“注意事項”
・自己満足
・大体1話完結です
・二次創作
・ご本人様とは関係ないです
・ホラー要素あり
・病んでる描写
これらが大丈夫な方はどうぞ!!!
不破視点
今日はましろちゃんと山に出かけている。
俺が着いてきているのはなんとなくで選ばれたからだ。ましろちゃんの目的は自殺スポットを見に行く事らしい。
「…この先っぽいね。」
安全性も考えて朝方に登山をしている。だから明るい。
…そもそも新スポに来る事自体危ないんだけれど…
「んふふ、ふわっち。いつもよりテンションが低いじゃん!もっとアゲてこうよ〜」
「んはは、テンション上げれたら苦労せんよ…」
「そっか。…」
そう素っ気なく返事を返される。
俺はただましろちゃんの心スポ巡りに付き添っているだけ…そう、付き添っているだけなのだ。
だから身構える必要も無いし、何かあったらましろちゃんが対処してくれると言っていた。
それなのに…それなのに何故か身体が重くて…頭が痛くて、足がどんどん動かなくなってきて。それでも意識はハッキリしている。
息は荒くは無いし、一応ましろちゃんの後ろに着いていけているからそんなに深くは考えなかった。
………………
____ぇ、
ねぇ、
ねぇ、聞いてんの?
…?なに。なんだ。
おいでよ。
どこに向かえば?
キミ、ホントは死にたいんでしょ?
…?…は…??な、何が?
なんで生きてるの??
ぇ…お、俺…皆を…笑顔にするため…に…
嘘だね
ぅ、そじゃ。
自分に正直になりな。
?
「…..っち。ふわっち!!」
「っ、!?」
「も〜、急にどうしたの?まだ目的地には着いてないよ。」
「ぇ、?ぁあ、はは、…」
冷や汗、悪寒、嫌悪感、恐怖、吐き気。
何も分からない。
「…ふわっち。」
俺の状態を見兼ねたのか、ましろちゃんが俺の手をぎゅ、と握り締め、俺の手のひらに何かを握らせた。
暖かくて安心感があるその手は、いつの間にかバクバク強く波打っていた心臓を落ち着かせてくれた。
「ぇ、あの、ましろちゃん…」
「ふわっちに御守り的な…護身用の物を持たせた。それで抑えきれなくてこれ以上進めなさそうなら引き返そう、…」
“ ここで引き返そうとしないのには理由がある “
そう言いながらまたどんどんと先に進んでいく。手のひらにはましろちゃんがくれた御守り、あぁ、今俺”ガチ”な所にいるんだって実感をした。
御守りを持ってからというもの、耳鳴りのみで声みたいなものは聞こえなくなったし、体調もすこぶる良いよりだった。ある所に来るまでは
突如、身体がずん、と重くなった。身体が、動かない。その場に立ち尽くしては、足が重りになったかのように動く気配はサラサラない。そうこうしている間にもましろちゃんはどんどん先に行ってしまう。
ああ、いかないで。
どうか、いかないで。
いかないで●●●ちゃん
待って
世界が暗転し、目を開いて、俺がいた所は
崖っぷち。
崖下には川が流れている。落ちたら、絶対生きて帰れないだろう。
「…」
“ ホントは死にたいんでしょ? “
” 嘘だね “
” ねえ “
『 ねぇ 』
その声に息を飲んだ。
呼吸が、止まる音がした。
紛れもなく、俺の声。
『 偽んの、やめな。 』
「…」
『 それができないなら飛び降りて 』
後ろからそんな声が聞こえる。
妙に輪郭を得ていて、妙に頭の中に残り続ける。
今までしてきた事全てが否定されたような、そんな感じがする。
みんなを笑顔にする為に自分を偽って
お喋りなんか元々好きじゃないのに、お金の為に自分を偽って
自分の本心じゃないこと言い過ぎて、自分が分からなくなって
それでもひたすらに、誰かの為にと、誰かの幸せの為にと
頑張って
偽ってきて
心の中に残り続けていたわだかたまりが、今になって胸を引き裂こうとしてくる。
「…どうしてそんな事を言うん。」
気持ちを殺し、感情を殺し、抑えに抑えてやっと言葉を発した。
『 疲れた、から 』
すぐそんな返事が来る。
抑えきれないくらい感情と気持ちが込み上げてくる。
「俺って、こんなもんかぁ」
殺した筈の感情が溢れ出てくる。
涙となって、声になって
とめどなく
『 偽る事すらできないくらい疲れてるよ お前 』
嘘だ、と思いたい。これは悪い夢、だ。
悪い夢なら醒めて
ふと、崖下の川のことを思い出す。
動かない足を引き摺って、引きずって、一生懸命に身体を這わせ、下を見る。
俺を飲み込む気満々というかのように、さっきよりも流れが激しくて、波立っていた。
『 お前の顔ひでぇ〜 』
『 ホンマにそれで良いん? 』
『 自分を押し殺したまま生きていく、って事で 』
今更なにを言うのだ、自分は。
今更気持ちを変える気は無い。
自分を殺し、他人の幸せを優先してやる。
それが俺の今の考えであり、存在価値。
「…他人の幸せは俺の幸せ、だから」
『 また嘘ついてる、ほんとに変わんないなぁ 』
『 ま、え〜けど。 』
じゃあね。そんな事を言ってパッタリと気配と姿を消していった。
下に見える川、俺は今からそこに飛び込む。いや、もう飛び込んでいる。
いつ飛び込んだんだ、俺は
…ま、いっか
…….っち、
…..わっち、
ふわっち!!!!!!!!
「っ、?な、に???ましろちゃん」
「ごめん、ふわっち」
「…???ゃ、別にいいけど、 にゃは、どうしたん。そんな顔して」
「僕が間違ってた、…引き返そう。」
「…なんで??」
「なんでって…目的はもう果たせないから、」
「…俺の目的はまだ果たしてないよ。」
「だめ、お祓いしてもらおう、」
そう言ってましろちゃんは俺の手を引っ張ろうと腕を掴んでくる。
そんなましろちゃんの手を振り払った。
「ごめん、俺、弱かった」
俺、いつ目的ができたのだろう。
なんでそんな悲しい顔をするんだ。
悲しませちゃダメだ。悲しませちゃ。
「…引き返そ、ましろちゃん。」
にこりと笑って、その手を引いた。
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