お久しぶりです、皆さん。今回はドイツ篇になります。長い期間お待たせしました、書く余裕がなく時間が無かったためなかなか投稿する事ができませんでした。すみません🙇
では本編に移りましょう!
俺は天才だった。出来ないことなんて無かったしどんな事でも人より秀でていた。では何故今こんな仕事をしているのか? 答えは簡単だ。
ナチ 「お前は天才だが鬼才ではない、だから私を超える事は出来ない。」
此奴を超えられなかったから。
では、もう少し時を遡って話をしよう。あれは俺が7歳の時だった。
ナチ 「生物を殺すのに一番大切なことはなんだと思う?」
今思えばまだ7歳の子供にすごい事を聞いてきたんだよな。
ドイ 「…覚悟です。」
ナチ 「何故そう思った?」
ドイ 「誰でも人を殺害するのは躊躇います。…覚悟が決まっていれば相手に隙を見せる事なく殺害出来ます。」
ナチ 「流石私の息子だ…素晴らしい答えだ。」
正解だったのか。
ナチ 「しかし正解ではない。正しい答えは何も考えない、だ。」
は?
ナチ 「何も考えないという事は体が勝手に動くという事だ。それが相手にとって1番恐ろしい、いつ殺られるか分からないからな。」
何言ってんだ?
ドイ 「そんな事出来ません、常人には。」
ナチ 「お前は常人なのか?」
ドイ 「え?」
ナチ 「お前は私の息子なんだ、私の血を引いているのだから奇人に決まっているだろう。」
あんたと一緒にするなよ。
ドイ 「そうですか。」
ナチ 「まぁまだお前は7歳だ、その歳の割にはデキる方だろう。」
ドイ 「ありがとうございます。」
ナチ 「…そうだ、夕方私の地下室に来い。お前に良いものを見せてやろう。」
良いもの…?あんたにとっての良いものなんて碌なものじゃ無いだろう。
夕方
何も音がしない… 。地下室までこんなに静かだったか?
ナチ 「来たか、こっちだ。ついて来い。」
なんだ…嫌な予感がする。
ナチ 「着いたぞ、入れ。」
ドイ 「はい。」
…………。
ドイ 「これが良いものですか?」
ナチ 「そうだ。」
ドイ 「子供の死体ですけど?」
ナチ 「…分からないのか?」
ドイ 「何がですか?」
ナチ 「此奴はお前の弟だ。」
ドイ 「そんな事聞いたこともありませんが。」
ナチ 「そりゃそうだ、お前とは別で育てていたんだからな。此奴は腹違いのお前の弟だ。」
ドイ 「…誰との子ですか?」
ナチ 「自分の事より此奴の事か、変わって
るな。」
ドイ 「貴方ほどじゃありません。」
ナチ 「ははっ…此奴は◯◯王国の王女との子だ、確か2歳の時に殺したんだ。」
ドイ 「どうして殺したのですか?」
ナチ 「理由など無い、言っただろ?殺すのに大切な事は何も考えない事だと。」
血縁者なのに…という事は、
ドイ 「………俺も。」
寒気がした、たとえ息子であろうとこの人は殺るんだ。これは通告だろうか…いつでもお前を殺せるぞと…!
ナチ 「心配するな、お前は殺らん。お前には期待してるんだ…あいつとの子だからな。」
あんたの言葉なんか信じられるかっ…!
殺らなきゃ
ナチ 「つまらない…本当に。」
何故だ…確実に心臓を刺したはずなのにっ!
ナチ 「さっきからずっと言っているだろう?何も考えるな、と。」
ドイ 「はあ、はぁっ…っは、」
まずい…死ぬ。
ナチ 「ほらな、今も何か考えている。どうせ殺されるとでも考えているのだろう…さっきもそうだ、お前は自分の危機を感じて私に攻撃した。順序立てたのが間違いだ、どうやらお前に何も考えないという事は不可能らしい。」
ドイ 「ちがっ「何が違う?言ってみろ…。」
…怖い……………怖い怖い怖い怖い怖い怖い
何か…何か言うんだ!せめて何か言い訳をっ
ナチ 「遅い。」
ドイ 「………えっ」
刺されたのか…腹を?………???
ドイ 「ぶっ…はあっ!…あ、…あっ。」
血…?
ドイ 「こっ殺さないんじゃ…。」
ナチ 「あぁ、殺さない。だからお前は今生きているんだ。」
ドイ 「…どういう事?」
ナチ 「わざと急所からズレたところを刺した。すぐに治療すればお前は死なない。」
おかしい…この人は俺よりイカれてる。殺らないと………殺られる。でも今じゃない。
ナチ 「ん?………なるほど、逃げたか。私から逃げられると思っているのか…と言いたいところだが追う必要がないな、せっかく生かしてやろうとしたのに勝手に逃げたんだからな。…どこまで逃げられるかな?」
ドイ 「っ……はっ…あ、……はぁ、」
血が止まらない…このままじゃ本当に、
? 「そこのガキ。」
ドイ 「?」
? 「その怪我はどうした?」
ドイ 「…親にやられた。」
? 「変わった親だな…それにお前の親は結構な実力者みたいだな。故意的に急所から少しズラして刺しているらしい。」
ドイ 「…だからなんだ?」
? 「俺と来る気はないか?」
ドイ 「…俺にメリットはあるか?」
? 「そうだな…とりあえずその怪我治してやるよ、お前使えそうだし。」
ドイ 「…あんたに利用されるくらいなら今死ぬ。」
? 「やり返したいとは思わないか?」
ドイ 「…無理だ。彼奴には勝てない…きっと大人になっても。」
? 「だったら俺が手伝ってやるよ。」
ドイ 「あんたが俺の親より強い保証でもあんのか?」
? 「ある。」
本気か…此奴。
? 「俺は世界一強い、それでいて正義だ。誰も俺には逆らえない。」
ドイ 「…分かった、あんたに協力するよ。」
? 「そうか、それは良かった。で、お前名前なんてんだ?」
ドイ 「ドイツ、あんたは?」
アメ 「アメリカだ。じゃあさっさと帰るぞ、俺の会社に。早く手当てしないと手遅れになりそうだ。」
これが俺とアメリカとの出会いだ。どうだ?なかなかロマンチックだろう?
現在
日 「ドイツさんのお父さんってどんな方なんですか?」
ドイ 「そうだな…完璧で合理的で誰よりも強くて…殺したい奴だ。」
日 「では私と一緒ですね!私も母を殺したいので!!」
ドイ 「…はっ、そうだな。ところでイタリアは最近どうした?」
日 「さぁ…イタリアさんなら私よりドイツさんの方が仲良いじゃないですか。直接聞けばどうです?」
ドイ 「それもそうだな…。」
イタ 「パパ、待っててね。………もうすぐだよ。」
次回 イタリア篇
『続』