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受験生(15)×家庭教師(大学生)
おそチョロです。
思春期真っ只中でどうしても意識しちゃうおそ松くんと、先生として頑張っているチョロ松の話です。
夕方。家庭教師が来る日。
玄関のチャイムが鳴くと、おそ松の心臓はいつもより二拍くらい増える。
(…来た……やべ……)
扉を開けると、大学生のチョロ松が立っていた。
黒いバッグと清潔感のあるシャツ。
ただ“先生”が来ただけなのに、胸の奥がざわつく。
「おそ松くん。今日もよろしく。」
名前を呼ばれただけで、耳が熱くなる。
(なんで俺、こんな……)
勉強机に座ると、チョロ松はいつも通りに進めようとする。
「数学、前よりできてきたよ。自信持って。」
「……っす」
素直に喜べない。
褒められると嬉しすぎて、変な反応になりそうだから。
俺が戸惑っていた問題をチョロ松が解説するために椅子を近づけた瞬間、
距離が一気に縮まった。
シャンプーの匂い。
なびく髪。
そして肩が触れそうな距離。
無理無理無理近ぇよ……!!
「ここ、解いてみようか。」
部屋は静かなはずなのに、おそ松の心臓は爆音に聞こえた。
鉛筆を持つ手が震える。
「……な、なぁ、チョロ松…」
言ってから後悔した。
なんで声かけたんだ俺。何を言うつもりだ俺。
「ん、どうしたの。」
気づけば目が合ってしまう。
その瞬間、ありえないほど胸が熱くなる。
「っ……やっぱ…なんでもない」
「本当に? 顔赤いけど。」
言われた……気づかれた!!いつもはニブチンの癖に。
あわてて下を向くと、チョロ松が心配そうに顔を覗き込んだ。
「…疲れてる?休憩しよっか?」
「つ、疲れてねぇし!!」
誰のせいだと思ってるんだ
我慢できず机に突っ伏しノートに顔をくっつけると、チョロ松が背中を軽くさすった。
触られた箇所の温度がどんどん高まっていく。
「無理しなくていいよ。
受験生なんだから、焦らなくて大丈夫。」
そうじゃない。
受験のことなんてどうでもいい。
チョロ松のことでいっぱいいっぱいなんだ。
しばらくして顔を上げると、チョロ松はノートを整えながらこちらに気づく。
「おそ松くんは、いざやればがんばれる子だよ。一緒に少しずつ進めていこう。」
“先生の笑顔” のはずなのに、胸が痛いくらいズキズキする。
「……うん。」
小さく返事すると、チョロ松は優しく頷いた。
たったそれだけで、身体中が熱くなる
ただ、一言喋っただけで、触れただけで、近ずいただけで。
今日もまた、どん底に堕ちるほど好きになっていく。