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私
達の愛は本物ですか? 偽りではありませんか? 私達はお互いを愛していますか? 貴方にとっての愛とはなんでしょうか? この物語はそんな疑問から生まれました。
「あぁ、もうダメ……」
そう言って僕はベッドに倒れ込んだ。時計を見ると既に時刻は深夜の二時を過ぎていた。こんな時間に起きているなんて僕くらいなもので、家の中には誰一人として存在していなかった。ただ唯一、僕の部屋の中だけは例外だったが。
「……お腹空いた」
さっきまで眠っていたせいなのか急に目が冴えてしまった僕は、喉の奥がカラカラになるような飢餓感に襲われていた。
「なんか食べようかな」
台所へと向かい冷蔵庫を開けると、そこにはカップ麺が一つだけポツンと置かれていた。
「うわー、これだけ?」
いつもなら母親が買い置きしてくれてるんだけど、今日は珍しく夜勤らしく、朝からずっと家にいなかったのだ。
「仕方ないか」
仕方なく棚の中から乾パンを取り出した。これは非常食なので普段はあまり食べることはないのだが、こういうときに限って食べたくなるんだよな。
袋を破って口の中に放り込むと、渇き切った喉に水分が流れ込んでいく感じがして心地よかった。やっぱりこれだよな! と思いつつ、ふと壁にかけてある時計を見ると午後八時を過ぎていた。うわっ……もうこんな時間なのかよ!? 慌てて水筒を鞄に押し込み、俺は学校から帰宅することにした。今日はちょっと早く帰りたかったんだよね。なんせ今週ずっとテスト週間だからさ。部活もないわけだし、授業が終わったら即帰って勉強しないといけないんだよ。まったく面倒くさい話だけどね。
そういえば、俺が通っている高校は私立の進学校で、生徒のほとんどは大学進学を目指して日々勉学に励んでいるんだけど、中には就職志望の生徒もいるらしい。俺もその一人なんだけど、実は進路希望調査票っていうプリントをもらっていない。つまりまだ提出してないんだよね。だから俺は、今日こそ担任からそのプリントを貰うべく職員室まで出向いたわけだけど……そこで俺はとんでもない光景を見てしまったのだ!
「先生、お話があります!」
「え? あぁ、うん。どうぞ」
なんとその日、職員室に呼び出されていたのはうちのクラスの学級委員長、桐乃ちゃんだった。彼女は職員室の真ん中に立っていて、その前には眼鏡をかけた中年男性教師がいる。そして二人はなぜか睨み合っていた。一体何事!?
「あたし、この学校を辞めようと思います」
「へぇ、そっかー。じゃあお願いね」