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ヴォックスの命令を受けて、私は無表情のままアラスターを真正面から見据える。
――――今だけは、従うしかない。
まだだ。きっと・・・・・・きっとどこかで隙が生まれるはずだ。
その隙に意表を突いて、確実にヴォックスを仕留める。
チャンスは、その一度きりなのだ。見極めなければ。
アラスターの方へ一歩足を進めると、ヴォックスは満足げに椅子へと腰掛ける。
鑑賞する気なのだ。
どこまでも悪趣味な男なのだ・・・・・・昔から。
アラスター「やれやれ・・・やはりこうなりますか」
私が刃を一振りして構えると、アラスターも挑戦的な目でステッキを私へ向ける。
(ごめんアラスター・・・・・・今だけは、許して)
大切な貴方に、自分の意思で刃を向けることを。
・・・・・・貴方を、傷つけてしまうかもしれないことを。
心の中で覚悟を決め、アラスターに向かって走り出した。
〇〇「―――っ!!」
アラスター「・・・・・・ッ!」
間合いに飛び込んだその瞬間、刃と触手が激しくぶつかる。
鋭く互いに踏み込むが、触手の数に圧倒されなかなかアラスター本人に攻撃を繰り出すには至らない。
こちらが少しでも油断すれば、彼の攻撃はためらいなくそこを突いてくる。
一進一退の攻防が続く中、不意にアラスターが口を開いた。
アラスター「いい攻撃ですがまだまだですねぇ・・・」
アラスター「もっと、本気できてはいかがですか」
(え・・・・・・?)
催眠のせいで声の届かない私へと向けられたその言葉に、ふと違和感を覚えた。