テラーノベル
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結局。
「これも可愛い。」
「これもいいかも。」
そんなことを言いながら選んでいるうちに、三人の買い物かごはいつの間にかいっぱいになっていた。
レジを済ませたあと、阿部は苦笑する。
「翔太の言ってたこと、本当だったね。」
「行ったら絶対いろいろ欲しくなるって。」
渡辺は満足そうに笑う。
「でしょ?」
深澤も紙袋を見つめながら笑った。
「今日は完全に予定外の出費だな。」
三人は笑いながらショッピングモールをあとにした。
___________
その日の夜。
阿部はお風呂を済ませると、買ってきた紙袋を開けた。
「……せっかくだし。」
渡辺が選んでくれたランジェリーを手に取る。
「一回くらい着てみようかな。」
鏡の前に立つ。
黒を基調にしたレース。
小さなリボンがアクセントになっていて、可愛らしさもある。
けれど、普段身につけているものよりセクシーすぎるデザインだった。
「……。」
阿部は鏡を見つめたまま、頬を赤くする。
「翔太……。」
「やっぱり攻めすぎじゃない?」
思わず照れ笑いがこぼれる。
「これ、めめに見られたら……。」
少し想像してしまい、慌てて首を振る。
「いやいや。」
「足腰終わるどころじゃない。」
「やっぱり着替えよう。」
そう思って手を伸ばした、その時。
「……あべちゃん?」
脱衣所のドアが少しだけ開き、目黒がひょこっと顔を覗かせた。
「タオル置き──」
そこまで言って、目黒の動きがぴたりと止まる。
「……。」
「……。」
お互いに固まる。
数秒の沈黙。
阿部の顔は一気に真っ赤になった。
「め、めめ!」
「これは、その……!」
慌てて説明しようとするが、言葉がまとまらない。
目黒はしばらく固まったまま阿部を見つめていたが、やがて小さく息をつき、照れたように笑った。
「……いただきます。」
「え?」
阿部が聞き返す間もなく、目黒はそっと近づく。
「すごく似合ってる。」
その一言だけ伝えると、阿部をふわりとお姫様抱っこした。
「わっ!」
「めめ!」
「ちょ、ちょっと待って!」
阿部は恥ずかしさのあまり目黒の肩へ顔を埋める。
「翔太のせいだ……。」
目黒は思わず笑った。
「今度、しょっぴーにお礼言わないと。」
「言わなくていい!」
阿部はさらに顔を赤くしながら抗議する。
目黒はそんな阿部を大事そうに抱えたまま、ゆっくり寝室へ向かって歩き出した。
寝室のドアが静かに閉まった。
コメント
2件
🖤の「いただきます」に笑った、💚の心配的中しています😂
**リオン:** 買い物の楽しげな空気から一転、夜の阿部さんの試着シーンがめちゃくちゃドキドキしました。鏡の前で照れながら「翔太…やっぱり攻めすぎじゃない?」ってつぶやくのが可愛すぎる。そこに目黒さんがひょっこり覗いて「いただきます」って…その台詞だけで優しさと色気が滲んでて震えました。二人の関係性がじわじわ深まっていく感じが好きです。
おその★
3,507
#ダークファンタジー