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百済るくあ【colorful】
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#執着
猫とろ
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臣桜
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このカフェのテーブルには、床まで届きそうな長いクロスがかかっていた。
めくった途端に、気づく。
スプーンが落ちたのは、クロスの奥。
つまり――ひよりさんの座席の真下だった。
しかも今日に限って、スカートは少し短めだ。
「……え」
反射的に動きが止まった、その瞬間。
彼女がゆっくりと脚を組み替えた。
クロスの影に隠された薄暗がり。
その奥で、一瞬だけ視界に入ってしまったのは――繊細なレースの縁。
(なっ……!?)
脳内の警告音が、一斉に鳴り響く。
これは駄目だ。
完全に、閲覧禁止の領域だ。
僕は視線を逸らしながら、どうにかスプーンだけを回収した。
這い上がるようにして現実世界へ帰還し、俯いたままテーブルに置く。
「……はい」
「ありがとう♡」
ひよりさんは、いたずらが成功した子どもみたいに笑っていた。
もちろん、僕の動揺を見逃してくれるような人ではない。
直後。
サンダルを脱いだ素足が、僕のズボンの裾にそっと触れた。
「……っ」
足元で、つま先が動く。
それだけで、さっきまで必死に立て直した処理能力が、また一気に限界へ近づいた。
「ねえ、陽一さん」
頬杖をついたひよりさんが、楽しそうにこちらを見ている。
「見たの?」
「あ、あれは……不可抗力というか、致し方ない状況で……」
「ふーん」
声が、明らかに楽しんでいた。
「で? どうだったの?」
「どう、とは……」
「感想」
逃げ場はなかった。
僕は火照った頬を隠すように、窓の外へ視線を逃がす。
「……き」
「き?」
「……きれいだと、思いました……」
「ふふっ」
満足そうに目を細め、少しだけ身を乗り出す。そして、内緒話をするように口元を手で隠し、僕だけに聞こえる声で囁いた。
「今日は、いっぱい甘やかしてあげるね♡」
コメント
1件
志賀さんの慌て方が可愛くて、お気に入りのシーンです。ひよりさんが「見たの?」とあえて聞くところも、スプーン拾いの一件から全部計算ずくの甘い罠だったんだな、とニヤニヤしてしまいました。素足で裾を触れる仕草や「今日は甘やかしてあげるね」の台詞は読んでいてドキドキしますね。二人の絶妙な駆け引きが番外編ならではで、本編にはない甘い空気を味わえて嬉しかったです。続きも楽しみにしています。