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×××がバスケ🏀の試合中に足を負傷❤️🩹…
それを見てたキルアが…🫣❤️
体育館に、鈍い音が響いた。
——ドン。
×××が床に崩れる。
「……っ」
足に走る鋭い痛み。
悔しさと衝撃で、息が一瞬詰まる。
立ち上がろうとしても、
力が入らない。
ベンチに戻ると、
足はもう目に見えて腫れていた。
×××はすぐに氷嚢を当てて、
それをぎゅっと抱えるように隠す。
「……大丈夫」
そう言って、
無理やり笑おうとする。
でも——
その様子を、
観客席の端で見ていた人物がいた。
キルア。
×××に内緒で、
こっそり応援に来ていた。
さっきのプレーも、
あからさまなファウルも、
全部、見ていた。
拳をぎゅっと握りしめて、
怒りと不安が一気に押し寄せる。
次の瞬間には、
もうベンチの前にいた。
「……×××」
声をかけられて、
×××ははっと顔を上げる。
「……キ、キルア!?」
「なんで……」
「今それ重要?」
視線は、
隠されている足に一直線。
「……痛くない」
×××はすぐに言う。
「ちょっと当たっただけ」
でも、
キルアは×××の顔を見ていた。
笑ってない。
眉が強張ってる。
唇、噛んでる。
「……嘘」
キルアは短く言って、
すぐにコーチの方を見る。
事情を説明して、
一言二言やり取りして——
戻ってきたキルアは、
迷いなく×××の前にしゃがんだ。
「ちょ、なに……」
次の瞬間。
ふわっと、視界が浮く。
「……え?」
キルアがお姫様抱っこで、
×××を持ち上げていた。
「キ、キルア!?
みんな——」
「見させとけ」
低い声。
「俺の大事なやつだから」
体育館を出て、
外の空気に触れる。
キルアは近くのブランコに×××を座らせ、
そっとしゃがんで目線を合わせた。
「……ここならいいだろ」
しばらく、
何も言わずにいる。
それから、
静かに言った。
「俺の前ではさ」
「我慢しなくていい」
×××の肩が、
びくっと揺れる。
「痛いのも、悔しいのも」
「泣きたいなら、
泣いていい」
「×××は、
十分やった」
その瞬間。
張りつめていたものが、
一気に切れた。
「……っ」
「……うぅ……」
声を殺そうとしても、
涙が止まらない。
キルアはすぐに前から抱きしめて、
×××の顔が外から見えないように、
胸に引き寄せた。
「……よし」
「誰にも見せなくていい」
大きな手が、
何度も、何度も、
優しく頭を撫でる。
「頑張ったな」
「最後まで逃げなかった」
「……かっこよかった」
×××はキルアの服を掴んで、
声を上げて泣く。
悔しさも、痛みも、
全部、吐き出すみたいに。
キルアは離れない。
「俺は見てた」
「だから、
×××がどれだけ強いか、
ちゃんと知ってる」
撫でる手は止まらない。
「今日は、
俺が守る番だ」
ブランコは、
ゆっくり揺れる。
×××の泣き声が、
少しずつ、落ち着いていくまで。
キルアはずっと、
抱きしめたままだった。
——強いのは、
泣かないことじゃない。
安心できる場所で、
ちゃんと泣けること。
それを、
キルアはちゃんと分かっていた。
×××の呼吸が落ち着いてきた頃、
キルアはペットボトルを差し出した。
「……少しずつな」
「うん……」
水を飲む×××を、
キルアはじっと見守る。
そのとき、
外に足音が増えた。
「×××!!」
「大丈夫!?」
チームメイトたちが、
心配そうに駆け寄ってくる。
「ちょっと痛めただけだから……」
×××はそう言って、
無理にでも笑う。
そこへ、
さっきのファウルをした相手の子が
一歩前に出た。
「……ごめん」
「カッとなって……
わざとだった」
「本当に、ごめん」
空気が、少し張りつめる。
キルアは無言で前に出そうになるが——
×××が、先に口を開いた。
「ううん」
「正直、痛かったけど」
少しだけ間を置いて、
まっすぐ相手を見る。
「謝ってくれたし、
もう大丈夫」
「次から気をつけてくれたらいいよ」
相手は深く頭を下げて、
何度も礼を言って戻っていった。
その様子を見ていたキルアは、
思わず小さく息を吐く。
(……ほんとに)
(強くて、優しい)
胸の奥が、
きゅっと熱くなる。
「……すげーな」
ぽつりと呟く。
「そんなふうに言えるの」
×××は少し照れたように笑う。
「だって、
みんな一生懸命だし」
⸻
チームメイトたちも戻り、
また静かになる。
×××はキルアを見上げて言った。
「……もう戻れるよ」
「心配かけちゃうし」
そう言って立ち上がろうとした瞬間——
「……っ」
力が入らず、
その場で止まる。
キルアは即座に近づいて、
また迷いなく抱き上げた。
「戻れるわけねーだろ」
「え、ちょ……!」
「動くな」
そのまま体育館へ。
コーチに事情を説明すると、
すぐに判断が下る。
「今日はもう帰れ」
「タクシー呼ぼう」
キルアは首を振った。
「いえ、俺が連れて帰ります」
即答。
外に出ると、
キルアは×××をそっと下ろして、
背中を向ける。
「……おんぶ」
「え……?」
「早く」
×××は戸惑いながらも、
背中にしがみつく。
「……重くない?」
「大丈夫?」
「ごめんね……
重いでしょ……」
何度も言う×××に、
キルアは少しだけ歩調を落とした。
「……×××」
低い声。
「それ、やめろ」
×××が黙る。
「謝るとこじゃねぇ」
「重いとか、
迷惑とか」
「そういうの、
俺に言うな」
少しだけ、
本気で怒ってる声。
「今日はさ」
「怪我して、
悔しくて、
それでも頑張ったんだろ」
「だったら、
もっと自分を大事にしろ」
背中越しに、
キルアの言葉が伝わる。
×××はぎゅっと、
服を掴んだ。
「……うん」
「ありがとう……」
キルアは小さく息を吐いて、
少しだけ声を柔らかくする。
「……いい」
「俺がいるときくらい、
甘えろ」
夕暮れの道。
キルアの背中は、
驚くほど安定していて、
あったかかった。
×××はそのまま、
安心したように目を閉じる。
「……キルア」
「ん?」
「……来てくれて、
本当に良かった」
キルアは少し照れなが—
でも、はっきり言った。
「当たり前だ」
「俺は、
×××の味方だから」
その言葉に、
×××の胸がじんわり温かくなる。
——悔しい日も、
痛い日も。
こうして支えてくれる人がいる。
それだけで、
また前に進める気がした。
その後×××は大丈夫だと言い張ったが
キルアが念の為病院に連れて行った
×××は お医者さんに
「こんな状態でよくここまで我慢してましたね…」
と言われてキルアに軽く睨まれる
×××はもう諦めて
とても痛いことを説明した。
でも本当はキルアは気づいていた
(こんなになるまで無茶しなくたって試合の途中で抜けていい のに…
帰ったら絶対1言言わないと気が済まねぇ)
その後お医者さんは松葉杖🩼など色々準備してくれた。
病院からは流石にタクシーで×××の家に向かった×××とキルア。
×××の家。
夜になって、部屋の明かりは少し落ち着いた色になっていた。
ソファに横になった×××の足は、
はっきり分かるほど青紫に腫れている。
キルアは床に座り、
真剣な顔でテーピングをしていた。
「……動くなよ」
「うん……」
テープを引く手つきは慣れていて、
でも力は優しい。
キルアは一度だけ足を見つめて、
低く言った。
「……無茶すんな」
×××は少し驚いてキルアを見る。
「試合中だったし、とか、
そういうの理由にならねぇから」
テープを巻き終えながら、
ぽつぽつ言葉を続ける。
「痛いなら、痛いって言え」
「悔しいなら、
我慢しないでいい」
「……泣きたいときは、
ちゃんと泣け」
×××の喉がきゅっと鳴る。
キルアは最後にテープを留めて、
×××の足をそっと布団に戻した。
「それと」
視線を合わせて、
少し照れたように言う。
「俺の前ではさ」
「わがままでいい」
「甘えていい」
「……俺がいるんだから」
×××の胸が、
一気に熱くなる。
「……キルア」
声が少し震える。
「ありがとう……」
「来てくれて、
看病してくれて」
「……本当に、助かってる」
キルアは一瞬目を逸らして、
小さく答える。
「……礼言われることじゃねぇよ」
でも、耳は赤い。
⸻
そのとき。
ピンポーン。
インターホンの音。
「……あ、ゴンだ」
キルアが立ち上がって玄関を開ける。
「お邪魔しまーす!」
両手いっぱいの買い物袋。
「色々聞いたけど、大丈夫!?」
ゴンは勢いよく部屋に入ってきて、
×××の足を見るなり——
「……っ」
一瞬、言葉を失う。
「これ……結構ひどいじゃん……」
顔が真剣になる。
「痛かったよね」
「怖かったよね」
×××は少し照れながらも、
頷く。
「……うん」
ゴンはキルアを見る。
「今日は絶対、
安静だよ」
「キルア、
ちゃんと見てあげてね」
キルアは即答。
「言われなくても」
ゴンはそれを聞いて、
少し安心したように笑う。
「そっか」
「じゃあ俺は、
差し入れ係に徹するね」
袋からスポーツドリンクや、
ゼリー、冷却シートを並べながら、
「二人とも、
今日は無理しないこと!」
その言い方は、
完全に保護者だった。
×××は思わずくすっと笑う。
キルアは×××の隣に座って、
そっと毛布をかける。
「今日はもう、
何もしなくていい」
「俺がここにいる」
ゴンはその様子を見て、
にこっとする。
「……ほんと、
いいコンビだね」
×××は毛布の中で、
キルアの袖をそっと掴む。
痛い足はまだ熱を持っているけど、
心は、不思議なくらい落ち着いていた。
——大丈夫。
ちゃんと、
守ってくれる人がいる。
今夜は、
それだけで十分だった。
ゴンが帰って、
家の中は一気に静かになった。
ご飯も食べて、
お風呂も済ませて。
二人はソファに並んで座って、
特に会話もなくテレビをつけている。
内容なんて、
正直どっちも見ていなかった。
×××は、
キルアの肩にそっと体を預けたまま。
「……眠い?」
「……ちょっと」
そう言ったきり、
返事はなくなる。
規則正しい呼吸。
キルアは視線を落として、
×××の顔を見る。
疲れきった表情。
でも、安心しきった寝顔。
「……ほんと、頑張りすぎ」
小さく呟いて、
×××が起きないように、
そっと腕を回す。
しばらくそのまま、
動かずにいた。
テレビの音だけが、
静かに流れる。
キルアは、
×××の髪を軽く撫でてから、
小さく笑う。
「……お疲れ様」
ほっぺに、
そっとキス。
「……大好きだよ」
返事はないけど、
×××の表情が少しだけ緩む。
キルアはそのまま立ち上がって、
また慎重に×××を抱き上げる。
足に負担がかからないように、
ゆっくり、ゆっくり。
ベッドに寝かせて、
毛布をかける。
腫れた足を確認して、
氷嚢の位置を直してから、
もう一度顔を見る。
「……守るから」
誰にも聞こえない声で、
そう言って。
キルアはしばらく、
×××の寝顔を見つめていた。
まつげ。
穏やかな呼吸。
あったかい存在。
「……離れるわけないだろ」
そう呟いたあと、
キルアも隣に横になる。
気づけば、
×××の手を自然に握ったまま。
そのまま、
ゆっくり目を閉じる。
——今日は、
痛いことも、悔しいこともあった。
でも、
こうして一緒に眠れる夜がある。
それだけで、
全部、報われる気がした。
静かな部屋で、
二人は寄り添ったまま、
同じ夢へ落ちていった。
甘くて、
優しい夜だった。 🌙💤
to be continued…