結局だし巻き一切れだけ食べただけで疲れて、ソファでうたた寝する阿部ちゃん。
残ったのを食べながら寝顔を眺める。
俺と話した後はいつも少し顔が柔らかくなるけど、自分で考え込む量が多すぎるんか次に会う時はむしろ悪化してるまで思う。
これを仕事に持ち込まんのは良くも悪くもプロやなと変な感心をして、洗い物。それから風呂のスイッチ入れて、洗濯干して。
リビングに戻ってきたら、小さい声がした。
💚「康二。いる?」
🧡「おるで」
💚「こっち来て」
阿部ちゃんが起きた。隣に行って顔を覗く。
🧡「起きたか?コーヒーとか飲むか?」
💚「欲しい」
寝て俺が近くにいると少し楽になるらしい、コーヒー飲んだら阿部ちゃんはやっと作ってない笑顔を見せた。
それからグループの動画とか見ながらあの時のあれおもろかったよなとか話して笑いまくってたら時間が来た。
🧡「ほな、また来るわ。風呂わいてるしな」
💚「いつもありがとね。康二」
スケジュールを確認して、次いつ会いに行けるか考えながら帰る。
🧡『次3日後の昼に行くし。しんどかったらいつでも連絡して』
💚『ありがとう」
俺、多分阿部ちゃん好きなんやろなと思う。
大事なメンバーやけどそれだけやない気がするし、何より俺が阿部ちゃんを元気にしてやりたいと思うようになってる。
今こんなの伝えても阿部ちゃんは困るやろうから、もっと元気になってから言お。
それから更に2週間。
今日はサラダうどん。
🧡「野菜と麺ならええかなって」
💚「美味しそう。ありがとう」
ほんのちょっとずつやけど、家にいる時の顔色も良くなってきた。
一時期に比べたら食べる量も増えたし。
💚「俺、今度康二のチンジャオロース食べたい」
🧡「嬉しいけどいきなり重めやな、大丈夫なん?」
💚「食べたいって思うからいけるかなって」
次はリクエスト通り、チンジャオロース。
💚「美味しい、ご飯すすむ」
🧡「そら良かった」
次はちょっとお酒飲みたいって言うし、めめがCMしてるビールを1本ずつ。
💚「康二と一緒だと何でも美味しい」
🧡「嬉しい事言うやん、俺もやで」
💚「ほんと?」
🧡「ホンマ」
阿部ちゃんはそれを聞いて、ちょっと黙ってから口を開いた。
💚「俺、康二がいてくれるおかげであんまり落ち込まなくなった。なんか御礼させて」
🧡「そんな御礼なんて」
言いかけて『でも…』と食い下がる阿部ちゃんに『そしたらな』とポケットからインスタントカメラを取り出す。
🧡「ほい」
💚「カメラ?」
🧡「俺のもあるし。今度写真撮りに行かへん?阿部ちゃんがモデルな」
💚「面白そう!」
阿部ちゃんの目が輝く。
次の休みは撮影デートに決まった。