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ある高校生冒険者のAdventurer's Report 転載版

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ある高校生冒険者のAdventurer's Report 転載版

116 - page.98 閑話 突撃!小野麗尾モンスターズ! JTR編 黄金の約束

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2024年04月07日

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馬車はおろか、乗馬した時ですら感じた事のない速度で魔猪君と呼ばれる猪が駆けるのをMr.オノレオの背中越しに感じる。


不思議な所であった。継ぎ目の見えない石造りの道路がどこまでも続き、

資産家でもなければ手に入らないはずの自動車が何十台も走っている。


少なくとも私の知るイギリスでは見かけることのない光景だ。


「Mr.、ここはいったい何処で、私達は何処に向かっているのですか?」


「うん。疑問は尤もだけど、回答はもうしばらく待ってもらえるかな?」


「はい。」


遠い異国であることは間違いないだろう。

だが、不思議と不安を感じることは全く無かった。


私は憶えている。この人が殺人鬼であった私と約束を交わし、その約束を守ってくれたことを。


だから何となく期待すらしているのだ。この人なら私のたった一つの夢すらも叶えてくれるのではないのかと。


「もうそろそろ見えて来るかな」


そう聞こえたので背中越しに前を覗いてみる。


すると遠い地面の先に黄金の大地が広がっているのが見えた。


近づいてきたその大地には小麦とは別の黄金色の作物が大量に実る畑の様で、その真ん中当たりに止まり、先に降りた彼が、


「ようこそ、お嬢様。ここが黄金の国、ジパングです」


そう言って手を差し伸べてくる。


「どうして……」


呟きながら手を取って土の上に降りる。


「君の素性が解った時にイギリスの情報機関(MI6)が徹底的に君の情報を調べ上げてね。その中に大英帝国図書館で君が東方見聞録を何度も借りていたのが分かって、ひょっとしたらジパングに興味があったのかな。って」


その通りです。

当時イギリスの生活に息苦しさを感じていた私は書物で見る海外の情景に思いを馳せ、いつか訪れる事を夢見ていました。

婚約者の彼にも新婚旅行は黄金の国ジパングを見に行きたいと約束したのですが、その約束は果たされる事はありませんでした。

それが、時を超え、人間すら辞めてしまった今になって叶えられた事実に、心……いえ、魂に震えが止まりません。


「この国王の一大宮殿は、それこそ純金ずくめで出来ている。我々ヨーロッパ人が家屋や教会堂の屋根を鉛板でふくように、この宮殿の屋根はすべて純金でふかれている。したがって、その値打ちはとても評価できるようなものではない。宮殿内に数ある各部屋の床も、全部が指二本幅の厚さを持つ純金で敷きつめられている。このほか広間と言わず窓と言わず、いっさいがすべて黄金造りである」


「うん。ごめんね。金貼りの建物はあったと思うんだけど、経年劣化であまり金ピカに見えないんだ。イギリスにも小麦畑があるだろうから対して珍しい物ではないだろうけど、今のジパング……ジャパンでよくある黄金って言ったらこういった物くらいしかないんだ。

がっかりしたかな……?」


「いいえ、この目に映る限りの黄金が物質としての黄金に比べて価値が無いなどとは到底思えません。

それどころか今貴方がこの黄金の土地に連れてきてくれたという事実こそが私にとって掛け替えのない価値のある事なのです」


そう言うと、目の前のシャクヤちゃんはスカートの裾を摘まみ、見事なカーテシーを披露し、


「ミスタ・オノレオ。いえ、マモルさん。私、シャクヤは以降、この身の全てと身に着けた全てを以て貴方にお仕えいたします。

いつか、貴方が辿り着く事を望むその場所に辿り着くその時まで、ずっと……」


と、宣言した。

いや、重い。重いよ……

もうちょっと、こう、「私、頑張ります!」位の感じをだね……




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

[ランク] B

[種族] ジャック・ザ・リッパー

[名前] シャクヤ

[種族特性] 《冷徹》《地の利(霧)》《正体不明》

[個体特性] 《ファッションリーダー》《自分の手で脱がす派》《ギフテッド》《瀟洒》《PAD|長(マスター)》

《夜闇の霧の殺人鬼》《黄衣の王の使徒(消失)》《戦場帰り》

[種族技能] 《精密動作》《隠密》《ミスディレクション》

[個体技能] 《水魔法:D級》《《時空魔法:S級》《短剣術:A級》《影縛り》《装備破壊》《強制着衣》《戦場帰り》

《スポットライト》《殺戮の天使》《侍女の忠誠》《壊れた約束》→《黄金の約束》

《淑女の嗜み》

[その他備考]

《ファッションリーダー》:様々な衣装(下着含む)を展開可能。また、この個体が破壊した衣服(下着含む)は自動修復される

《侍女の忠誠》:洗脳等精神干渉を無効化する

《殺戮の天使》:人体構造の熟知により、人型の敵対存在の防御無効および致命効果の付与(確定クリティカル)

《壊れた約束》:彼女の後悔。”もし私に過ちがあったのならばその時に戻れればいいのに”と言う意思が引き起こす

時間逆行能力の発現。進む時間は当然の事ながら戻る時間の中でも彼女とその仲間は平時の如く行動できる。

できた。

《黄金の約束》:彼女の願い。”世界よ私は訴える この黄金の風景 この黄金の時こそは永遠に能う物だと

世界よ! 世界よ!世界よ! 時よ止まれ!!!

今この瞬間に目に映る世界はこんなにも黄金に輝き美しいのだから

世界よ!(ザ・ワールド)”

《PAD|長(マスター)》:鑑定では判別できない程度の胸部装甲の偽装が出来る程度の能力

《夜闇の霧の殺人鬼》:かつて倫敦を恐怖に染め上げた殺人鬼の技巧所持スキル

《黄衣の王の使徒》:外なる神々の加護。所有する者はあらゆる速度判定に優位を得るが不定期に不定の狂気に犯される。

日常のあらゆる動作時・出来事の遭遇毎にSANチェックが発生するような物


[契約義務]

・この個体の主人はこの個体に対して誠実であらねばならない。

・この個体は主人の命令以外で人間に対する敵対的行動を起こしてはならない。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


その後は魔猪君に乗せてもらって近くを散策したり、

帰り道の道路で暴走族?と言う不逞の輩共が絡んできたので魔猪君に追い回してもらったり、

”F豆腐店”と言う記号が書かれた自動車と峠最速なる称号を掛けたレースを行ったりしながら、

旦那様のご自宅に近づくと、背中に翼が付いているまるで天使の様な方々が、

「天使に正規・雇用を」

「生命種差別、ヨクナイ!?」

「ネコと和解せよ」

等と書かれた看板を手に旦那様に詰め寄ってきました。

追い返して疲れた感じの旦那様が、


「ああ、彼ら……彼女ら?は今度から君の下で一緒に働く事になる同僚達でね。

いやはや、国籍も定かではないのに困ったものだよ」


と仰られました。

え~と。私、どんな仕事をするのでしょうか……?




シャクヤちゃんの最後の発言は殺人鬼の技術解禁宣言。タイハナイ。イイネ?


・この個体は主人の命令以外で人間に対する敵対的行動を起こしてはならない。

イギリス政府の要請で付けざるを得なかった条件。守君は契約したモンスターを信頼しているので付けたくなかった。

尚、自衛権の行使は認めさせている。

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