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キルアと×××のバレンタイン交換🍫❤️🤎
バレンタイン前日。
「今年さ、どうする?」
何気なく聞いた×××に、
キルアは少し考えてから言った。
「……交換」
「一緒に作るのはナシな」
「え?」
「何作るかわかんねーほうが楽しいだろ」
その提案に、×××は思わず笑った。
「じゃあ、お互い家で作って、
明日持ってくるってことで」
「決まり」
⸻
それぞれの家。
キルアはスマホを見ながら、
キッチンで真剣な顔をしていた。
「……マカロン、難しくね?」
でも、思い浮かぶのは×××の顔。
(好きなの、チョコといちごだったよな)
チョコ味の生地に、
いちごクリーム。
デコレーションはよく分からないから、
「マカロン 可愛い デコ」で検索。
チョコペン。
アラザン。
ハート。
「……これでいいだろ」
不器用だけど、
ひとつひとつ丁寧に仕上げる。
「……×××、喜ぶかな」
⸻
同じ頃、×××の家。
(キルアの好きな味……)
思い浮かぶのは、
チョコとクッキーアンドクリーム。
選んだのは、
たまたま同じ——マカロン。
クリームを挟みながら、
チョコペンで文字を書く。
「大好き」
小さなハート。
書いたあとで、
自分で顔が熱くなる。
「……ちょっと恥ずかしいかも」
でも、
消さずにそのまま。
⸻
そして、翌日。
午後3時。
×××の家で、
バレンタイン交換会。
テーブルの上に、
それぞれの箱を置く。
「……同時に開ける?」
「うん」
せーの、で箱を開けた瞬間——
「……え?」
「……は?」
二人の箱の中、
どちらもマカロン。
しかも、
色も形も、雰囲気も似ている。
数秒沈黙してから——
「……っ、なにそれ」
キルアが先に吹き出す。
「一緒じゃん!」
×××も笑ってしまう。
「なんでマカロン!?」
「いや、それはこっちのセリフ」
二人で顔を見合わせて、
お腹を抱えて笑う。
ひとしきり笑ったあと、
ふと、思い出す。
——マカロンの意味。
「……ねぇ」
×××が小さく言う。
「マカロンってさ……」
キルアも同時に気づいて、
視線を逸らす。
「……『特別な人』、だろ」
「……あと」
「……『永遠の愛』」
一気に、静かになる。
耳まで真っ赤なキルア。
「……別に、
意味知ってて選んだわけじゃねーし」
×××も照れながら、
でも笑う。
「……でも、嬉しい」
キルアは×××のマカロンを一つ取って、
そっと一口。
「……うま」
「×××っぽい味」
×××もキルアのマカロンを食べる。
「……甘い」
「でも、優しい」
キルアは少し照れたまま、
×××の手を取る。
「……偶然でもさ」
「同じの選んだって、
なんか……」
言葉を探して、
最後に小さく言う。
「……運命っぽくね?」
×××は顔を赤くしながら、
ぎゅっと手を握り返す。
「……うん」
テーブルの上には、
同じマカロン。
二人の間には、
言葉にしなくても伝わる気持ち。
——今年のバレンタインは、
甘さも、照れも、
全部ぴったり同じだった。 🍫💝
マカロンを食べ終わって、
しばらく幸せそうにぼーっとしていた×××が、
ふとテーブルを見る。
空になったお皿。
「……あ」
キルアが首を傾げる。
「なに?」
×××はちょっと慌ててスマホを見る。
「写真……撮ってない」
「バレンタインなのに……」
しゅん、と肩を落とす×××。
キルアは一瞬きょとんとして、
それから視線を逸らした。
「……あー……」
耳が、ほんのり赤い。
「……じゃあさ」
×××が顔を上げる。
「今度は」
少し間を置いてから、
照れ隠しみたいにぶっきらぼうに言う。
「一緒に作ればいいだろ」
「そしたら、
途中でも完成でも、
いくらでも撮れるし」
×××は一瞬固まって、
それからぱっと笑顔になる。
「……いいの?」
「キルアと一緒に?」
キルアは照れながらも、
小さく頷く。
「……別に」
「そのほうが、
楽だろ」
×××は嬉しくなって、
思わずキルアに抱きつく。
「……約束ね」
キルアは一瞬驚いたあと、
そっと抱き返す。
「……約束」
「次は失敗しても、
写真忘れても、
一緒だからな」
×××は胸元でくすっと笑う。
「じゃあ次は、
作ってるとこも撮ろう」
「キルアの真剣な顔とか」
「やめろ」
そう言いながらも、
キルアの声はちょっと嬉しそうだった。
夕方の光が差し込む部屋で、
二人は並んで座ったまま、
次の「一緒」を当たり前みたいに想像する。
——写真がなくても、
ちゃんと残ってる。
この日の甘さも、
照れた顔も、
手の温度も。
次は一緒に作るバレンタインを、
もう心の中で予約していた。 🍫💞
to be continued….