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2025年7月 みきゃん
第19話 ……誰?
光希の一発を止めた男は「海斗」と名乗った。
一見30代くらいに見えるが、実際は26歳と少し若めだった。
海斗は言った。
「こんなにも素晴らしい生き物、悪魔を殺そうなんぞ、
どういう風の吹き回しだ!?
頭でも打ったのか?」
あまりにも失礼な態度と口調だった。
林や柑奈は一瞬頭に血が上った。
そこを光希がうまく止めに入った。
「まあまあ、色んな考え方があるんだよ。
僕達は僕たちなりの考えで…」
「直ちに戦いを中断しろっつてんだよ!!!!!!」
みんなの背筋が凍った。
いきなり海斗は声を張り上げた。
あまりにも恐ろしい声だった。
さっきまで聞いていた美声とは桁違いだった。
「犯罪者絶滅、対悪魔特務機関は鬼、セラフィム全滅…!
魔城様は神、我らの組織はお守りする者、エンジェルは神…!
ああ、許せねえなあ。あいつのせいで…あいつのせいで…!」
すると、海斗は剣を持った。
まず、西円寺を狙ってきた。
西円寺は優れた解析能力があるが、戦闘能力はとても劣っている。
刃が向けられたらひとたまりもない。
実際のところ、西円寺はもう腰が抜けて立てなくなっていた。
そして、弱々しく言った。
「何で…?私が戦闘能力ないこと知ってんの?」
その瞬間。海斗は西円寺を鋭い刀で刺す体勢に入った。
「やめろ!!!!!!!!!!」
林は大声で叫んだ。
林にとって、西円寺は唯一無二のパートナーだ。
失ったら損失は大きいだろう。
林はさらに、海斗と西円寺の間に入って止めようとした。
ほんの数秒の出来事だった。
でも、間に合わなかった。
そう、林は何者かによって抑えられていたのだ。
西円寺は刺された。
血飛沫が舞った。刀は、西円寺の腹を貫通していた。
「うっ……」
海斗は西円寺にもう1回、刺そうとした。
大勢に入る。
林は「誰か…止めてくれ!」と叫んだが、誰も動かなかった。
あの光希でさえ動けていなかった。
そう、みんなは人間の姿をした何者かによって抑えられていたからだ。
顔はフードやサングラス、マスクなどで覆われていて見えない。
その間に、海斗は西円寺のことを何回も刺し続けた。