた。
「この論文は私のでは無い……先生のか…?」
ルカも先生…アルヴァも一つの事に没頭すると周りが見えなくなる為資料や論文が混ざってしまうのは初めてでは無い。
まぁ先生の過去の論文を見れるのであればそれはそれで嬉しい。自分が言っても先生は見せてくれないからだ。
さっと目を通すだけでも自分の知らない事が多い。これでは論文を読んだところで理解出来やしない。
「もう18時になるが………」
寒いのは苦手だし辺りも暗くなっているがこのままだと夜も眠れないだろう。
ルカは支度を始めた。
コーヒーを飲みながら新聞に目を通していた。
暖炉の近くで心地の良い音を聞き、気分もとても良い。
チリン
ドアベルが短く一回なった。
思わず時計を確認すると19:30を回るところだった。
この鳴らし方をするのは1人だ。
「こんな時間にどうしたんだい?」
「夜分にすみません先生。論文がまた混ざってまして…」
なんとなく察した。
大方それを見て気になる所などがあって訪ねてきたのだろう。
「全く…明日でも良かっただろう?」
「でも!今日聞かないと眠れない気がして!」
勢いよく答えたルカを宥めてソファへ誘導する。
「寒かっただろう?ココアを淹れるから待ってなさい。」
「……ありがとうございます」
相当気になる所があるのかルカは座るなり論文に目を向けている。
返事も軽いものだった。
やはり似ているな、と思いながら私はココアを淹れはじめた。