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「なんだ、仕事の延長で付き合ってるのかよ。仕事好きなおまえには、お似合いだよな」
フンッと軽く鼻を鳴らし、負け惜しみのように皮肉をぶつけてくる元彼ヘ、
「仕事好きなことは、何も悪くはないだろう。僕は、彼女の仕事ぶりを評価している。そんな言い方しかできないのでは、彼女のことを何も理解していないとしか思えないな」
チーフは諭すような口調で淡々と話した──。
「僕は、仕事をしている彼女も、プライベートでの彼女も、変わらずに愛している。君も彼女のことが本当に好きだったのなら、彼女の全てを受け入れて、愛そうとするべきだったんじゃないのか」
何も言い返せなくなり、「ぐぅうー」と、言葉にはならない呻き声を漏らす元彼のことを、メガネ越しのクールな眼差しで一瞥をすると、
「……もう二度と、彼女には近づかないでほしい」
矢代チーフは、そう毅然と釘を刺して、私の肩を抱いて歩き出した──。