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百済るくあ【colorful】
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#執着
猫とろ
191
臣桜
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次に向かったのは、スパエリアの岩盤浴だった。落ち着いた照明の中、静かな音楽が流れている。じんわりとした熱気に包まれながら、僕たちは隣同士で横になった。
「……ねえ、陽一さん」
「ん?」
「覚えてる? 付き合いたての頃、岩盤浴デートしたこと」
ふいに、古いキャッシュを読み込むみたいに、記憶が鮮明に蘇る。
「ああ……神社の帰りだっけ」
「そうそう」
くすっと笑って、ひよりさんが寝返りを打つ。館内着越しに、肩がそっと触れた。
「あの頃の陽一さん、すごくかわいかったよね」
「……何が?」
「自分からは指一本触れないくせに、私の肩が当たるたびビクッてしてた♡」
「…………っ」
「しかも全然こっち見てくれなかったし」
彼女が、そっと僕の手に自分の手を重ねた。
「頭の中では、絶対いろいろ考えてたでしょ♡」
「…………」
「照れ屋さんだったもんね♡」
「……ち、違うよ」
「ふふっ、嘘つき」
楽しそうに目を細め、手をきゅっと握る。ただそれだけなのに、心拍数が一気に跳ね上がった。
「ねえ、陽一さん」
「……なに?」
「今日は、いっぱい恋人デートしようね♡」
***
岩盤浴でぽかぽかに温まったあと、僕たちはホテル内のカフェにいた。目の前には、季節のフルーツが踊るパフェと、濃厚なチョコレートパフェ。二種類のパフェを二人でシェアする。まさに、付き合いたての頃みたいな甘い時間――のはずだった。
「あ……」
不意に、ひよりさんの手から長いパフェスプーンが滑り落ちた。カラン、と音を立てて、テーブルの下へ消える。
「ごめんね……拾ってくれる?」
「いいよ」
深く考えず、床へ視線を落とす。だが、そこは予想以上に難易度の高いエリアだった。
コメント
1件
うわあ、番外編でこの甘さ……! 付き合いたての頃の思い出話から、今の恋人デートに繋がる流れがすごく自然で、じんわり温かくなった。岩盤浴で肩が触れたときの照れとか、ひよりさんの「今日はいっぱい恋人デートしようね」ってセリフがもう最高に可愛い。最後のスプーン落とし、何か仕掛けてる気がするけど、続きが気になりすぎる!