テラーノベル
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りの
80
なな🍆
78
「……」
喋ることもなくひとりでひたすら歩き続ける。
ふと空を見上げるとさっきまであんなに眩しく光っていた太陽が今では厚い雲に邪魔され町中を暗くしている。
どんなに努力して頑張って輝いていても前に出る厄介なやつがいれば報われることはない。
人間と同じこと。そして、俺と同じこと。
そんな変なことを考えていたらもう目の前には大きな見慣れた学校。
また今日も同じように靴を脱いで、廊下を歩いて、遅刻して……
ロボットみたい、って何回いえば気が済むのだろうか。
下駄箱を開けて、薄汚れた靴を入れて。どう考えたって何も変わらないいつもの風景。
遅刻して少し廊下を走ってしまうのもいつものこと。
だがガラリと開けた扉の先には、いつもの風景はなかった。
急に土砂降りのような雨と硬いバケツが降ってきた。
え?と声をあげるが周りからは心配など存在しない。
周りを見渡すと横に立って引っかかった!と笑いながら言うやつや、それを見てお笑いかと言うばかりに笑い転げ回るクラスメイト。
この後どうすればいいのかなんてわからない。
席について笑いものにされればいい?
トイレにでも逃げて冷やかさればいい?
このまま固まって注目されればいい?
わからない、僕にはわからない……
ただし扉は完全に閉まって奴らがいるし、このまま固まってたら邪魔になるだけ、
結局席につくことしか出来なくなった。
先生が来るまで笑われ続けたのは言うまでもない。
🦍side
朝、生徒がほとんど集まり騒ぎ始めてる。
注意して静かにするのがいつもの僕だが、ふと扉の外を見つめると昨日あんだけ心配した🍆が歩いている。
もうとっくに遅刻になるがあんなにゆっくりで大丈夫なのか?とまた心配にさせてくる。
🍆とは学年は違うがすぐ隣のクラス。
隣からは物音があまりせず、さすが3年、と褒めたくなるぐらいだがあの中に入るって大丈夫なのか?
数秒後、急にガタンと何かが転がる音と水筒でもこぼしたのか大きな水の音が忙しく鳴り響く。
何かと思えば今度は笑い声で溢れる教室…
そして少し聞こえた、🍆の慌ててる声、?
状況が分からない、
🍆が通って、
何かが転がって、
水がこぼされて、
慌てて、笑って……
最近🍆が少しやらかすことはあるがそんなことあるか?
あんな大きな音を立てて?
心配声もせず笑い声だけで?
でも、慌ててる声がしている以上、絶対にお笑いではない。
クラス中も騒然として考察が飛び交っている。
とりあえず昼にまた会うんだからその時に情報を集めよう、
それしか方法は残されていなかった。
欲張っちゃう?
NEXT…♡35
コメント
1件
第7話、読んだよ……。 太陽と雲の比喩が、“報われない努力”そのもので、胸がぎゅってなった。 教室のシーン、ただ水をかけられただけじゃなくて、笑い声と「わからない」の反復が、もう逃げ場のなさをそのまま体現してて……読んでて息が詰まった。 でも🦍sideで「心配してる人がいる」ってわかったのが、唯一の光だった。昼まで待たなきゃいけないもどかしさがまた切ないね。 悠莉さんの描く“無力感のリアル”、すごく刺さるよ……🖤