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「署長。なぜ奴らに協力を?」
「なぜ話さなければいけない?」
「なぜって…容疑者として扱ってますから」
「どうやらあのノートを押収したらしいじゃないですか」
「ああはい。そうですね」
「内容は見たか?」
「はい。拝見しました。とても酷い」
「佐藤氏を否定するということは私達側ということですが?」
「いえ。署長側ではありません。行動には移していませんから」
「…佐藤氏は総理を悪者扱いしたんです。決めつけで」
「そうは思わなかったですけど?」
「はぁ〜今の刑事は…」
佐藤明久琉の「内閣総理大臣浅倉茂道」というノートには総理の不祥事をまとめた記録がかかれていた。
現総理である浅倉は元総理であった浅倉清(きよし)の息子であった。そのため報道陣からは彼の進路など次々と記事になった。茂道からすれば報道陣に囲まれる生活は当たり前だったのかもしれない。そんな彼は27歳で衆議院選に出馬。見事当選した。それから彼の支持は落ちることはなかった。30歳、人生二度目の選挙にてまたしても当選。それから34歳で法務大臣に任命。その後は官房長官、副総理大臣などに任命された。その後、58歳で総理選に挑むと、当選。総理大臣となった。彼はそれから今まで約2年の間在任している。そんな茂道は佐藤の調べによると人を殺したといわれている。そんなの嘘に決まっている。誰もがそう思うだろう。そこにかかれていたのは衝撃そのものだった。
茂道は自身の秘書である宮村賢太(みやむらけんた)の子を憎んでいた。賢太の子、翔一(しょういち)は選挙の際、敵であった茂道の嘘の情報を流したのだった。「彼は小学生の頃万引きを10回もした!刑罰に引っかからないから!」と。このことは後に嘘だと判明したものの一部の人は「官房長官だからもみ消したんじゃない?」などの噂話をつくりはじめた。その後、茂道は一つの案を思いついた。復讐がしたい。そう思った彼はいないものとする。そう考えた。そのためにはどうすればいいか。彼はこう考えた。評判を悪くしてしまえば良い。そうすればいずれ彼はどん底へ引きずり込まれ、死ぬだろう。と。過去に自分がされた事をそのままやり返す。という事だ。そんな翔一に悲劇が起きる。ある日、総理とともにとあるところへ行こうとしているときだった。翔一は朝、起床しスーツに着替えるそのスーツの中に小刀が入ってるともつゆ知らずに。その後、仕事を始める。そして、ある場所へ行こうと移動中、人混みはいる。先に行った総理を追いかけるように駆け足で。すると、「カチャン!」スーツのポケットに入っている小刀が落ちたのだ。その時。一人の記者がその小刀を見ると、「宮村秘書がこの小刀を落とした!総理を襲撃しようとした!」と大声で叫んだのだった。鋭い目線は翔一に向けられる。「違う!違う!俺じゃない!」全力で否定する。そんな中総理は後ろでニヤニヤとしていた。しかし、記者はそれに味方しなかった。その後、多くの記者は「持っていた小刀で総理襲撃!?」などの記事をかきはじめた。どん底に落とされた翔一はその後、首吊り自殺を図った。当然、佐藤は総理のせいだと決めつけた。
一方波島一派は違うと考えた。偶然その場所に居合わせていた波島はその件の一部始終を見ていた。翔一のポケットから小刀が出るまでは佐藤と同じだ。その後、記者がこのことを告発するまで先へ行っていた総理はそのことに気付かなかった。記者が告発し、振り向く総理。鋭い視線に囲まれる翔一を見る。そのときの総理の顔は計画通りとはとても思えないくらい青ざめていた。その後、波島は翔一の誤解を解くため、金子、鑑識の秋庭。その夫安楽を味方につけ極秘捜査を始めた。その中で佐藤の存在を知る。佐藤は総理が翔一のことを殺したと言っている。このたわけ。総理がそんな事するはずがない。波島は必死に佐藤を追う。必ず総理は違う。その一心だ。
なぜ総理をそんなに慕うのか。波島が高校生の頃。当時茂道が初選挙の時、こうなると誓った。
「誰でも幸せに!不幸をなくします!」
その単純な言葉に波島は救われた。自分が幸せに…。波島は今でもその恩を忘れてない。希望を与えてくれたことを。
SNSで自身が今、体調が悪いことを話した佐藤。その時だった。波島はその時、彼を殺した…つもりだった。佐藤は九死に一生を得た。偶然、彼が刃物で刺された時、通りがかりの人が医者でその場での軽い処置を受けられたのだ。だがしかし、意識が戻ることはなかった。一度意識が戻った時。それが事件前日だった。意識が朦朧(もうろう)とする中彼は看護師に言った。「宮城に…あの海岸へ…行きたい…」
次の日。佐藤はあの海岸へ来た。その情報を手に入れていた波島もそこへ来ていた。だが波島としては予想外のことが起きる。彼のすぐ近くには恋人である阿部の姿があったのだ。一気に歯車が崩れ始める。だが、諦めてはいない。そんな時だった。阿部がトイレに行き佐藤一人になったのだ。その時決めた。**グサッ。**波島の持っていた刃物が佐藤の腹に刺さる。「うっ…」苦しそうに倒れると、波島はすぐにその場を離れた…かった。駐車場へ走る。その時だ。「待って!」顔を見られている。もう終わりだ。波島の頭にはそんなことが浮かぶ。だが、波島は阿部に言った「言ったら殺す。このまま通報し死んでいた。そう言え」と。脅したのた。今の波島にはそれしか方法がなかった。
刑事「残念だったな波島」
波島「でもこれで総理が悪くないことは…」
刑事「それはわからん。真犯人がいないからな」
波島「そうやって刑事は…!めんどくさくなると…!」
刑事「まあ俺だってそれは嫌いさ。好きでやってるわけじゃねえ」
波島「…」
刑事「…お前気持ちいいか?人殺して」
波島「…全然。気分悪いですよ」
刑事「そうか。そういえば二人は何に関係が?」
波島「二人?ああ阿部と藤澤のじいちゃんですか?」
刑事「そっ。気にしてたぞ」
波島「阿部は金子の時間稼ぎでしたけどその後の調子を。じいちゃんは佐藤のことを色々聞いてたんです。どうやら政治が好きだったらしいですよ」
刑事「ほ〜う。そういえば金子を殺したのもお前だそうだな」
波島「ええ。総理に化けて殺しました」
刑事「なぜだ?必要がないだろ?」
波島「…彼は結婚して苗字を妻のにしました。旧姓はご存知で?」
刑事「いや。存じない」
波島「藤澤です。彼は元々反対してたんですよ。弟を殺すのに。まあ当然でしょうね。俺もその立場だったらそうなってますよ」
刑事「そういうことか」
波島「でも言いました。「僕を殺してください。弟と命を終えたい」ってね。まあ反対ですよ。俺もね。でも一人賛成したやつがいた。署長です。署長の意見は逆らえないから」
刑事「ふん。署長か…」
波島「署長は俺らの会話に首突っ込んで仲間になったやつです」
刑事「はあ〜…お前はどのような刑を望む?」
波島「処刑」
刑事「そうか。楽しみにしとけ。では留置所へ移送する」
波島「はい」
取調室に誰もいなくなるとどこからか哀愁が漂った。