キスをした。
ほんの1秒か、2秒。唇と唇が重なるだけの事故みたいなキス。
「…」
だけどそこには紛れもなく、俺と海生の意思がある。
唇を離して、かわりに額をこつんと合わせる。
「…熱い」
「え」
「海生の腕」
二の腕あたりを掴む俺の手にはまったく力が入っていなかったけど、海生はやっぱり逃げなかった。
「日焼け、かな」
「かも。藤崎の手も熱いよ」
熱いのは、日焼けのせいだけじゃない。
「──どう?」
視線がぶつかった。
その間にある距離は数センチ。俺は今、出会ってから一番近くで海生を見ている。
告白の返事を待つ不安や焦燥から、なかば八つ当たりのように向けられていた海生へのイラつきが、容易く凪いで*****************************
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