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私は素直じゃない。そういう話が頭に過ぎる。素直に受け止められない。褒められても嫌味や、社交辞令に感じる。
その性格のせいで、僅かなすれ違いや痛い言葉で傷つきやすくなってしまった。そんな私を空は笑った。私は高校の連絡橋から空を見つめていた。昨日の夜にコンクリートへ落下した水溜まりの深さを考えつつぼんやりと見つめていた。
あー、ねむ。今日も今日とて、私は高校に通っている。そして自分の性格を呪いつつ自分に痛い言葉をかけた。
「ありがとう」
何に対してなの。
「ごめんね」
私が悪いから。
「助かったよ」
助けるつもりなんてない。
「頑張ろ!」
頑張ったところで…。
「お疲れ様~!!」
私より頑張ってる人いるから。
またぼんやりとした意識の中、階段を降りる。そこには友達が階段付近で突っ立っていた。
「なにしてんの?」
そう聞くと友達は
「あんたを待ってたの」
と、答えた。
「嘘でしょ。友達と話さなくていいの?」
まただ、疑ってしまうんだ。無意識の卑屈が一番、他人を苦しめる。理解されない。怖い怖い怖い怖い。
だが、友達は
「なにいってるの?ほら、教室いこ?」
と、私の手を引いた。その綺麗な手は白くて傷一つ無く、艶やかな優しい瞳が私を見つめている。先ほど、ぼんやりとした意識と表記した。だが、もうすっかりその意識を手放した。
うん、と勝手に口が動き声を細々と吐き出した。
私は卑屈な性格だ。だから、ぼんやりしてしまう。夢なんてないし目標も何もないけど友達と仲良く楽しければいいや。
私は少々、刹那主義な一面もある。私は今が充実していればいいのだ。
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