テラーノベル
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🦈「……らんくん?」
その名前を口にした瞬間。
未来管理室の空気が凍りついた。
いるまが目を見開く。
📢「お前、今なんて――」
だが最後まで言えなかった。
らんが一歩前へ出たからだ。
🌸「久しぶり」
柔らかな声だった。
どこか安心するような。
不思議と警戒心が薄れてしまうような。
それなのに。
いるまは即座にこさめを背中へ隠した。
📢「下がれ」
🌸「え?」
📢「今すぐ」
🌸「でも」
📢「下がれ」
珍しく強い口調だった。
こさめは驚きながらも一歩下がる。
らんはその様子を見て少し困ったように笑った。
🌸「そんなに警戒しなくてもいいのに」
📢「黙れ」
いるまが睨む。
📢「お前がここにいる時点で最悪なんだよ」
🌸「ひどいなあ」
らんは肩をすくめた。
怒っている様子はない。
むしろ。
どこか寂しそうだった。
そして再び視線をこさめへ向ける。
🌸「元気そうでよかった」
その一言。
まるで本当に心配していたみたいな声だった。
こさめは戸惑う。
なぜだろう。
この人を怖いと思えない。
むしろ――
懐かしい。
🍵「こさめちゃん!」
突然、声が響く。
白い光。
転移魔法陣。
そこから飛び出してきたのは、すちだった。
息を切らしている。
普段ののんびりした様子はどこにもない。
🦈「すち!」
こさめが思わず呼ぶ。
すちはこさめを確認すると、ほんの少しだけ安心した顔をした。
しかし。
らんを見た瞬間。
その表情が固まる。
🍵「……らんらん」
🌸「やあ、すち」
らんが微笑む。
まるで昔の友達に会ったみたいに。
だが。
すちは笑わなかった。
🍵「何しに来たの」
静かな声。
けれど確かな警戒があった。
らんは少し考えてから答える。
🌸「迎えに」
その言葉に。
部屋の空気が張り詰める。
🍵「誰を」
すちが聞く。
答えは分かっていた。
それでも聞いた。
らんは当然のように言った。
🌸「こさめを」
こさめは目をぱちぱちさせる。
🦈「こさめ?」
🌸「うん」
らんは優しく笑う。
🌸「帰ろう」
まるで。
待ち合わせの相手を迎えに来たみたいな口調だった。
🦈「えっと」
こさめは困惑する。
🦈「どこに?」
🌸「俺たちの場所」
🦈「俺たち?」
🌸「そう」
らんは頷いた。
そして。
少しだけ寂しそうな顔をする。
🌸「本当に忘れちゃったんだね」
胸が痛んだ。
その顔を見た瞬間。
何かを思い出しそうになる。
夕焼け。
笑い声。
誰かと追いかけっこした記憶。
だけど。
あと少しで届かない。
すると。
すちが一歩前へ出た。
🍵「だめだよ」
穏やかな声だった。
いつもと同じ。
けれど。
その優しさの奥に強い意志が見える。
🍵「まだ記憶が戻ってない」
🌸「知ってる」
らんが答える。
🌸「だから迎えに来た」
🍵「今はだめ」
🌸「どうして?」
🍵「危険だから」
🌸「誰にとって?」
すちが黙る。
らんは少しだけ目を細めた。
🌸「世界?」
🍵「……」
🌸「それとも」
そして。
静かに続ける。
🌸「こさめにとって?」
すちは答えない。
答えられない。
こさめは二人を見比べた。
どちらも自分を知っている。
どちらも何かを隠している。
どちらも心配しているように見える。
なのに。
何も教えてくれない。
🦈「ねえ」
こさめが口を開く。
全員の視線が集まる。
🦈「こさめ、何者なの?」
静寂。
誰もすぐには答えなかった。
そして。
意外にも最初に口を開いたのはらんだった。
🌸「こさめはね」
優しく。
昔話を聞かせるみたいな声で。
🌸「未来を守る人だった」
その瞬間。
管理室の奥で何かが光った。
誰も触れていない本棚。
そこにあった一冊の本が勝手に開く。
ページがめくれる。
ぱらぱらと。
まるで何かを探しているみたいに。
そして。
あるページで止まった。
そこには古い写真が貼られていた。
写真の中には三人の少年。
一人はこさめ。
一人は若い頃のすち。
そしてもう一人は。
今と変わらない笑顔のらん。
写真の下には手書きの文字。
**『未来管理計画 第一期メンバー』
その文字を見た瞬間。
こさめの頭の中で。
封印された記憶が、また一つ大きく軋んだ。
そして遠く離れた場所――
封印されているはずの『人類の未来』の箱が。
今までで一番強く。
青く輝いた。
コメント
3件
♡1、1コメ! 嬉し! 連打は明日で許して欲しい(>_<) 軋んじゃだめでしょw え〜。 続き気になる〜w
第12話、お疲れ様です…! らんくんの「迎えに来た」からの、すちくんの「だめだよ」の対比がエモすぎた…😭💕 いるまくんがこさめちゃんを守ろうとするのも、らんくんの「こさめは未来を守る人だった」って言葉も、全部心に刺さった。 写真の《未来管理計画 第一期メンバー》めっちゃ気になる…! 続きが待ち遠しいよ〜!!📖🌸
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