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「うるせーな、下僕のくせに俺に指図するんじゃねーよ」
「え?」
そう言われた私は何も言い返せなかった。
イザナがケンカが強いのは知ってた。それでも、万が一でもイザナが傷ついているところは見たくなかった。イザナと会えなくなるのはもってのほかだった。
でも、もっと強く言うべきだったんだ。だって私はイザナの彼女なんだから。
イザナの強さは昔から知っていた。だって私とイザナと鶴蝶は施設にいた時から一緒にいたから。
天竺と東卍の抗争、関東事変から1週間がたった。
私は今、鶴蝶の病室にいる。毎日来ているが、私たちは何も話さない。だって一人欠けているのだから。私たちが大好きだった人はもうここにはいない。
そろそろ時間が遅い。面会時間が終わる。私は立ち上がり、病室から出ようとした。
そんな時、私のスマホがなった。メッセージか届いたのだ。でも、この着信音はもう2度と鳴ることのないものだった。
私はびっくりした。鶴蝶も驚いている。
私は覚悟を決めて画面を見た。そこにはイザナからメッセージが届いていた。
「なんで…」
スマホに私の涙が落ちた。
「そう言えば、イザナが珍しく抗争前にスマホ触ってた。その時に何かしたのか。」
鶴蝶の言葉もあり、私はメッセージを開いた。
ごめん。この前は言い過ぎた。
それだけだった。
時間指定で、メッセージを送るようにしていたようだ。素直じゃないイザナらしかった。抗争が終わったら言うつもりだったんだろうけど、言えなかった時のために保険をかけていたのだろう。だからと言って一週間後は遅いだろう。
「ばか」
私の口から出るのはそれだけだった。
その後もう一度メッセージが届いた。次はなんだと思って見たら、
メッセージ届いたか?
このメッセージが届いたってことは俺はお前のそばにはいないんだろう。
いつも心配してくれているのに、無視してごめんな。
お前のこと幸せにしてやれなくてごめん、それでも俺はお前のこと一生愛してる。
もし、鶴蝶が一人だったらそばで支えてやって欲しい。
ワガママで、ごめん
愛してる。
私は大声で泣き出してしまった。
急に泣き出した物だから鶴蝶が慌てている。私は画面を鶴蝶にみせた。
「イザナ…」
私たちは二人で泣いた。
愛する人よ
どこにいますか
聞こえますか
会えない人よ
記憶の笑顔に触れたい
愛する人よ
僕にも大事な人ができたよ
聞こえてる
不器用だけど優しい人です
愛する人よ
見ててください。
病院からの帰り道、夜の空に向かって、思いが届くように歌った。
「イザナ、これから鶴蝶と頑張るからね。」
「愛してる」