ザワザワと雑草がはためく。
優しい風が頬を撫でる。
大自然の真っ只中、空中から人が落ちてくるのが見え…落ちてくる?!
「誰かぁ〜!たっ、助けてぇー!?」
そんな声が空中から響いて聞こえてくる。腑抜けた声。聞いた事のない声。
「大丈夫!きっと受け止められるから安心して!!!…大丈、夫…だよな?」
と、その下…受け止めようとしているThe勇者みたいな感じの見た目の人。段々と自信がなくなってるみたいだ。
「…何が起こってるんだろう、今。」
それを見守っている俺…。これ今どんな状況なんだろう。
正直俺が動けば直ぐに終わる事。でもちょっとめんどくさい。このまま見守っててもいいんじゃないか?でも見殺しになる可能性もあるんだよな。でもめんどい…、どうしようかな。
「…しゃーないなぁ。」
ため息を付きつつ、上着を脱ぐ。
身体を軽くして、少しストレッチ。
助走出来そうな足場とか…まぁなんとかなるだろ、多分。
後ろに足を引き、走る、跳ぶ。
〜
どうも、俺チェレイルって言うんだ!勇者やってます!でも自己紹介してる場合じゃないんだよ…
ふと「寝てたなぁ…」って思って起きたら知らない場所だし、びっくりして上見ていたらなにか点が見えて、それで目を凝らしてもっと見たら人だし…。
どうしろって言うんだよぉ…
周りはパッと見平原だし、足場にできそうな岩も無い…だったら、できるだけクッションになって衝撃を吸収するしかないかなって、思ってたんだけど…
「大丈夫!きっと受け止められるから安心して!!!…大丈、夫…だよな?」
そう、勢いが強すぎて俺ごと死ぬんじゃないかっていう心配。
でも体は鍛えてるし!何とかなるはず!…うん。
さぁ、そろそろ体制を整えないと…!
と、思った時だった
上空から飛行ぶっt…人!?
「ちょっと、失礼するよ〜?」
「わっ、え、ちょ、どこから…!?」
その人は空中で軽々キャッチしたと思ったら、植物たちがふわりと動いただけの、100点満点の着地。す、すごい…
「多分、助けようとしてたんだよな?その勇気、すごいと思う。」
「あっ、えーっと…え、どうやって飛んで…?」
「それは企業秘密で( ‘ω’)」
…とにかく、ここにいる人達が無事なら、それでいいか…。
「とりあえず、自己紹介した方がいいよな?俺は____」
〜
誰が願った関係性
誰が作った夢物語
これは、交わらない者たちが交わる1回ポッキリのヒーローとヴィランのお話
「想像、具現、夢の世界」
そんな世界に、ご案内させていただきます。
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