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空…飛べるんだ… 能力分けて欲しいですね…
幽霊と探偵ですか!ほうほうなるほどです!妄想が広がって行きます〜あとサムネkawaiiですね!絵がうますぎます!
いつものようにトーストに目玉焼きを乗せ朝食を作る。めんどくさい朝に何も考えず簡単に作れる私の定番食だ。
(日帝。毎回そんなのばかり食べていては栄養が偏るぞ?)
「別にいい。栄養なんて昼夜に取ればいいだろう?」
(うーん、でも日帝お昼はご飯抜く事が多いし、夜はコンビニ弁当をよく食べてるよね。僕もナチの言う通りだと思うな〜💦)
「…これで残りの人生を乗り切るつもりなんだ。余計なお世話だぞ。」
正直言って私は事件の後から味覚障害になっており、何を食べても味を感じることは無い。
だったらすぐ作れて腹が満たされる物の方が良いだろう。
なにより無味無臭の物を口するのは苦痛以外の何ものでもない。
だからこそ、そこに金も時間もかけたくないのだ。
(………そっか。)
ナチスもイタ王も勘が鋭いから気づいてそうではあるが…
あえて言っていないのか、それとも私が上手く隠し通せているのか…
自分の事を客観的に見る事が出来なくなった今では確証がもてない。
その探偵業をやるには致命的な部分を2人が補ってくれている。
全く感謝しかないな…
そう言えば何故死んだ2人の声だけが聞こえるのか?と言う疑問だが…
私に対する異常なまでの執着により、何故か守護霊になってしまったらしい…
それで私の周りによく居るらしいが私の霊感が中途半端にあるせいで、声は聞こえるが姿が一切見えないと言う少しカオスな状況になっている。
それでも、声だけでも私と意思疎通をとれて2人も嬉しいみたいだし、私としてももし2人の声が聞こえてなかったら、後追い自殺でもしてしまっていただろうから本当に良かった。
それと2人の特徴として、私から縦横半径1キロ以上は離れられない。
そしてドアとかは開けたり、すり抜けたり出来ない。
そのため、我が家のドアは洗面所とバスルーム、私の部屋以外全てが開けっぱなしであり、いつもテレビをつけて2人がなに不自由なく幽霊生活が出来るよう尽力している。
ちなみに空は飛べるらしい。ずるい。
(日帝〜!僕は今どこに居るでしょう!!)
イタ王は考え呆けて一切構わない私を見て痺れを切らしたようで、無理難題のゲームをふっかけてきた。
「新手のかくれんぼか?にしては鬼側の難易度が高すぎるだろ…」
(この逆境を乗り越えてこそ一人前の探偵だよ!)
「別に一人前になるつもりはないが…そうだな…」
「ここだろ。」
そう言って何もない無の空間に指を刺す。
(え”………)
(日帝…いつから超能力者になったんだ?)
(あ、当たってるよ…もしかして姿見えてる…?)
「…大体の声の出所と1年で少しだけ分かるようになった2人特有の気配のお陰だな。」
(やべぇ…)
(ば、化け物なんね…)
「!」
「そう言えばイタ王、死んでからその”なんね”ってやつ使わなくなったよな。」
(あーその事かぁ…別に特段理由がある訳じゃないんだけどね、生に対する未練とかあんまり見せたくないなって。)
(だから、少し昔ながらの癖とか直したんだ!)
「……そうだったのか…」
これは驚いた。
多分ずっと私に気を遣ってくれたのだろう。
そこを詮索するのは少しまずかったな…
(それより日帝、時間大丈夫か?そろそろ事務所に向かわないと相談者との話し合いの時間に遅れてしまうぞ?)
そう言われ壁掛けのアナログ時計に目を移すと針は9時21分を指していた。
対して今日面談が開始する時間は10時。
今から全速力で行けば大体9時40分頃には着くだろう。
だがしかし、必要な書類とか、相手に出す茶菓子の準備もいる。
しかもお相手の方が少し早めに来るかも知れない。
ちょっとと言うか相当やばい!!
2人にも焦りが伝わったようで〜〜〜〜
「やばい2人とも今すぐ出るぞ!!!!!」
そう言って慌ててテレビと電気を消すと大切な物ばかりの鞄を少し乱雑に取り出して走って外へと向かった。
玄関のドアを開けて凄く長く感じる数秒間を待つ。
(日帝。両方出れたから閉めて良いぞ。)
その答えを聞いてすぐにドアを閉め鍵をガチャガチャと音を立てながら閉めた。
こうやって出てくるのを待たないと2人は自力で外に出られないからだ。
「よしいくぞ!!」
(分かった。)(りょーかい!)
そう言って私たちは一斉に走り出した。