テラーノベル
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──あの日、雨が降ったから。
あたしが、カサを取りに帰らなかったから。
それが、イジメられる原因になるなんてね。
そんなこと、誰が思う?
友達なんか、信じてたあたしが、バカみたいでしょ。
まぁ、もともと友達でもなかったんだろうけど。
ココにはさ、イジメられる側と、イジメる側の人間しかいないんだよ。
だって、ゲームなんだから。
ターゲットがいなくちゃ、ちっともおもしろくないでしょ。
HPが0になるまで、徹底的にぶちのめすモンスター。
それが、イジメのターゲットだよ。
イジメてる方はさ、ゲームの中の勇者さながらに、
この世に必要のないモンスターを討伐してるだけとしか、思ってないんじゃん。
現実には、イジメてるヤツの方が、明らかにモンスターなのにね。
けどさ、名前が女の子みたいだからとか、雨に濡れたからとかいう理由だけで、
必要ないって思われるのって、やっぱどう考えたって理不尽だよね?
ねぇ、こんなカンケイでもさ、友達が本当にほしいの?
必要なの? こんな人たちのことが?
こんな友達なら、いらないんじゃない……?
ヤルかヤラレるかだけの関わりに、何の意味があるんだか。
誰もがいつ寝首をかいてやろうかって誰かを狙ってるような、そんなつながりに何の意味があるのか……ねぇ、答えてよ。
先生だったりが、本当の友達の意味なんて、教えてくれるわけもないし。
友情とか意味不明でしかない関係なんて、捨ててもかまわないもの。
だからあたしは、もう友達なんていないところに行くの。
そんなの、必要もないし。
ひとりでも、生きていけるから。
自殺したつもりでなら、生きてもいけるもの。
やっぱりね、死んだら負けなんだと思うよ。
死んだつもりで生きてみるとか、そんな前向きな気もちもまったくないけど。
どうにかなるんじゃん? どうにかなると思えばさ。