テラーノベル
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今日も「怪物」を一つ片付けた。返り血を拭う私の前に、泣きながら縋り付いてくる女がいる。
「ありがとう、助けてくれて! あなたは私たちの希望よ!」
……あはは、笑わせないで。
数分前まで、この女は隣にいた友人を突き飛ばして逃げようとしていた。自分が助かるために、一番親しいはずの人間を餌にしたんだ。
なのに、怪物が消えた瞬間に「聖女」のような顔をして感謝を口にする。
「ねえ、さっき友達のこと蹴飛ばしてたよね? どんな気分?」
私がそう問うと、女の顔から血の気が引く。
感謝の言葉はすぐに言い訳に変わり、最後には「助けてやったんだから黙ってろよ!」という罵倒に変わった。
ほら、やっぱり。皮肉だよね。
助ければ助けるほど、この世界の「中身」が透けて見えて、壊したくなる衝動が抑えられなくなる。
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