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MAKO
ベリアンとルカスが赤子の面倒を見てくれそうな執事たちを呼びに行っている間に、別邸の執事たちが戻ってきて赤子と初対面をしていた。
「ただいまです!・・・え?」
「只今戻りました・・・どうしました?」
先に戻ったテディが入口で固まってしまい、ユーハンが不思議そうに中を覗き込む。
「ハナマルさん!隠し子ですか!?」
「どこから攫ってきたんです!?」
「俺、信用なさすぎない!?」
「あはは」
🌼『んばぅ〜』
2人からの散々な言われようにベレンが腹を抱えて笑い出した。
赤子は何が起きているのかわからない様子で、ベレンの顔をべしべしと叩き始めた。
「あ、まって、ちょ、痛い、意外と痛い!」
ベレンは容赦ない攻撃に屈してすぐに起き上がった。
「ほら〜コイツも違うって言ってんじゃん」
ハナマルは赤子を抱き上げて目線を合わせて話しかける。
「ひどいよなぁ〜、ハナマル様はお前のお世話ちゃんとしてたのになぁ〜?」
🌼『?だぁ!』
赤子はハナマルに返事をするように喃語を発すると、下ろせと暴れ出した。
ハナマルが畳に下ろしてやると、ハナマルの帯をくちゃくちゃと噛んで遊び始める。
「本当に隠し子ではないのですね?」
ユーハンがハナマルの前まで来て訝しげに問うた。
「そうだよ!主様の子!」
「主様のお子様・・・そうですか、それなら・・・まぁ・・・」
「それにしても可愛いですね〜!何ヶ月くらいでしょうか・・・」
テディは小上がりの前にしゃがみ込み、そっと赤子を撫でながらそう言った。
「う〜ん、ハイハイしてるし・・・7〜10ヶ月ってとこだろうねぇ・・・
おしゃべりは個人差があるからあんま当てになんないし・・・」
ハナマルがもちもちした頬をつつきながらそう答える。
そうしていると、不機嫌そうなシロが下りてきた。
「おい、うるさいぞ!なにをしている・・・なんだその赤子は・・・」
シロは持っていた本を落としそうになり、抱え直しながら早足で赤子の元まで歩いてきた。
「おい、ハナマル。お前の子か?」
「違うって!」
「では捨ててこい。うるさくてかなわん・・・」
「なんてこと言うんですか!?主様の赤ちゃんですよ!」
眉を寄せて赤子を睨むシロにテディが立ち上がって抗議した。
「な・・・そうか・・・それなら仕方あるまい・・・」
テディの勢いに押されてシロが数歩後ずさると、ユーハンがそっとシロの視界から赤子を遮るように立った。
「・・・待て、なぜそう警戒する」
「主様のお子様に何かあってはいけませんから」
ユーハンの言い分は最もであるが、シロは赤子に対して危険人物であるというレッテルを貼られてしまうのは不本意である。
「我とて、赤子の世話くらいできる」
ベレンは不機嫌そうにそう言うシロを面白そうに見ていた。
シロは赤子がハナマルの帯をくちゃくちゃしているのを見て、更に眉を寄せた。
「それは食べ物ではないぞ・・・」
🌼『くちゃくちゃ・・・』
「そんな物を食べるでない」
声を掛けてもやめようとしない赤子から帯を取り上げると、赤子はシロを呆然と見つめ、泣き出してしまった。
🌼「あっ、あっ・・・ぁぁぁぁあああああああああっ!!ぅああああああああぁぁぁぁっ、あ゛あ゛あああああああーーー」
シロは早速どうしていいか分からなくなり、ベレンとハナマルに縋るような視線を送った。
「大丈夫ですか!?」
その時、ベリアンが子供の世話ができそうな執事を集めて戻ってきた。
シロは露骨にホッとしたような表情を浮かべて赤子から離れた。
「おやおや・・・どうしたのかな?」
「わぁ・・・本当に小さいですね」
「うわ、可愛いなぁ」
ミヤジ、ハウレス、ロノが赤子に近づき、最初にミヤジが抱っこした。
「よしよし・・・少し軽いような・・・?」
しかし、ミヤジは身長の割に軽いような気がする赤子に首を傾げる。
「え?そうなんですか?俺にも抱かせてください」
ハウレスもミヤジから抱かせてもらい、確かに、と頷いた。
「もう少し体重があっていいはずですよね・・・
満足に食べられなかったのか・・・?」
深刻な顔で赤子を覗き込む2人と対象的に、ロノは嬉しそうに赤子の顔を見ていた。
「もう離乳食食わせていい頃ですよね!?」
「ふふ、そうだね・・・もう始めていい頃だと思うよ」
ロノは早速メモを取り出して何を食べさせようかと考え始めた。
「じゃあ、まずは粥からで・・・パスタとかパン粥も食わせたいですね〜
あとは今のうちに野菜食わせて、好き嫌いしない子にして・・・」
「・・・気が早くないか?」
「いいんだよ!考えとけば後で悩まなくて済むだろ!」
早く離乳食を食べさせたいロノとまだ早くないかと呟くハウレスは、さながら母親と息子のようで微笑ましい。
ミヤジはそんな2人を見ながら泣き止んだ赤子の頭を撫でたりしていた。
「ところで、この子の名前とかはまだ聞いていないのかい?」
ミヤジはベリアンにそう問いかけた。
「それが・・・主様はひどくお疲れのようで眠っていらっしゃいます。
どうやら、身近な方から暴力を振るわれていたようなので、私達を警戒して話してくださらないかも・・・」
悲しそうにそう言ったベリアンに掛ける言葉が見つからず、皆黙り込んでしまう。
「・・・それでも」
ハナマルが重たい沈黙を破った。
「それでもいい。だけど、この子も主様も俺達で絶対に幸せにする。それがだけは分かってもらいたいな・・・」
「そうですね・・・」
ベリアンの表情が和らぎ、小さく微笑んだ。
「私達で必ず、お二人をお守りして幸せにしましょう」
「「「「「「おー!!」」」」」」
🌼『!っふえぇっ・・・』
大きな声に驚いてまた泣き出してしまった赤子を慌ててあやしながら、執事たちは結束を固めたのであった。
コメント
1件
うわあ、めちゃくちゃ賑やかで温かい回でしたね!シロが赤子に完全に手を焼いてベレンたちに助けを求める目線とか、もうツボすぎて何度も笑いました笑。最後の「絶対に幸せにする」っていう結束の場面は本当にぐっときました…みんなそれぞれの方法で愛情を示してて、読んでてすごくほっこりしました🌷