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・カンタロー×貧ちゃん寄りの貧ちゃん愛され(幼少期)
・貧ちゃんのあだ名由来捏造
・貧ちゃんが貧血体質
・貧「」←貧ちゃん 幹「」←カンタロー 笑「」←ニコちゃん 小「」←ターボー 森「」←森くん ちょ「」←ちょんまげ 高「」←キング 大「」←大谷先生
・長文
・地雷の無い方のみどうぞ
ちょんまげと森くんのグループ加入前
(貧ちゃん視点)
高「なぁ武田のあだ名どうするー?」
笑「うーん…」
みんな僕のあだ名考えてくれてる、何だか嬉しいな。僕、ずっと1人だったからこのグループに入れたのすごく嬉しかったんだ。
小「あ、敏生の敏って「びん」とも読めるからびんちゃんは?」
幹「いいじゃん!」
びんちゃんか、なるほどねぇ。小山くん頭良いなぁ。勉強も運動も出来てすごいよほんとに。
高「えーでもびんちゃんて何か言いづらくね?あ、そうだ森のくまさんで「あるー貧血、森のなかんちょう♪」ってやつあるじゃん。それで貧ちゃんは?」
…え?
笑「あ、なるほどね貧ちゃんか!」
小「高木、なかなかやるじゃん」
幹「え、でも…」
高・小・笑「貧血貧ちゃん!」
………
だめだ、ちゃんと笑って答えないとなのに。息が苦しい、桜井くんだけは何故か笑ってない。僕のこと心配してくれたのかな…あぁ、視界がぼやけてくる。
高「よろしくな、貧ちゃん!…貧ちゃん?」
貧「っ…フー…フー…」
足元が覚束無い、汗がどんどん流れてくる。震えが止まらない。
笑「貧ちゃんっ?大丈夫?あっち!日陰があるから移動しよっ」
高「……」
小「大丈夫なのかな?貧ちゃん」
幹「…お前らマジでやったな(ボソッ)」
目が覚めると、僕は保険室のベッドで横になっていた。その前の記憶は覚えていない、あれから僕はどうなったんだっけ。
「あ、起きた。大丈夫? 」
保健室の先生に呼びかけられ大丈夫ですと返事をする。今は…もう放課後か。午後の授業、すっぽかしちゃった。お母さんに怒られちゃう。
貧「……帰らなきゃ」
「体調は大丈夫?このシートに学年と名前、症状を書いてね」
貧「はい」
先生に言われた通りに記入する、その後ランドセルとカバンを背負って保健室を出た。
幹「敏生」
すると、廊下には何故か桜井くんが立っていた。もう下校時間なのに。
貧「桜井くんどうしたの?」
幹「カンタローでいいよ、高木があだ名付けてくれたんだ。一緒に帰ろう、1人じゃ心配だから」
心配してずっと待っててくれてたんだ、なんか申し訳ないな…僕なんかのために。ありがとね。2人で学校の通学路を歩く、新鮮だなぁ。誰かと一緒に下校したこと無かったから何となくむず痒い。
幹「…なぁ」
貧「ん?」
幹「嫌なら嫌ってはっきり言った方が良いよ、俺本気であの時あいつらにキレかけたんだから」
何のことなんだろう?あの時ってどの時?覚えてないや。僕はいつも通り笑いながら聞いた。このことは言わない方が良いんだよ、みんなに迷惑かけるし。
貧「何のこと〜?僕にはさっぱり…」
幹「笑ってごまかすな、お前…」
貧「ごめん!じゃあね!」
幹「あ、おい!」
僕はその先を言わせないように早足で帰った、もしかして気付いてる?やだよ、せっかく友達になれたのにまた1人になっちゃうなんて。
翌日…
僕は教室に入ってみんなに挨拶する。
貧「おはよぉ」
あれ?いつもとみんなの様子が違う。何でそんな目で見てくるの?やめてよ僕、何かしたっけ…?
高「あー…おはよう。ひ、武田」
え、何で苗字?今貧ちゃんて呼ぼうとしたのに。あれ、僕…ほんとに何かした…?
小「えっと、一応言っとくお前が悪いわけじゃないから。ごめん俺らのせい」
笑「うん…ごめんね、これからはもうあだ名で呼ばないようにするよ」
高「武田…ごめん」
何で、君達が謝るの?僕はみんなのグループに入れてしかもあだ名まで付けてくれてほんとに嬉しかったのに。そりゃあ…貧血貧ちゃんなんて言われた時は流石に傷ついたけど…でも高木くんが付けてくれたからそれでもここにいていいんだって思えたんだよ?
貧「謝んないでよ〜、僕全然気にしてないから。あだ名も貧ちゃんて呼んで良いよ、せっかく考えてくれたんだし」
幹「…お前はほんとにそれでいいのかよ?」
貧「うん、僕は大丈夫!カンタローは心配しすぎだよ」
幹「…」
本当に大丈夫そうだと思ったのか3人はほっと胸を撫で下ろした。カンタローだけは納得いってなさそうな顔だったけど。それから僕らは5人でよく遊ぶようになった、ターボーの家でゲームをしたり川に行ったりもした。そして小学5年生になり、音楽の授業のリコーダーのテストで僕はまた迷惑をかけてしまった。
「はい、高木くん合格。」
高「よっしゃー!」
小「さすがキング!」
幹「やるねぇ〜」
キングが合格した、次は僕の番だ。大丈夫、きっと僕ならやれる…大丈夫、大丈夫。
「じゃあ次は、武田くん。前に出てお願いします」
貧「はい」
みんなの視線が集まる、緊張で手が震えてきた。僕はぎゅっとリコーダーを握りしめ緊張を抑える。さっきまでのドの子へのからかいはどこに行ったのか、みんなが、僕の方を…見ている。
高「(頑張れ貧ちゃん!)」
幹・笑・小「(頑張れ〜…!)」
リコーダーを構え、昂る緊張の中僕は何とか最後までやり切った。
貧「(ふー…)」
「はい、武田くん合格。よく頑張りましたね」
貧「あはは…」
ほっとして台を降り、自分の椅子に戻ろうとしたその瞬間…いきなり視界がグラ付き、目の前が真っ暗になったかと思うと僕は床に倒れ意識を失った。リコーダーの落下した音が音楽室に響いていた。
高「貧ちゃん!?」
笑「貧ちゃん大丈夫!?」
小「しっかり!」
幹「っ…」
音楽室中にざわめきが漂う、薄く目を開けると苦痛に満ちたカンタローの顔がうっすらと映っていた。
(カンタロー視点)
クソッ、やっぱり俺の勘違いじゃなかったじゃねぇかよ!何でもっと早く言わなかったんだよ…先生の腕に抱えられて保健室に運び込まれていく敏生を見て俺は自分の無力さを痛感した。今思えば明らかに他のみんなより体力が無かったり、体育の時間は休みがちだったり、背が低く身体が細い時点で察することは出来たはずだ。
幹「……ほんとに取り返しのつかねぇあだ名つけたなお前ら」
俺達は教室に戻り、席について頭を抱えた。俺の心の底からの怒りにキング達はとても気まずそうに俯いていた。
高「いやまさかさ…ほんとに貧血起こすなんて思わなかったじゃん」
笑「…私、もう1回貧ちゃんに謝ってくる」
小「今行ってもまだ貧ちゃん寝てるよ、貧ちゃんが戻ってから…」
まだそのあだ名を付けているこいつらに俺は心底腹が立った、そのあだ名のせいで敏生はお前らと一緒にならざるを得なかったんだぞ。抱えていた頭を上げると、ふと教室のドアの窓ガラスから視線を感じた。白い肌に綺麗な顔立ち、サラサラな髪。男子のようだがこんな子いたっけ?いや、服装からして敏生だ。眼鏡を掛けていないから一瞬誰か分からなかったんだ。敏生が教室のドアを開けて入ってくる。
高「あ、貧ちゃ…武田!あれ、眼鏡は?」
貧「…倒れた時に割れちゃったみたい。僕目が悪いからほとんど見えないや」
小「そっか…あ、いや…ごめん」
笑「ごめんなさい」
高「…これからは敏生って呼ぶことにするわ、今まで貧ちゃんてあだ名を付けてお前を傷つけてたんだから…ごめん」
誠心誠意謝った、敏生…お前はもう1人で抱え込むな。みんなが敏生の反応を伺うと敏生は怒るか泣くのかと思いきや何故か笑っていた。
貧「あはは…」
その乾いた笑いにみんながゾッとした、もちろん俺も。
貧「大丈夫だよぉ、これからも変わらずに貧ちゃんて呼んでよ。僕…そっちの方がウレシイ」
なぁ…これ…やばくないか?悪寒がずっと止まらない、敏生が何かに操られているんじゃないかと思うほどだった。それから俺達は貧ちゃんと呼ばざるを得なくなった。
ちょんまげと森くん加入後…
ちょ「ねぇ貧ちゃん」
貧「なーに?」
ちょ「何で貧ちゃんて武田敏生って名前なのに貧ちゃんて呼ばれてるの?」
あ、まずい…何とか話を逸らさないと。俺は話を逸らそうとするも話題がなかなか出てこない。
高「なぁお前ら!サッカーしようぜ!森もな」
ナイスキング、俺は軽く会釈をするとキングはウインクした。
ちょ「いいね、森くん行こっ」
森「うん」
この場はキングが何とか持ちこたえてくれたものの、やっぱり何か理由考えておかなきゃな…。ちょんまげと森がグループに入り、俺達は仲良し7人組で遊んだ。あの日以来、敏生は貧血を起こさなくなった。…起こさなくなったと思っていた。
小学6年生に上がる
(貧ちゃん視点)
将来の夢か〜…何にしよう。正直あんまり考えられないなぁ。みんな、ちゃんと考えられてるのかな。そりゃあそうだよね。僕は窓際の外を眺めていた。綺麗な青空、白い雲。この空を自由に飛べたら気持ちいいだろうなぁ。あ、将来の夢決めた。僕は青空を飛んでいる自分の絵を色紙に描いた。みんな何描いたんだろ?
幹「貧ちゃん、何描いたの?」
カンタローが僕の席に近付いてきた、カンタローはどんな夢なのかな?
貧「僕はね、空を飛ぶ夢。空を自由に飛べたら気持ちいいだろうなーって思ってね」
僕がニコニコしながら話してるのに、何故かカンタローは苦笑いをしていた。?空、飛んでみたいと思わないの?
貧「カンタローはどんな夢?」
幹「俺は消防士!火消すのやってみたいんだよね」
貧「いいねぇ〜」
カンタロー消防士になりたいんだ、叶うといいね。他のみんなの夢も知れたよ、カナウトイイネ。
1ヶ月後…
(カンタロー視点)
放課後、日直を終えて教室に戻ると敏生が空を眺めていた。空を飛ぶのが夢だと言っていたけれどまさか本気で叶えるつもりじゃないよな…?次の日は背伸びをしながら、その次の日は椅子に乗りながら…毎日のように空を眺めていた。俺は敏生が消えてなくなってしまうんじゃないかと不安になった、それほど今の敏生は儚い存在に見えた。
幹「…人間は空を飛べない。そんなことキングでも分かるのにな」
卒業1か月前…
放課後に一緒に遊んでいたはずの敏生が急に居なくなりみんなで探していたところ、敏生は教室にいた。いや、正確には…教室の窓の手すりに座り、上履きを脱いだ足を外に出していた。窓は開かれ夕暮れの日差しが差し込んでいる。キングが慌てて声をかける
高「貧ちゃん!何やってんだよこんなとこで危ないだろ!」
すると、敏生は振り返りみんなに笑顔を向けた。夕日に照らされて、とても綺麗だった。
貧「今だから言えるけど、僕みんなに隠してきたことがあるんだ」
隠してきたこと?もしかしてあのことじゃ…
貧「実は…僕、貧血体質です!」
敏生が満面の笑顔で告白したけど全員が笑えない雰囲気だった、もうそんなことはこの5人全員知ってんだよ。
小「…知ってるよ、みんな知ってるよそれは!」
笑「私達、本当に申し訳ないことをしたと思ってるの!だからもうやめて!!」
みんなが半ば泣きそうな顔で敏生に悲願する、俺は務めて冷静に敏生をなだめた。
幹「なぁ敏生…こんなことをしても空は飛べないんだよ。お前の夢は叶えられねぇんだ、だから降りてこい」
優しい声音で手すりから降りてくるように促すと…
貧「知ってるよ、空を飛ぶなんて夢…馬鹿げてることも叶わないことも知ってるよ。」
敏生の声のトーンが落ち、顔も虚無感に苛まれていた。
貧「毎日疲れが取れなくて、目眩もするし汗も震えも止まらない。呼吸も乱れるし、またいつ倒れるかどうかも分からなくて怖くて怖くて仕方ない。倒れた時の意識は無いし、その時のことは何も覚えてない」
淡々と自分の症状を話す敏生に俺はいたたまれなくなった、1番早く気付いていながら何で俺が支えられなかったんだって。
貧「でもっ、今ここで貧血になったら空も飛べるかもね!みんなより早く夢叶っちゃうよごめんねぇ。」
あぁもうやめてくれ、これ以上笑顔を作らないでくれ。やっぱり沢山我慢してたんだ、本当にごめんな。
貧「僕、みんなと会えて遊べて嬉しかった。キング、僕にあだ名を付けてくれてありがとう」
高「そん、な…そんなことで感謝なんかすんな!俺はお前をずっと傷つけてたんだぞ!悪いのは俺達なんだって!!」
小「そうだよ!お前をこんなになるまで追い詰めてたのは俺達だ!死んで欲しくねぇよ!!」
笑「お願い…もう…これ以上自分を蔑ろにするのはやめて…」
ちょ「武田くん…僕は…君のしようとしていることが正しいとは思えないよ…」
みんなが口々に敏生を止めようとしている、でも…
貧「…僕は、ただ夢を叶えたいだけだから気にしないで。君達は何も悪くないんだから。…もう、我慢しなくていいんだぁ」
また、あの笑い方をした。俺達の苦手なあの笑顔。その後新たに微笑み直し、敏生は目を細めた。
貧「みんな、今までありがとう。じゃあね」
敏生は目を閉じ、ガクッと身体が傾いたかと思うとそのまま後頭部から外に身を投げ出しそうになった。
「「「「「敏生/敏生くん/武田くん!!!」」」」」
俺とターボーとキングが腕を伸ばす。間一髪のところで敏生を窓の外から救出し、俺は敏生を抱きしめる形で床に転倒した。幸い俺にも敏生にも怪我は無かったが、敏生はあの飛び降り未遂が引き金になったのか貧血を起こし意識を失っていた。俺達は敏生を保健室に運び込んだ。
(貧ちゃん視点)
あれ?ここどこ?保健室?…また貧血起こしちゃったのか。僕…何でまた貧血になったんだっけ?覚えてない…。
幹「敏生!」
あ、カンタロー…あとみんなも…え、まさか僕みんなの前で貧血起こしちゃったの…?
高「馬鹿野郎!何でこんなことしたんだよっ!」
キング、何で泣いてるの?僕、問題になるようなことしちゃったの…?
小「もう二度とあんなことすんなよ、窓を見ても身を乗り出さないこと!」
え?身を乗り出す?
笑「危なっかしくて仕方ないから私達と一緒にいること!いいっ!?」
貧「う、うんっ… 」
ちょ「生きててよかったぁっ…」
貧「ちょんまげ…ありがとう」
幹「とにかく、卒業したとしても俺がいてやるから安心しろ」
貧「ありがとう、カンタロー」
僕の飛び降り未遂事件以降、どうしても夢を叶えたくて空を眺めることがあるんだけど…
幹「はーい次移動教室だから行こうねーー」
カンタローに止められ、みんなについて行く。別の教室に行った時も窓の外を眺めていたら…
高・小「教室戻ろうなー」
とキングとターボーに連れてかれる。また次の授業の時も…
大「はい、では授業を始めます」
高「先生!」
大「何ですか?高木くん」
高「この学校の窓全部取り除くことって出来ますかっ!?」
大「出来ません」
教室中には笑いが出たが僕の為に言ってくれたのかと思うと嬉しくなった。そして、僕達は鷹里小を卒業し僕とカンタローで一緒に過ごすことが多くなった。
貧「ねぇカンタロー」
幹「何?」
貧「僕と友達になってくれてありがとう、だいすき!」
幹「お、おう…///」
カンタローは顔を赤くして目を逸らした、可愛いところあるじゃん。ずっと1人でいた僕はやっと、心の底から笑顔になれた気がした。